旅先の朝食は、迷わず漁港や市場に向かいます。深夜から早朝にかけて働く市場の人たち御用達の「飲める朝食」が揃っているからです。
今日は、北海道・札幌で”市場飲み”。札幌中央卸売市場に隣接した場外市場にある、地元で人気の食堂「定食めし屋」を目指します。北海道産を中心とした食品の卸を手掛ける会社の社長が店に立ち、こだわりの食材を手頃な価格で食べさせてくれると評判の一軒です。
中央卸売市場場外の奥、卸が経営する食堂
札幌にはいくつか市場がありますが、市営の札幌中央卸売市場は北海道の拠点市場であり、北海道唯一の「中央卸売市場」です。全道から集まる水産物や青果がここ取引され、札幌都市圏や本州へと届けられていきます。
そして、中央卸売市場に隣接するのが「場外市場」。場外市場というと築地が有名ですが、札幌の場外も大変パワフル。なにしろ、食材の宝庫・北海道の市場ですから、カニ、ウニ、鮭をはじめとした水産物やメロンなどのフルーツが所狭しと売られています。
目指す「めし屋」は、大通りの「桑園発寒通」から、集合棟にはいった奥深くにあります。
北国の市場の奥深く。塩ラーメンの幟が目印です。「ラーメン」と「海鮮」という不思議な組み合わせは市場らしい。長靴姿のベテランさんが塩ラーメン(800円)をすすっている横で、こちらも朝食をいただきます。
手頃な値段でも魚介の質は高い
海鮮四色丼(1,500円)
アルコール類は缶ビールのみ。サッポロクラシック(350ml缶・400円・以下税込)をもらって、カシュッっと。それでは乾杯!
品書きは、お刺身定食(2,000円)、かに丼(2,000円)、味噌ラーメン(900円)、醤油焼きそば(850円)、豚丼(950円)など。
7時から11時限定の、海鮮四色丼は1,500円とサービス品。上物が入っているということで塩水うに(800円ほど)をトッピングで追加してもらいました。
サーモン、カニ、いくら、ホタテ、そしてウニ。お椀にたっぷり盛られ、どれも納得の美味しさです。鮮度抜群の塩水うには、コク深く甘く、じんわりと旨味が広がっていきます。ありきたりと思いがちのホタテや道産サーモンも、ここまで来てよかったと感じさせるものの良さ。
その余韻にすかさず、サッポロのビールをぐっと飲めば、朝からもう大満足。思わず大きくうなずいてしまいます。
札幌の朝食に一度は市場酒を
社長の佐藤さんは、長年食品の卸を続けている目利きの方。トーク上手で、海鮮丼の食材のこだわりや産地の話をはじめ、道内全域の海鮮や飲食店の話も次々とされ、市場飲み気分を盛り上げてくれます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 定食 めし屋 |
住所 | 北海道札幌市中央区北11条西22-1-26 卸売りセンター 1F |
営業時間 | 営業時間 7:00~15:00 日曜営業 定休日 水曜日 |