池袋から西武線に揺られて30分。秋津は飲むのが好きな人には最高の街なので、ぜひ足を伸ばしてください。え、もうとっくに知っているって?(笑)
西武池袋線の秋津とJR武蔵野線の新秋津の間を結ぶ商店街はいつも賑わっています。そのなかでも、ひときわ目立つ立ち飲み屋がここ、黄色いテントが目印の「やきとり野島」です。
15時のオープンと同時、というより、常連さんは口開けより前から飲んでいることもありますが、とにかく早い時間から満員御礼になる超人気店です。
※読者の方からご指摘により一部表記を修正いたしました。2018-07-30
人気の秘訣は、なんといっても店員さんの「おかえりなさい」と声をかけてくれるアットホームな接客にあり。まさに人情酒場、お客さん同士”袖触れ合うも他生の縁”ということで和やかに会話をしますし、店員さんも常連・一見関係なく、平等に親しく接してくれます。
ビールは生がキリン一番搾り、瓶がラガー(RL)です。中ジョッキも昔ながらのサイズでどーんと登場450円はありがたい!それでは、今日もいただきます。乾杯!
カウンターでぎゅうぎゅうの中でわいわい飲むビール、最高。ディスペンサーやジョッキの状態もよく、品質もばっちり。「キリンの営業さんがいい人過ぎて、ビールの状態をよくしなくちゃと思っちゃう」とお店の方。愛されていますね!
名物のやきとりは次々焼いているとはいえ、焼けるまでなにか摘みたい。自家製マヨネーズの酸味がきいたとろとろポテトサラダも美味しいのですが、今日は赤かぶの気分。こりこりした食感と甘酸っぱい味が、実はビールと結構いい組み合わせ。ある意味、バイス的な。
カシラ、ハツ、いずれも90円。通常のやきとりに使う量の3倍あるという超巨大な串が名物。日本中のやきとりを食べてきていますが、価格対重量では絶対野島が圧勝でしょう。
ですが、大きいから大味というわけではなくて、鮮度抜群焼き方が絶妙で美味しいのです。ちょっと焦げているのはご愛嬌。テイクアウトの注文も含めると、一人で多いときは40本近く相手にされているので、さすがにね。
ビールや酎ハイが進む進む。昔、野島にはじめて来たとき、いつものクセで注文しすぎて持て余したのが懐かしい思い出。その節は、パックに包んでくださってありがとうございます。
レバーの大きさはとにかくスゴイ。串を持ち上げたときに来るずっしりとした重量感。まるで羊羹でも刺さっているのかと思うほど重たい。生の状態から焼き上げていくのですが、火の入り具合はばっちりです。
創業時、小さく切り分けるのが面倒だから、大きいまま串にさして出していたら人気になってしまい、戻れなくなったというのは有名な話。「長年の付き合いで、安く鮮度の良い肉を入れてくれるお肉屋さんがあるからね!」と焼台のお兄さん。
つくねは通常のサイズ。90円でこれでもお得感があるのですが、レバーを見たあとだと、あれ?って。
ビールの後はレモンハイを。日本全国ローカル割材マニアの皆さん、お待たせしました!本日はトーインこと東京飲料株式会社さんのレモンの登場です。博水社よりも酸味はマイルドで、ホッピー社よりも爽快感が強め、味が気になる方は直接「野島」でどうぞ。
2020/03/25追記:レモンハイはホッピービバレッジ社のものに変更になりました。
秋津は東村山市。東村山は酒蔵があるのはご存知でしょうか。東村山市久米川町の豊島屋酒造がつくるその名も「東村山」。喉越しがよく余韻は滑らか、飲み心地のすっきりした普通酒です。
日本酒度は+5。バランスのいい味ということで、常連のお父さんたち御用達。これでビアタン1杯300円というのは安い。くいくい飲めるので、やきとりの美味しさと、お客さん同士の会話に盛り上がり、気がつけばへろへろになっちゃうかも。
チェイサービールをいれると、ますますお酒もやきとりも進みます。今日は東村山でとことこん飲みましょう!
キリンラガー(RL)大びん500円をトトトっと注いで、改めて乾杯です。
酒場のカウンターに瓶ビールは似合うなぁ。
満腹になるまで食べて、心地よいくらい飲んでも、二千円でお釣りが来るほどリーズナブル。近所にあれば、間違いなく頻繁に飲みに行きたい酒場です。常連さんたちも、実は結構遠くからいらしていて、「小平から飲みに来た、ママに会いたくてね」なんてお話もされています。
明るく愉快な名立ち飲み、たまには秋津にいらしてみては?片道300円(西武池袋線)ですから、素はとれます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
焼き鳥野島
042-397-3455
東京都東村山市秋津町5-8-1
15:00~22:00(土は21:00まで・日定休)
予算1,300円