両国の「大橋屋酒店」は1895年(明治28年)の創業。場所柄、ちゃんこ料理店や相撲関連との関係もあり、店頭では「両国の里」という相撲ラベルのオリジナル日本酒・焼酎を販売しています。
2019年には角打ちを半世紀ぶりに再開し、夕方5時を過ぎると近隣で働く人々が集まるオアシスになりました。
両国駅からも徒歩2分ほどと近く、仕事帰りや大相撲観戦の帰りなどに知っておくと便利なお店です。
角打ちだけど生ビールがある
ビールや清酒の通函を逆さまにしベニヤの天板を載せただけのシンプルなつくり。入ってすぐの一画が夕方になると角打ちスペースに早変わりします。
店頭で販売されているビールテイストやチューハイなどのRTDを購入し、そのまま飲むことができます。おつまみも乾き物やスナック菓子と、典型的な角打ちスタイルです。
ですが、ここでぜひ飲んでいただきたいのがアサヒスーパードライの樽生ビール。両国といえばアサヒビールの本社がある吾妻橋にも近く、地域色としてアサヒを見かけることが多いです。こちらでもこの通り。そして、この生ビールがビアホールのクオリティの美味しさなんです。
洗浄、冷え具合、ディスペンサーの水通しなどが完璧のようで、瞬冷サーバーの性能限界まで美味しさが引き出されているように感じます。さすが酒屋さん。それでは乾杯。
1ml・1円を切る価格設定で、中ジョッキで税込み300円ととってもお財布に優しい値段。ハイボールは250円、日本酒は220円からと、千円あればだいぶ楽しませてくれます。
雪の茅舎など特長ある地酒が安い
角打ちを始める以前から地酒の品揃えに力を入れてきた同店。一杯売りの銘柄も大手から知る人ぞ知る地酒まで幅広い品ぞろえです。お燗も50円でつけてもらえます。
ハッピーターン(100円ほど)。ハッピーパウダーはビールにも好相性。
BGMのない静かな空間、お父さんたちの会話がお酒を誘う環境音。日常のときのながれを忘れ、のんびりと飲めるのが角打ちの醍醐味です。
せっかくですから、地酒をいただきましょう。立山・特別本醸造(富山県砺波市・立山酒造)は220円。
散策のあとに一献いかが
状態のいい地酒をじっくり味わうひととき。
日本酒に囲まれ、お酒の知識が豊富な酒販店のご夫婦のお話を聞きながら過ごす大橋屋酒店、軽く両国で一杯というときには最適な選択肢のひとつではないでしょうか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 大橋屋酒店 |
住所 | 東京都墨田区両国3-21-13 |
営業時間 | 角打ち営業時間 [月~金] 17:00~21:00 [土] 17:00~20:00 定休日 日曜・祝日 |
開業年 | 1895年(角打ちは2019年から) |