高知『餃子家よこじい』脱サラして15年。深夜営業の謎の餃子酒場。

高知『餃子家よこじい』脱サラして15年。深夜営業の謎の餃子酒場。

2021年6月3日

よこじい」というおじいちゃんがやっている、真夜中の餃子酒場。屋台餃子が有名な高知ですが、もっと深く、もっとディープに飲むならば、ここで決まりです。といっても、若い人でも入りやすい店構え。

眠らない街ならぬ、飲み終わらない街「高知」。

JR高知駅の改札を抜けると、「べろべろの神様」というキャラクターが迎えてくれるくらい、高知の文化に飲酒は欠かせません。お昼は比較的静かな中心街は、夜になればどこからともなくお酒好きが集まってきます。

何軒か梯子するのが高知の酒場スタイル。だから、三軒目、四軒目需要に応えてくれる酒場も存在します。今回ご紹介する「よこじい」もそうした深夜型の一軒です。

スポンサーリンク

脱サラ15年、高知の深夜食堂

お店の説明をする前に、なにはともあれ「たっすいがは、いかん!」キリンビールで乾杯です。

高知の有名人「坂本龍馬」の「龍」と「馬」で、顔が龍で体が馬の聖獣「麒麟」に連想する、だから麒麟好き!なんて酔っ払いトークはほどほどにして、お店をみてみましょう。

※御存知の通り、坂本龍馬はトーマス・グラバーと取引があり、グラバーは後の麒麟麦酒になるビール会社の設立者。酔っぱらい話だけではない、関係性があります。

〆にもどっしり飲みにも使える

さてさて、ビールは瓶でキリン一番搾り(中びん600円)のほかに、タップマルシェ(クラフトビールのサーバー)も導入されています。

餃子や炒飯といった中華メニューはあるものの、全体的に酒場的で、〆にもいいし、もう一回ネジを締め直して飲み始めるにも良いお店。久礼酔鯨月桂や、焼酎各種あり。先客の若いカップルはチューハイ的な何かを飲んでいます。話はしましたが、それがなにか聞きそびれてしまいました。

餃子に特長大!高知のお酒に合う餃子

さて、名物は餃子です。

寡黙で職人風で、ちょっぴり気難しそうなオーラをだしているご主人のよこじい。勇気をだして、取材で来ている旨を話すと、予想と反してものすごく接しやすく人懐こい方。なるほど、だから「よこじい」なのね。ご主人は横山さん。

黙々としていたのは、どうやらご本人もお酒を楽しまれていた様子。あぁ、これはこれは。

よこじい餃子(400円)

先客が餃子を注文するのに合わせて、こちらもお願いしました。

最もスタンダードなよこじい餃子。当然ご主人のお手製で、一つずつ非常に整った形状をしています。

もちもちの皮と、味が濃く深い旨味と野菜の甘さがある一品。具材は内緒とのこと。

さぞ餃子の道を極めてきた方なのかと思い、話を続けてみます。すると、なんと15年前までは会社員だったそう。飲食が好きでお店を始めたようなのですが、「仕方なく」的な言葉でごまかしていました。でも、この餃子だけでなく、店内の雰囲気づくりもとてもよく考えられており、「好きこそものの上手なれ」感でいっぱいです。

MIX餃子(600円)

まるで焼売のような、よこじいのスペシャルな餃子はぜひ食べておきたい一品。蒸しではなくこれも焼き餃子。左からねぎ梅餃子サクサク醤油餃子葉わさび餃子

焼売のように皮に隙間があるのではなく、火口のように一旦持ち上がった皮が下へくぼみ、皿状になっています。これを大量に作る手間は想像できません。

肉汁がもれることはなく、みっちりとつまった餡からは大量の肉汁が染み出しきます。

餃子と日本酒の組み合わせ、意外なほどによく合う。そんな話をしていたら、ご主人がお酒飲みだから、高知のお酒に合う餃子をつくったのだと教えてくれました。

夜8時頃に開いて、深夜3時ころまでお客さんがいれば開け続けるというお店。フシギなほどに居心地よく椅子に根が生えてしまいそうな時間でした。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名餃子家よこじい
住所高知県高知市帯屋町1-3-9
営業時間20:00~27:00(日定休)
開業年2006年