2022年版『高尾山ビアマウント』3年ぶり通常営業。都内で最も高い場所にあるビアガーデン

2022年版『高尾山ビアマウント』3年ぶり通常営業。都内で最も高い場所にあるビアガーデン

2022年7月7日

都内で最も高い場所にあるビアガーデンは、高尾山の標高488メートル地点で営業する『高尾山ビアマウント』です。長きにわたる酒類提供規制がありましたが、今年、3年ぶりフルオープンとなりました。早速、登って飲んできましたのでその様子をご紹介します。喧騒を離れ、木々に囲まれた場所で飲むビールは最高でした。

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高低差約300m。ケーブルカーでいくか、徒歩で行くか

新宿から京王線の特急で約1時間。東京都八王子市高尾町にある高尾山口駅にやってきました。東京屈指の観光地・高尾山の玄関口です。木材を大胆に使った駅舎が特徴的。温泉「京王高尾山温泉 極楽湯」が併設されており、湯上がりにビアガーデンというチョイスも楽しめそうです。

駅前にはいかにも登山をするという出で立ちの人ばかりではなく、年配の方からベビーカーを押す家族連れ、カジュアルな服装の若者などの様々。本格的な登山道もありますが、舗装された道やリフト、そしてケーブルカーと様々な交通手段が整備されているので気軽に登れます。

さすが、年間登山者数260万人を超える世界一登山者数を誇る高尾山です。

高尾山口駅からは周囲の人の流れにのって5分ほど歩くと、高尾山ケーブルカーの清滝駅につきます。目指すビアマウントはケーブルカーの山上側の駅・高尾山駅に併設された施設なので、ケーブルカーに乗ればわずか6分で着くことができます。

さて、ここで楽をして乗り物で向かうか、せっかくの高尾山なので自力で登るか、迷いどころです。

普段、居酒屋に入り浸って運動不足の筆者は、思い切って登山を選びました。いくつかある登山道の中で最も簡単な1号路で向かいます。30年ぶりの登山で、登り始めて3分で音を上げてしまいました。路面は舗装されており、勾配以外は都心の公園にある遊歩道とかわりなく歩けるのですが、高低差300mは結構厳しいです。

所要時間は休憩を挟みながら約2時間。無事にケーブルカーの高尾山駅付近まで到達。これだけ運動すれば、絶対ビールが美味しいはず!それだけを原動力にやってきました。

半世紀以上続く歴史あるビアガーデン

歴史


(左が高尾山駅、右上の円筒形の建物が高尾山ビアマウント)

高尾山駅の駅前広場に隣接した、一段小高い尾根の突端に立つのが高尾山ビアマウントです。もともとは、1954年から高尾山ケーブルカーの利用促進を目的に、映画祭、納涼のど自慢大会などを開催したことがはじまり。1965年には高尾登山電鉄直営のビアガーデンとなり、平成に入り運営を飲食事業会社に委託し、現在に至ります。意外と歴史があるビアガーデンなのです。

大変人気の施設で、2019年までは年間10万人以上が訪れ、高尾山の夏の風物詩となっていました。2020年からは酒類提供規制などにより内容を縮小していましたが、2022年、3年ぶりに通常営業を開始しました。

外観

徒歩で登ってきた身には、ちょっぴり厳しいビアマウントまでの階段。この先に美味しいビールが待っています。登った先に受付があり、料金は先払いとなります。支払いはクレジットカード、PASMOなどの交通系電子マネー、現金が利用可能です。

内観

受付で支払いを済ませると席へと案内してくれます。白いテーブルが並ぶ広場は200席ほどあり、ビールやお酒、食事を提供する建物が併設されています。概ねテントが張られており、雨天でも安心です。

取材時はまだ開場して間もない時期でしたので落ち着いていましたが、2019年までは満席で入れず、高尾山口まで来て諦めて折り返したこともありました。

せっかく標高の高いビアガーデンに来たのですから、やはり眺望は楽しみたいですよね。予約をすることで、山々や多摩・都心エリアを見下ろせるテラス席を優先的に用意してくれるようです。※混雑時を除く

