事態が一刻も早く収束し、再び誰もが安心して旅行ができる日が訪れることを切に願っています。
今回はアメリカ・ニューヨークでホームシックになった私が元気をもらった和食店のお話です。
ここはミッドタウンウェスト55丁目、ブロードウェイやカーネギーホールから徒歩圏にある手打ちそばの店「あずま」。これぞニューヨークという町並みの中にある小さな日本料理店です。創業は2016年と新しいですが、お店はシックな雰囲気。
アメリカに来て10日以上、日本語を一度も話すことがなく、アメリカンな食事が続いた私は、ここで食べた故郷の味が本当に嬉しかったです。
マンハッタン島で美味しい蕎麦で飲める
例年ならば、12月のニューヨークはどこもかしこもお祭りムード。ロックフェラーセンターではスケートリンクと高さ30mのクリスマスツリーが登場し、街は一層賑わいを増します。
しかし、いま求めているのはブラックフライデーのセールでもテンダーロインステーキでもなく、鰹出汁と日本のお酒。とぼとぼとニューヨーク近代美術館の横を歩いて向かうのでした。
いやぁ、落ち着きます。外国人が想像するジャパニーズではなく、すごく普通なのがとってもいい。最初はお互い英語で会話していた女将さんとのやり取りはすぐに日本語に切り替わり、久しぶりの母国語に心の殻が割れて自由な気分です。
カナダ産のサッポロ樽生ビール
生ビールはありますか?、ではそれをひとつ。料理はもうちょっと考えます。
流石に千葉工場(L)製のサッポロ黒ラベルではありませんが、馴染みの北極星が描かれたジョッキに注がれたサッポロプレミアムがやってきました。製造はサッポロビールの連結子会社、カナダのスリーマン(Sleeman)。
それでは乾杯!
美味しくてあっという間に二杯目。
カウンター席でのんびり飲んでいると、聞こえてくる会話もほぼ100%が日本語です。背広姿のお父さんたちがサッポロや、天狗舞、八海山などを傾けあっています。これは駐在員が大勢いるニューヨークならではですね。店の中は日本のそば居酒屋そのものです。
日本酒(正1合12ドル)は、天狗舞、奈良萬、北海男山、くろさわ、杜氏鑑など。小鉢のおつまみはタコわさ、いぶりがっこ、主菜は天ぷらだけでなく、お刺身盛り合わせ、鴨焼き、おでん、うざくなど。流通のパワーって国境を簡単に飛ばしますね(笑)
天ぷらを蕎麦前に、本格そばで〆る
人気の海老天そば(16ドル)。天ぷらは別盛りで天つゆがついてきます。
海外の日本食は高い、とくに大都市は。そう思っていましたが、こちらはせいろ1枚9ドル、カツカレーや天丼も9.99ドル。東京とさほど値段が変わらないのです。
「いくら雰囲気が日本でも、味が海外のジャパニーズレストランクオリティじゃあねぇ…」
なんて心配もご無用。海外で食べているということを抜きにしても、十分に蕎麦の味は東京の名のしれた店に肩を並べるクオリティです。日本から食材を取り寄せ、蕎麦は季節によって配合をかえ毎日店で手打ちしているというこだわり。
短い滞在期間の貴重な食事の機会にも関わらず3度も立ち寄った「あずま」。
実は、運営は九州でおなじみ、うどんレストランの「ウエスト」。
安心の本格日本蕎麦で小腹を満たすときにも、軽く一杯20ドル程度で居酒屋使いするのもよし。現地に在住の方はご存知のお店と思います。旅行や出張で訪れた際はぜひ立ち寄られてみては。
早く事態が収束することを願っております。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | SOBA NOODLE AZUMA |
住所 | West 55th street NewYork、NY 10019 |
営業時間 | 日曜日~木曜日 12:00pm-9:30pm 終日 金曜日土曜日 12:00pm-10:00pm 終日 |
開業年 | 2016年 |