ここは創業から65年になる大衆中華「石川家食堂」。蒲田は餃子が有名ですが、もともと街の中華屋さんが密集しているエリアでもあり、餃子だけではない大衆中華の魅力にあふれている街です。
石川家食堂もそんな蒲田中華の一軒。呑川に近い場所で、一階はラーメン屋風のカウンターづくり、二階はちょっと贅沢な中華屋さんのような雰囲気です。もちろん、どちらで飲んでも値段はいっしょ。手頃な価格で楽しめます。
蒲田を代表する飲める町中華
11時30分から通しで営業している同店。日中はランチセットのニーズで、まさしく食堂・めし処といった雰囲気です。夜になると一変し、ノンベエさんたちの天国となります。
親しみ感じるご主人がいらっしゃいと迎えてくれます。お手伝いの方も含め、皆さんとても接客上手。はじめてでも緊張するのは最初の数分程度でしょう。
厨房前の一階もよいですが、おすすめは二階。なかなかどうして、町中華ながらに落ち着いた雰囲気です。活気がある方がいいという人もいらっしゃるでしょうが、時節柄の件や、お酒飲みとしてはこちらのほうが安心して過ごせます。
まずはやっぱりビールでしょう。大瓶ではじめるか、樽生ではじめるか、どちらもビールはキリンのレギュラーラガーです。一緒にでてくる揚げたピーナッツがすばらしき酒の肴で、これだけで1本開けてしまいそうなほど。
さて、乾杯!
一人飲みに優しい小皿料理
せっかくSyupoでご紹介するのですから、ノンベエ目線でないと。
ということで、この300円台からの小皿メニューがイチオシ。ピータンや揚餃子、キクラゲと鶏肉和えなど、意外と本格的です。
グランドニューは中華で修行した方ならではの本格料理も並ぶ豊富な内容です。大根餅までおいています。
今日日、立ち飲みを除けばほとんどお目にかかれなくなった、大瓶500円台という値付け。ラガー大瓶は580円、樽生は550円。ほかに青島ビールを置いています。
紹興酒は500円、酎ハイは390円。品揃えからして、夜は飲んでくださいといった充実具合です。
イチオシは冷製手羽
絶対おすすめ、ここの冷製手羽(500円)は絶品です。本格中華に並ぶ甘く独特な香辛料を効かせた味。にこごりのように汁が身の間で固まっていて、頬張れば心地よく溶けて広がります。この内容で500円はかなりお得感があります。
ふっくら、大ぶりの焼き餃子は5個で480円。蒲田は羽つき餃子が全国的に知られていますが、ここはずっと羽なし。
もちもちの皮に、キャベツと豚のベストバランス。ニンニクがしっかり効いています。
ビールから紹興酒、そして酎ハイとだんだんシフトしてくれば、料理も少し軽くしたくななる。ということで、野菜たっぷりもやしのさっぱり冷菜(380円)を。
開放感ある二階から蒲田の街を眺めつつ、手頃な中華を肴にビールを飲む。派手さやバスる特色といった昨今話題になりやすいキーワードとは真逆なのですが、そういうお店だからこそ何十年も続けていらっしゃるのではないかと思います。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
営業時間 | 石川家食堂 |
住所 | 東京都大田区蒲田5-3-4 |
営業時間 | 営業時間 11:30~23:00 定休日 火曜日 |
開業年 | 1955年 |