東北地方で仙台に次ぐ人口を誇る35万人が暮らす街、いわき。これほどの規模の街に新幹線が開通していない地方都市は、本州では他にありません。
昔の汽車旅の旅情を感じる駅前は昭和を残す大きな歓楽街が広がっており、新旧様々な居酒屋が明かりをともしています。飲みに来ているお客さんもほとんどが地元の方です。
そんないわき駅前から、今日は二代目が守る創業から25年になる居酒屋「赤鬼」をご紹介します。
魚と串の店
繰り返しになりますが、本当にいわきの夜はレトロで美しいです。酔っ払って歩いていると、「小説や映画ならば、この先はパラレルワールドに繋がっているのではないか」、なんて思います。
さてさて、駅から徒歩5分ほど、赤鬼へ。焼台に向いたカウンター席と、ちょっとした掘りごたつのテーブルというつくり。地元で長年飲んでいるようなベテランさんがふらっと暖簾をくぐってやってきます。
酎ハイレモン(350円)をもらって、それでは乾杯。
ビールは樽生がアサヒスーパードライ(中500円)、瓶でキリンクラシックラガーも選べます。酎ハイは350円から。
定番酒は会津のお酒「栄川」。その他、いわきの地酒「又兵衛」や東北らしい銘柄が揃っています。
看板料理の焼鳥は1本150円からで、2本単位での注文になります。
常連さんいわく、鶏と魚が両方美味しいのが赤鬼の魅力。お刺身は、たこ、いか、さんま、かつお、あじ、ぶり、ホッキなど、小箱の酒場ながら充実した内容です。
いわき市の魚「めひかり」は唐揚げで、白海老かき揚げを推しています。
お通しは中落ち
お通しからお刺身がでることも。この日は遠洋漁業が盛んないわきらしい、まぐろの中落ちです。ねっとり濃厚、まだ”削りたて”です。
焼鳥が仕上がりました。とり(1本150円)とつくね(1本160円)。
継ぎ足してきた濃厚な甘たれはあと引く美味しさ。タレが濃いので大ぶりの肉でも旨さしっかり。
七味をつかわず、辛味は味噌をつけるのが赤鬼流。東北らしい甘辛くコクのある味噌が定番の焼鳥に個性を加えてくれます。
ピーマン焼き(380円)。タレが美味しいと野菜串もお酒のおつまみとしてより引き立ちます。つくねを挟んでみたりして。
福島のお酒を味わう
栄川(350円)の本醸造はよくつくりこまれたキレイな味で好きな銘柄です。福島県の酒場では定番のお酒ですね。
自家製のおしんこをつまみつつ、常連さんやご主人と一期一会の酒場話を楽しみました。
明るい接客のお姉さんと、トーク上手なご主人の人柄もお店の魅力です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 赤鬼 |
住所 | 福島県いわき市平白銀町3-1 |
営業時間 | 営業時間 17:00~22:00 定休日 日曜日 |
開業年 | 1995年頃 |