会津若松「ハトヤ食堂本店」 キリンラガー片手に会津名物のソースカツ丼

会津若松「ハトヤ食堂本店」 キリンラガー片手に会津名物のソースカツ丼

丼ぶりの具の部分、いわゆる「アタマ」をつまみに飲むことってありますよね。カレーのルーだけや、カツ煮など。ご飯を少なめにしてもらえば、昼食ついでのお昼酒にもぴったりです。そんなことから旅先では大衆食堂でお昼を食べることが多く、土地の味を楽しみにしています。

ここは会津若松。幾度となく歴史の舞台となったこの街は、バラエティに富んだ郷土料理があります。大正うまれの名物は、ソースカツ丼。山廃仕込発祥の酒蔵「末廣酒造」近くにある「ハトヤ食堂本店」でいただきます。

 

会津若松へは、JR郡山駅で東北新幹線から磐越西線に乗り換えて約1時間(快速)。可愛い赤べこが描かれた電車で向かいます。

 

街の規模に比べて飲み屋街は立派。土地の酒と肴で迎えてくれる老舗酒場で一献傾けてみては。

 

その前にお昼酒。ハトヤ食堂の暖簾をくぐりましょう。

 

さほど広いお店ではないのですが席の配置がたいへんゆったりしていて、小上がりは昔懐かしい民宿のよう。ストーブに置かれたやかんからのぼる湯気が空気を柔らかくしています。

 

飲み物は、キリンラガー大瓶(600円)と地酒(1合400円・2合徳利750円)。「いっしょに摘んでください」と女将さんに頂いたのはふき味噌。素朴な味にほっとします。

 

食堂ですので、名物のソースカツ丼だけでなく、野菜炒めや炒飯といった中華から、カレーライスやオムレツ、けんちんうどんにラーメンなどもあります。作業着姿のお父さんは牛丼を、お酒を飲みながらテレビをみているご隠居さんは餃子をおつまみにされていました。

 

小鉢をおつまみにビールを傾けていると、店の奥から揚げ物の音が聞こえてきて、しばらくすると出来上がり。ソースカツ丼(800円)。ごはんは会津産コシヒカリ。※写真はごはん半分

 

揚げたてすぐをソースに漬けているようで、ソースが染み込んでいるのに衣はサクサクのまま。衣は薄く、パン粉は細かい。油切れもよいです。キャベツを敷き詰めた上にロースが一枚載っています。

 

すじ感もなく食べ心地のよいカツに、酸味控えめで甘さをしっかり感じるソースタレがよく合います。カツ丼というとどうしてもがっつりご飯のイメージがありますが、この味でビールが進まないはずがありません。

 

ガイドブックなどで紹介されるような派手さはありませんが、地元の方が普段から食べに来る安定感がある「ハトヤ食堂本店」。数少ない通し営業の飲めるお店ですので、食堂飲みがお好きな方はぜひ。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

日新町 ハトヤ食堂 本店
0242-27-2138
福島県会津若松市日新町14-14
11:30~20:00(不定休)
予算1,500円