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東北地方最大の歓楽街・仙台は青葉区一番町。新旧様々な飲み処が約900軒も密集するエリアです。
その一画にある「東一市場」は1946年(昭和21年)にバラックの横丁として形成され、10年後には鉄筋コンクリート構造になり、これが現在も使用され戦後の雰囲気を色濃く残しています。
ここの入り口で一際賑わう立ち飲み店は「ぼんてん酒場」。300円均一(※刺身など一部メニューを除く)というわかりやすい値段設定と立ち飲みの気軽さもあって、地元の方を中心にお酒好きが集います。
横丁にうまれた賑わい処
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ぼんてん酒場そのものはまだ比較的新しい店ですが、横丁から醸し出されるレトロなムードもあいまって、懐かしい雰囲気に感じます。明け広げた扉からはカウンターに直接アクセスできるので、隙間があったらさくっと飛び込みたくなるのもポイントです。
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一人分のスペースをみつけて、ふらっと入店。両隣と店員さんに会釈して、それに続けて酎ハイをオーダー。
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下町ハイボール(以下300円)のベースはキンミヤ焼酎。サントリーの超炭酸マルチディスペンサーから注ぐ弾ける炭酸を注いで出来上がり。それでは乾杯!
300円均一メニュー
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ビールはサントリー・ザ・モルツ。仙台ですがホッピーもあります。また、東京城東エリアを中心に昔から飲まれている甲類焼酎のエキス割りである「梅割り」、「ぶどう割り」、そして珍しい「本直し」を用意しています。品書きからわかる通り、東京の酒場をイメージした内容です。このほかに地酒あり。
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おつまみももちろん300円均一。定番メニューながら「赤ホヤ」もあります。
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黒板メニューを要チェック。さんま塩焼き、汐さば焼き、刺身は黒鯛などが並びます。
炭火焼きが看板料理、秋刀魚がでることも
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炭火の焼台があるので、せっかくですからさんまを焼いてもらいました。誰かが頼むと次々と注文が入ります。
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女川、塩竈など、宮城の漁港はさんまの水揚げが盛んです。仙台の立ち飲みで、炭火で焼き立てのさんまを300円でつまむというのは良いものです。
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果実酒の「トマト」(300円)を注文。トマトジュース割りではなく、トマトリキュール「ラ・トマト」(合同酒精)をベースにした独特な一杯。軽い酸味とドライな印象の飲み心地が良いお酒です。
名物料理、帯広風焼豚
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焼き場のベテランさんに話を伺うなかで、ランチでだしている「帯広風焼豚」をオススメいただきました。タレはお店で配合して開発したオリジナルだそうで、現在はメーカーに委託しているものの、「ぼんてん」専用だといいます。
炭火で豪快に炙り焼いたあと、濃厚なタレにどぼんと浸して出来上がり。わさびで後味を整えています。これも300円ですから、人気な理由がわかります。
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「ぼんてん」は「梵天食堂」(2005年)から始まった仙台に根付いたチェーン店。そのなかで「ぼんてん酒場」は、地元の皆さんが集まる元気な立ち飲み店です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | ぼんてん酒場 |
住所 | 宮城県仙台市青葉区一番町4-5-19 東一市場 |
営業時間 | 営業時間 11:30-14:30、17:00-24:00 定休日 日曜日・祝日 |
開業年 | 2000年代後半 |