金沢「自由軒」ひがし茶屋街の百年洋食。極上生ビールで気分はビアホール

金沢「自由軒」ひがし茶屋街の百年洋食。極上生ビールで気分はビアホール

2021年9月26日

歴史ある金沢には老舗の飲食店が数多。洋食ならばひがし茶屋街の一画で百年続く「自由軒」が有名です。名物は醤油味のオムライスですが、実はここ、お酒好きにとっても良きお店。古都散策の合間に、極上の樽生キリン一番搾りやワインで喉を潤しませんか。

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海鮮とおでん、だけじゃない昼飲みの金沢

東京から北陸新幹線で2時間30分。ここは石川県金沢市の表玄関、立派な鼓門が建つJR金沢駅です。

加賀百万石の城下町・金沢は、伝統文化が息づく街です。兼六園や様々な工芸品を鑑賞したあとは、金沢ならではの味に舌鼓を打ちたいものです。郷土料理の治部煮や金沢おでん、日本海の幸が楽しめる海鮮居酒屋などをめぐりませんか。

さて、そんな金沢でお昼から飲むならば、あえて洋食という選択はいかがでしょう。今回ご紹介する自由軒は王道の洋食店ではあるものの、私の感じ方としては古都の老舗ビアホールというイメージです。どんな雰囲気か、本記事でぜひご確認ください。

金沢駅からJRバスに乗り橋場町バス停下車。市内中心部を流れるふたつの川のひとつ、浅野川にかかる浅野川大橋を渡ります。

橋から徒歩2分。ここは金沢を訪れたら一度は訪ねたい、重要伝統的建造物保存地区の「ひがし茶屋街」です。茶屋が立ち並び芸姑さんが行き交っていた頃の風情を今に残す町並み。自由軒では芸姑さんのアイデアで生まれた独特なカツ丼があります。

石造り風の堂々とした店構え。明治42年創業、格式高い一軒です。

観光地のまん真ん中にある老舗ということで観光客も多いですが、意外にも地元利用率が高いのです。利用しやすい良心価格と、家族経営の温かい雰囲気がそうさせているのだと思います。4代目が老舗ののれんを守り続けています。

外観の洋風建築とは裏腹に、店内はどことなく寿司店のような構造です。オープンキッチンの厨房を見渡すL字のカウンターに、向かいには畳敷きの小上がりというつくり。

特等席は間違いなく4代目がフライパンをふる様子を間近で見られるカウンター席でしょう。美味しいと酒類関係者も太鼓判を押す同店の樽生ビールですが、目の前のビールディスペンサーはごく一般的な機材。ただ、これが驚くほ美味しいのです。丁寧な洗浄とグラス、樽の温度管理などが完璧。

気分は昔ながらのビアホール。キレッキレのキリン一番搾り(たっぷりはいる中ジョッキ680円)で乾杯!

品書き

飲み物

老舗の名店ながら、お酒の値段は良心的。グラスワイン赤・白は490円、ビールはキリンラガー大瓶が750円、サッポロヱビスの中瓶は680円。そのほかホワイトホースハイボール(540円)や日本酒お銚子(540円)など。

あれもこれも食べたくなる定番料理

グリルチキン(1,650円)、タンシチュー(1,980円)、ミックスフライ(2,120円)、スパゲッティ(880円)にハヤシライス(790円)と、定番の洋食料理に混ざって、名物の海老コキール(1,870円)や海老丼(1,230円)など海老料理多数。さすが海老の水揚げ豊かの石川県。

ごはん物

お店のイチオシでメディアでも紹介されることが多い醤油味のオムライス(830円)、サラダとトンカツを一緒に盛り付けた昔のカツ丼(1,510円)。ヤキメシが790円など、やはりどれも良心価格です。

海老のケチャップライスとは?ビールがめちゃくちゃ進む!

海老ライス(880円)

しっとり系ケチャップライス。こうみえて「海老ライス」です。ピラフなどに入る小エビではなく、大きい海老がぶつ切りでごろごろと入っています。

ケチャップの主張だけでなく、海老の旨味が染み出していて、これが実にビールとあいます。添えられた福神漬もいいアクセント。

昼食時のピークを外せば、のんびりお酒が楽しめます。昼営業のラストオーダーは15時と遅めなのも嬉しいところ。もう少し飲みましょうか。頼んだグラスワインは、ちょうどボトルを開けたてのものをだしてくれました。

歴史ある自由軒。風格がありながら、ふらっとビールを飲みに立ち寄り一杯飲みたくなる明るく雰囲気のいい洋食店です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名レストラン 自由軒
住所石川県金沢市東山1-6-6
営業時間営業時間
[月・水~金]
11:20~15:30(L.O.15:00)
17:00~21:30(L.O.21:00)

[土・日・祝]
11:20~15:30(L.O.15:00)
16:30~21:30(L.O.21:00)
日曜営業
定休日
火曜・第3月曜
開業年1909年