大森『いそ野』改札10秒で黒ラベル。90年代海の家風の気軽さが特徴

大森『いそ野』改札10秒で黒ラベル。90年代海の家風の気軽さが特徴

2022年1月24日

刺身とビールで1,000円未満、気軽に楽しめる立ち飲みが大森駅改札から徒歩10秒の場所にあります。『いそ野』のご主人は大田区で育った人で、お客さんも地元率高し。90年代の海の家を彷彿とさせるざっくばらんな雰囲気に、どこか懐かしさを感じます。

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大森飲み歩きの〆にも

いそ野』があるJR大森駅北口はとなりがディープな横丁「地獄谷」こと、山王小路飲食店街です。駅すぐ脇にありながら開発されずに残った奇跡の横丁には、スナックを中心に小料理屋など小箱の店が立ち並びます。

大森は地獄谷に限らず、駅周辺には昔からの個人系居酒屋が多く、両隣の蒲田・大井町に負けないくらいはしご酒が楽しいエリアです。

何軒かはしごをしていると、このまままっすぐ帰りたくなくなるのが不思議。改札すぐそばにある『いそ野』は、そんな飲み足りない気分をきっと満たしてくれる一軒です。クイックな立ち飲みなので、ゼロ軒目(待ち合わせ前の下地づくり)にも使えます。

改札階にある海の家

外観

創業は2006年。個人経営で、ご主人は大田区で育ったサーフィン好き。中学校の同級生くらいの距離感で気さくに接客しているご主人のキャラクターがとてもよく、改札横という立地ながら常連さん率が高め。といっても一見さんが入りにくい雰囲気でもなく、ちょうどいい塩梅です。

一歩店内に入れば、下に京浜東北線が走っていることを忘れさせる雰囲気です。90年代の湘南で流れていそうな当時のJ-POPがかかり、壁にはサーフボード、着席スペースはP箱(ビールケース)をひっくり返した簡易的なつくりです。まさに海の家なのですが、お酒や料理はあの頃の海の家と違ってだいぶ良心的です。

乾杯はサッポロ生ビール黒ラベルで

ビールはサッポロ黒ラベル。昔の担当さんにいろいろお世話になったそう。メーカー公認ではないものの、樽生の品質は極めて高く、美味しい生ビールが味わえます。

それでは乾杯!

品書き

お酒

サッポロ生ビール黒ラベル中ジョッキ:400円、ホッピーセット(白・黒):460円、日本酒(埼玉/小山本家酒造/梅の寿):400円、サングリア:460円、男梅サワー:370円、麦焼酎和ら麦):380円など。

料理

料理は刺身系、テクスメクス系、沖縄系の3カテゴリーで、固定メニューはなくA4印刷の日替わりメニューから選びます。

カツオ刺しカンパチ刺し〆サバツムブリトビウオのなめろうなど、380円~。魚の仕入先が主に伊東漁港ということで、伊豆の郷土料理「潮鰹」が用意されています。お酒を進ませる伊豆最強のつまみといわれる潮鰹、ぜひお試しを。240円と値段もお手頃です。

テクスメクス系はトルティーヤチップス&サルサディップ:400円やロースト・スパイシー・チキンウィング3本:460円、メキシカンピザ:650円など。沖縄系はそーきそば:500円。

安くても料理しっかり!お酒を進ませる肴たち

カツオ刺し(380円)

一人飲みならば、多すぎず少なすぎず、ちょうどいい盛りの良さ。お店の雰囲気もあいまって江ノ電沿線の酒場で飲んでいる気分です。

カンパチのかぶと煮(280円)

かわいいサイズではあるものの、しっかり脂がのったカンパチのあら煮です。かぶと煮でこの価格、あらが好きな人には嬉しい一品。※煮魚は毎回あるわけではありません。

白菜とキノコの中華風あんかけ(500円)

野菜もしっかりとれるあんかけ料理。具だくさんで食べごたえのある一品です。

前割り(380円)

黒霧島を温泉水で割って寝かしたものだそう。前割りは角がとれて飲み心地が優しい味になりますが、これはなかなかいい具合に合わさっています。いつもの黒霧島より甘いかもしれません。

ポピュラーな立ち飲み料理ではなく、少しずつご主人のセンスでこだわりを加えているのが「いそ野」の楽しさです。ほどよい個性と親しみやすい雰囲気。お通しなしで二千円でお釣りが来ますし、改札も近い。ふらっと立ち寄るのには便利な酒場ではないでしょうか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名酒処 海の家 いそ野
住所東京都大田区山王2-1-5 大森ララ B1F
営業時間営業時間
[月~金]17:00~24:30(L.O.フード23:40)、
[土・祝]17:00~23:00(L.O.フード22:30)
定休日
日曜日(月曜日が祝日の場合は連休)
開業年2006年