金山『一力』魚介たっぷり至福の一皿!70年続く市場メシで飲む

金山『一力』魚介たっぷり至福の一皿!70年続く市場メシで飲む

2021年5月22日

1949年の市場開設にあわせ開業し70年。安くてボリューム満点の料理と癒やしの一杯で、名古屋の台所で働く人々を支えてきた食堂「一力」。名古屋で朝から飲むならば、ここで間違いありません。

朝からお酒が飲みたいときは、市場という選択はいかがでしょう。東京の築地・豊洲が有名ですが、日本全国の都市に、食材流通の要となる中央卸売市場があります。そこには、きっと昔から続くいい店があるはずです。

深夜に全国から食材が集まり、早朝にピークを迎える市場は、そこで働く人々の勤務時間も深夜から早朝にかけてが多く、お昼前には皆さん仕事を終えてお酒を楽しむ時間を迎えます。それにあわせて、市場のお店も普段は朝からお酒を提供しています。だから、朝から飲みたいというお酒好きさんにも、市場は最高の朝食スポットなのです。※お酒は適量で。

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名古屋市中央卸売市場

今回ご紹介する「一力」は、名古屋市が運営する中央卸売市場本場内にあります。

最寄りは地下鉄・日比野駅か、JR・名鉄の金山駅で、どちらも駅から10分以上かかります。名古屋市中心部からアクセスで便利なのは、栄22系統「栄~港区役所」の市営バスで、市場の正面のバス停に止まります。

さて、名古屋で市場というと、名駅にある柳橋中央市場のイメージが強いのではないでしょうか。コンパクトなスペースにぎゅっと鮮魚・食料品店など300店が立ち並ぶ、いかにも市場といった雰囲気です。周辺には観光客で賑わう市場食堂も多数あります。

対して、こちらは公設の巨大な市場。中部圏における食材流通の中核市場という位置づけで、場内は一部を除き関係者以外の立ち入りは禁止されています。

市場とともに70年歩んできた食堂

そんな市場内に入っている食堂が「一力」です。中央管理棟の1階、部外者でも立ち入れる場所にありますが、市場の外には看板のようなものもなく、事前に知っていないと躊躇してしまいます。

2000年に建て替えられた建物で、店内は広く開放的。テーブル席がずらりと並んでいます。

作業着姿のトラックドライバーや市場関係者が、スタミナ系の朝食を食べているほか、仕事終わりらしいTシャツ姿のラフな格好の人たちは刺身と焼酎で朝の晩酌を楽しんでいます。

お店の方は皆さんとってもフレンドリーで、お酒を飲む人も大歓迎(普段は)!

これこれ、市場メシにはビールをつけなくてはいけません!(笑)

樽生はアサヒスーパードライ、瓶ではアサヒとキリンラガーサッポロ黒ラベルが選べます。今日はラガー気分。それでは乾杯!

お酒の品揃えは…

生ビール(600円)、瓶ビール大瓶(700円)、瓶ビール小瓶(500円)、角ハイボール及び樽詰チューハイ(500円)、清酒一力(400円)、冷酒瓶※辛丹波(700円)

絶対迷う、膨大な料理と組み合わせ

料理が多くて絶対に迷います。毎日通っている人は慣れた感じで日替わりランチを自分で組み立てていきますが、とにかく種類が多いのです。

ということで、簡単に解説します。

料理の注文はセルフサービスとお店の方に注文する2パターンがあります。

まず目に飛び込んでくるのが、冷蔵ケースに並ぶお刺身たち。自分で選びに行きます。800円くらいから、山盛りのお刺身がずらっと10種類以上。人気は1,000円のお刺身盛り合わせで、まぐろ、赤貝、つぶ、しゃこ、きびなご、イカなどがたっぷり。スーパーの刺身コーナーの特売もびっくりなお値打ち品です。

火を通した料理は500円から、カウンターにずらりと並びます。キンメダイいさきカレイカワハギなどの煮魚、タチウオなどの焼き魚、ほかいろいろ。札に「1」「2」と書かれているのは、日替わりランチ用の案内で、1と2をそれぞれ1品ずつ組み合わせてご飯、味噌汁、漬物がついて、しめて850円です。

席で注文する料理はこちら。がっつり”サラメシ”的な中華、味噌カツオムライスや、鍋焼ききしめんちゃんぽん麺が並びます。海鮮丼天丼は、近隣の家族連れに人気の様子。

名物海鮮ちらし丼は驚きの900円!

採算が心配になるほど安くて豪華な海鮮ちらし丼がお店の超人気メニュー。朝6時30分から数量限定で、一般の人が食べに訪れる頃より前に売り切れてしまうこともしばしばだとか。

立派な甘海老、本まぐろ、帆立、とり貝、イカ、虫海老、鯛、カレイ、タコ、サバ、サーモン、きびなご、かに身、いくらなど、20種類近い具材が、「舞い踊り」状態です。

ごはんの量はそれほど多くなく、魚介類でお腹いっぱいになるほど、色々とのっています。こうなると、丼ぶりの”あたま”を刺身盛り合わせのような感覚でおつまみとして食べつつ、ビールや焼酎、日本酒を飲みすすめるという楽しみ方も当然できてしまいます。

海鮮丼にはお椀がつきませんが、追加でお願いした貝汁(200円)も、旨味が濃厚で、これまた素晴らしき液体おつまみでした。

朝からこれだけ満喫できるお店は、大都市名古屋でもそうそうあるものではないと思います。

市場でのんべえの朝活、機会がありましたらぜひ!

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名名古屋中央卸売市場内 お食事処一力
住所愛知県名古屋市熱田区川並町2-22 名古屋中央卸売市場内
営業時間営業時間
[月~土]
4:30~14:30
定休日
日曜日、祝日、卸売市場休業日
開業年1949年