落ち着いた店内席も用意されています。

ビールがもっと美味しくなる!最高の眺望

都心が一望できるテラス席

標高約500メートルということで都心より気温が低く、風が心地いいです。なんて快適な空間でしょう。そしてこの眺め。東側に向いたテラス席からは、新宿や港区の高層ビルやタワー、遠く房総半島までみえます。日中の景色も美しいですが、夜景はさぞかしキレイなことでしょう。

陣馬山・奥多摩を望むテラス席

こちらは北側の陣馬山側に向いたテラス席からの眺め。山のビアガーデンらしい眺望に癒やされます。また、眼下には中央自動車道と圏央道が交差する交通の要、2007年に共用を開始した八王子ジャンクションと、東京と山梨、信州を結ぶJR中央本線がみえます。

ちょうど、列車がやってきました。

料理とお酒はビッフェ方式

料金

2時間食べ放題・飲み放題のプランのみで、大人:4,200円。単品はありません。

ビッフェの様子

入場時に打刻されたチケットを受け取ったら、あとはビアガーデン内を自由にまわって、各エリアに用意された料理やお酒を時間内に自由に飲んで食べて良いという、ビッフェスタイルになっています。

お酒・料理の品揃えは山麓の施設とは思えないほど充実しており、デパートの屋上ビアガーデンと比べても遜色ありません。

ビアガーデンといってもお酒はビールだけでなく、チューハイ、ハイボールや焼酎、果実酒、モヒートカクテル、そして中央線沿線の日本酒など、一通りのお酒が用意されていることに驚かされます。

ビールはなんと8銘柄

さらに驚くのがビールのラインナップです。アサヒスーパードライキリン一番搾りサッポロ生ビール黒ラベルなど、大手ビールメーカー4社のビールが合計8種類もあります。キリンハートランドサントリーザ・プレミアム・モルツ<香る>エールなど、通好みのビールがあるのもいいですね!アサヒ黒生はハーフ&ハーフの注文も受けてくれます。

こだわりの料理

観光地、山麓の店というロケーションながら、本格的な料理が並んでいることも『ビアマウント』が長年人気を保ってきた理由のひとつでしょう。

ピザは生の生地をつかって、店内の石窯で焼き上げた熱々のものがでてきます。

蒸し器で温められた焼売は、ホクホクで肉汁たっぷり。

ビールが進むおなじみの揚げ物もあります。無骨ですが下ごしらえの段階から店内調理する唐揚げはとても魅力的です。

焼鳥や焼きそば、餃子、ラーメンやカレー、みんな大好き茶色系も勢ぞろい。

こちらは野菜、漬け物のコーナー。八王子市の農家さんから仕入れたものを揃えていて、生産者の名前まで書かれています。夏野菜はビールと相性抜群です。

ビールで乾杯!

ビールが8銘柄もあると、どのビールから飲み始めようか悩んでしまいますね。時間はたっぷりありますから順番に飲んでいきます。※お酒は適量で。

それでは乾杯!

おつまみは少しずつ、いろいろと。漬け物や焼きナスなど、野菜類もこういうロケーションだとより一層美味しく感じます。

日本酒には小なすの辛子漬けやおでんなどを。選択肢が多いので、2時間ゆっくり飲んでいても飽きません。むしろ時間が足りなく感じるくらいです。

北をみれば、青々と茂り、複雑に交差する稜線の眺め。

東側を眺めれば、東京都心まで続く広大な関東平野と、どこまでも青い空。羽田空港へ向かう飛行機もみえます。そして手元には金色に輝くピルスナービール。

恒例行事にしたい場所

高尾山ビアマウントは常連さんが多いという理由がわかりました。この空間を一度体験すると、毎年の恒例行事にしたくなります。ほろ酔いになりながら、自然に囲まれて絶景を楽しめば、それはもう最高の開放感です。ここ数年の自由に出掛けられず溜め込んできたストレスが、スッと消えていく気がしました。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ Special Thanks/Syupo酒場部の皆さん)

店名高尾山ビアマウント(高尾山BBQマウント)
住所東京都八王子市高尾町2205 高尾山海抜488m地点
営業時間13:00~21:00(基本無休・雨天時も開催)※6月15日から10月15日まで開催
オフシーズンは高尾山BBQマウントとして営業
開業年1965年