2015年に閉店した雑色の名物もつ焼き店「三平」で修行した大将が開いた『もつやき たろう』。開店は14時と早いですが、日中から多くの常連さんですぐに満席になります。もつ焼きはもちろん、人気のガツ生も絶品。酢や青のりをかけて頬張れば、大樽のキリンラガービールが進むこと間違いなし!
目次
2016年開店、雑色の元気印「もつやき たろう」
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多摩川沿いの街、大田区雑色。羽田、蒲田、そして対岸の川崎に近い住宅街です。町工場が多いこともあってか、昔から飲み屋がまちなかに点在しています。
そのうちの一軒、1952年に創業したもつ焼き店「三平」は、近隣の飲兵衛さんに限らず、京急線に乗って飲みに来る人も多い人気店でした。そんな「三平」が惜しまれながら店の歴史に幕を閉じたのは2015年。後継者がいないため閉業をすると聞いた常連さんの一人が、店の味を守るため「三平」で修行し、仕込から焼台までを学びました。こうして、「三平」閉業の翌年、『もつやき たろう』として「三平」を継承しました。店名は店主のあだ名が由来。
アクセスは京急電鉄 雑色駅から徒歩8分ほど。または、JR蒲田駅から羽田空港方面を結ぶ路線バス(京急バス)に乗車し、七辻通り停留所下車すぐ。
開店は午後2時。早い時間だからと侮るなかれ。30分で一旦満席になるほどの人気店です。
品書き
お酒
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ビールは大樽キリンラガー1Lジョッキ:950円、小生:450円、キリンラガー大瓶:600円。
サワー類は樽詰キリンれもんサワー:400円、バイスサワー:400円、チューハイ:400円、緑茶ハイ:400円。
ウイスキーはハイボール:450円のほかに、店名を冠したたろう割り:450円。
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日本酒は剣菱1合:400円、2合:750円、3合:1,100円。ワイン赤・白:各500円。
料理
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本日の小鉢はコールスローサラダ、煮込み、しみしみ豆腐:各270円。
定番は、がつ生:330円、なんなん、なんこつ、たん、かしら、わっぱ、れば、こぶくろ、しろ、あぶら、はつ、とんとろ、うずら、つくね、ぴーまん、赤ウインナーなど。
もつ焼き好きの楽園
大樽キリンラガー1Lジョッキ(950円)
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お酒、料理はかつての三平と共通点が多く、そのひとつが樽詰めのキリンラガーを1Lジョッキに注いだ「大生ビール」です。ピッチャーのような大きさに思わず笑みが溢れます。
キリンラガー大瓶:600円
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樽生だけでなく、瓶もキリンラガー(RL)です。店から約8キロメートル離れた生麦にあるキリンビール横浜工場でつくられた「キリンラガー」はご近所ビールといったところ。ビアタンをトクトクと満たして、それでは乾杯!
ガツ生
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三平から継承した定番メニュー、「ガツ生」。豚の胃袋を千切りにしたものです。もつ焼き店では見かけることの多い料理ではあるものの、三平のガツは一味違います。あま味が濃くて、驚くほどコリコリとしているのです。
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これに酢と醤油、青のり、からしをかけるのが「たろう」流。ところてんのような味付けですが、ガツの美味しさを引き立て、実に美味です。一口頬張って、コリコリとした食感を楽しんだあと、すかさずキリンラガーを一口。たまりません。
ハツタレ
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串は1本単位で注文可能です。部位のバリエーションは豊富で、タレ、塩が選べます。タレはとろみがあり、甘さとコクがモツの旨味を引き立てます。全部タレで注文するという常連さんもいるほどタレが人気です。
まずはハツ。柔らかく噛むと肉汁がしみでてきます。
かしら
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鮮度の良さ、下処理、焼き加減がとてもよいので、比較的小ぶりなこともあって何本でもペロリと食べられてしまいそう。
わっぱ塩
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「わっぱ」はカシラアブラのような脂たっぷりの部位もついていて、これを塩で焼いてもらうとパリッとして絶品です。
たろう割り(450円)
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三平では「レガッタ」と呼ばれていたウイスキーのウーロン茶割り「たろう割り」です。まろやかな味でもつ焼きと相性は抜群なのですが、かなり度数は高め。お昼からいい塩梅にメートルがあがります。
つくね
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タレの美味しさを楽しむならば、つくねは欠かせません。
あぶらタレ
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三平では常連さんに人気だったあぶらは、『もつやき たろう』にもあります。ぷりっぶりで、文字通り「脂」のかたまりが串打ちされていますが、これが不思議とくどさはなく、素直な感想は「美味しい」の一言。
剣菱1合(400円)
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日本酒は黒松剣菱のみ。剣菱のロゴにあわせたレトロな一合瓶です。常日頃から黒松剣菱は美味しいお酒だと思っていますが、旨さと辛さのバランスが秀逸で、もつ焼きとの相性はとてもよいです。
京急に乗って飲みに行きたい昼飲みの穴場
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もつ焼き好きは一度は訪ねてほしい腕利きの大将の店、『もつやきたろう』。比較的広い店でテーブル席もありますので、4人程度でしたらグループで飲み良いくことも可能です。事実、ご近所のご家族連れの姿もあり、和やかな雰囲気です。
お店の皆さんの朗らかな接客に癒やされ、たろう割りでほどよく酔ったところで、ごちそうさま。時刻は午後4時前。外はまだ明るいです。
近くの酒場
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | もつやき たろう |
住所 | 東京都大田区南六郷1-8-1 ハイツアオキ 101-B |
営業時間 | 14:00~20:00(日月定休) |
開業年 | 2016年 |