福島駅前で美味しいビールが飲みたくなったら、ビアホールの『ローゼンケラー』がおすすめ。福島県本宮市にあるアサヒビール福島工場で製造された鮮度の良い樽生ビールが味わえます。三代目が調理する本格ドイツ料理を肴に乾杯しましょう!
目次
アサヒビール福島工場とともに40余年
東京から新幹線で90分。福島県福島市にやってきました。阿武隈川を中心とした福島盆地に広がる自然豊かな県庁所在地です。いわき市(人口約35万人)郡山市(人口約33万人)につぐ、同県三番目の人口規模(約29万人)を誇ります。
港湾・工業のいわき市、商業の郡山市、歴史の会津若松市と、福島県の街はそれぞれ個性があり、福島市は文教・行政の街と言われています。
福島城本丸跡にある福島県庁や県警本部をはじめ、国の福島合同庁舎、福島市役所、日本銀行福島支店などが駅前の中心街を囲んでいます。地方都市特有の「県庁周辺には酒場が多い」というパターンの典型的な例が福島です。
駅前から福島稲荷神社にかけてが繁華街です。奥州街道の福島宿があった場所がそのまま現在も賑わいの中心となっているのは興味深いところ。旧本陣跡は「街なか広場」として整備されています。
そんな福島宿の流れを汲むエリアにある老舗ビアホールが本日ご紹介したい一軒です。
外観
『ローゼンケラー』の創業は1982年。福島で初となったビアホールです。開業のきっかけについて二代目女将に尋ねました。
「1979年、本宮市にアサヒビール福島工場が竣工すると、福島では生ビールの注目が高まりました。ですが当時、福島市内には本格的なビアホールはありませんでした。ビール会社などの関係者らからの求めなどもあり、1982年、当店の初代がビアホール・ビアレストラン『ローゼンケラー』を創業することになりました」と教えてくれました。
現在、店を切り盛りするのは二代目店長の女将さんと、三代目でシェフの息子さん(創業者のお孫さん)です。
内観
ドイツのビアホールをお手本にしたという店内。本場さながらの装飾の数々。40年という年月により重厚感が増しています。開放感のある高い天井、ぬくもりを感じるレンガ敷きの床が心地良いです。
店の外観からは想像できないほど店内は広く、ずらりとテーブルが並んでいます。常連さんが集うカウンター席も素敵です。
日中から通しで営業しており、福島駅周辺では貴重なお昼飲みスポットでもあります。
品書き
お酒
アサヒスーパードライ、アサヒ生ビール黒生は、それぞれグラス:495円、中ジョッキ:649円、大ジョッキ:1,133円など。ハーフ&ハーフも選べます。アサヒプレミアム生ビール 熟撰は539円~。
ドイツ・バイエルン地方(ミュンヘン付近)のERDINGER社のビールもあり、ヴァイスビア(白ビール)とデュンケル(暗い白ビール)の2種類。ブーツグラス小:770円、ブーツグラス:968円。
アサヒビール TOKYO隅田川ブルーイング ペールエール:704円や、ドイツ・ドレスデンのラーデベルガー:682円もあります。
その他、アサヒ系の洋酒や、福島市の地酒蔵・金水晶酒造店がつくる金水晶:550円もあります。
ビアカクテル各種。
料理
エゴマフランク:750円、チリソーセージ:750円、ミュンヘナーヴァイスヴルスト2本:770円、ブラートブルスト2本:900円、ケーゼソーセージ2本:770円など。
ジャーマンポテト:770円、ドイツ風ハンバーグ:1,200円、生ハムビアンカピザ:1,000円、牛肉の鉄板焼き:1,400円など。※ソーセージ以外は17時以降から。
気分はドイツのビアホール。格別な一杯を楽しむ
アサヒスーパードライ中ジョッキ(649円)
福島にこんな本格的なビアホールがあったとは。そう驚く人は多いそうです。提供するビールはアサヒビール福島工場で製造された地元産を中心に、本場バイエルンのビールも揃えています。
一杯目は悩むことなく定番の一杯、アサヒスーパードライから。グラスやディスペンサーの状態は完璧で、注ぎ方も非常に丁寧です。キリッと仕上がったジョキの生ビールがお通しの枝豆と一緒に運ばれきました。
思わず笑顔になれるこの一杯。それでは乾杯!
エゴマフランク(750円)
料理は、洋食の料理人一筋の三代目の担当。人気はボリューム満点のジャーマンポテトです。一人ではちょっと量が多いので、今回は大定番のソーセージを。本格的なミュンヘナーヴァイスヴルスト(白いソーセージ)など8種類から選べます。
エゴマフランクは、福島県産のエゴマ豚を使った地のものです。名前の通りエゴマを肥料に加えて育てた豚を原料にしています。
「油が飛ぶので気をつけてね」と女将さん。ハリがよく、ナイフを入れるとパリッといい音がなりました。さらっとした甘みを感じるもので、余韻にはスーパードライがよくあいます。
エルディンガー ヴァイスビア(770円)
エルディンガーの白ビール「ヴァイスビア」は、嬉しいことにブーツジョッキででてきます。苦味がすくなくフルーティーで爽やかな味わい。クリーミーな泡が印象に残ります。
丁寧な接客、飲み慣れた人たちがつくる適度な賑わい、総じて居心地のよいビアホールです。福島出張や旅行の際は、ふらっと立ち寄られてみてはいかがでしょう。土日も営業しており、お昼から時間を気にすることなく過ごせます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | ビアレストラン ローゼンケラー |
住所 | 福島県福島市栄町12-10 ひかりビル1F |
営業時間 | 11:30~23:00(日祝は22:00まで・基本無休) |
開業年 | 1982年11月 |
公式サイト | http://www.uyou.gr.jp/rothen/ |