武蔵新田『白鶴本店』老舗酒場のどっしりとした安定感、焼鳥3本250円

武蔵新田『白鶴本店』老舗酒場のどっしりとした安定感、焼鳥3本250円

2021年5月21日

武蔵新田で昭和から続く老舗暖簾といえば「白鶴」。お店そのものが大箱なのに、さらに駅前店と本店、2店舗体制というのも驚かされます。今回は本店をご紹介します。

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コトコト3両の電車に揺られて町めぐり

大田区・下丸子は環八通りと多摩川の間に広がる閑静な住宅街です。この街をコトコトと走る鉄道が東急多摩川線。ちょっぴり短い車両が3両で細かく駅に停まっていく姿は、まるで路面電車です。

ローカルな雰囲気の小さな駅を降りたら、おもちゃ箱をひっくり返したような商店街が広がっているのもまた楽しい。そんな街の中に「大衆酒場 白鶴」はあります。

蒲田駅から東急多摩川線に乗車。東横線や田園都市線のせわしない感じとは違い、こっちはなんだかのんびりしています。

小さくまとまったかわいい武蔵新田駅。踏切の音、商店の呼び込みの声、惣菜店の揚げ物の香り…。

さて、白鶴は2店舗あると書きましたが、そのひとつ「駅前店」は改札から徒歩30秒の距離。白い看板に大きく白鶴の文字。灘の清酒の看板ではありません。普段は近隣に住むお酒好きの黒帯のんべえさんたちで大いに賑わっています。

昔ながらの家族経営の店

商店街をさらに進むと「白鶴本店」がみえてきます。

駅前店同様、こちらもどっしり構えた昭和酒場の佇まい。こういうお店は近年減少する一方ですから、2店舗が元気に営業しているのは奇跡に近いのかもしれません。

4~6人用のテーブル席が並び、厨房に向いたカウンター席も用意されています。典型的な酒場のつくりです。

老舗のカウンターは落ち着きます。ほっとしたところで、お願いした生ビールがやってきました。神泡のサントリー ザ・プレミアム・モルツ(480円)で乾杯。

品書き

ビールは樽生、瓶ともにサントリーザ・プレミアム・モルツ。サントリーを中心にそろえているお店ではおなじみ、超炭酸でつくるハイボールがジムビームサントリー角の2種類で用意されています。

サワー類は330円、ホッピーは白・黒あって、セットで450円です。

市場から毎日仕入れているという刺身は、1点280円からとサービス価格。取材時はマグロぶつえんがわ馬刺くじらが用意されていました。

ホワイトボードには、このほか骨付カルビ(580円)やポテトチーズグラタン(400円)、肉シューマイ(300円)など、総合居酒屋チェーンもびっくりの和洋折衷っぷり。

焼鳥専門店ではないにもかかわらず、焼鳥・やきとんもこの品揃え。かしらタンハツしろレバなんこつとりネギとり皮つくね豚串

しかも1本90円からとこれまたリーズナブルです。さらに3本は250円とさらに安くなります。

こちらが定番のおつまみメニュー。やはりひとまわり相場より安い印象です。

安く、王道の料理たち

まぐろぶつ

1点盛から、まぐろぶつを。一人でちょいちょいと摘むのにちょうどいい量です。

焼鳥3本

これで250円はやっぱりオトクです。自家製の濃厚なタレをまとって、とり皮、とりネギ、つくねの3本。もちろん焼き立てです。

とりネギの弾けるような肉汁と、こうばしくパリっとした食感に仕上がった皮、そしてつくねも、ちゃんと美味しく、ほっとできる味です。

タレの旨味に誘われて、強炭酸のジムビームハイボール(330円)を注文。バーボンのキレのある爽快感と、心地よいのどごし。

明太きつね(250円)

油揚げの上にチーズと明太子をのせた一品。酒場のアレンジレシピとしてはメジャーにも思えますが、チーズの量が多く、まるでチーズたっぷりをウリにしているピザのよう。

濃厚な味に誘われて、レモンサワー(330円)を一杯。サワー類も超炭酸(強炭酸)でつくられています。

お客さんは常連さんが多く、一人客も多いです。といっても敷居の高さはまったく感じず、お店の皆さんもとてもフレンドリーです。「近所のいつもの酒場」的な利用をしている方が多いようで、ほっこり癒やされます。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名白鶴本店
住所東京都大田区矢口1-16-18
営業時間営業時間
16:30~21:00(L.O.20:00)
定休日
日曜日