前橋「居酒屋西尾」 確かな魚介料理、ほがらかな接客

前橋「居酒屋西尾」 確かな魚介料理、ほがらかな接客

2020年6月28日

今日は群馬県は前橋の繁華街・千代田町に来ています。群馬の飲み屋街というと、新幹線や高崎線が集まるターミナル駅の高崎周辺がアクセスの良さから立ち寄りがちですが、地域の姿を楽しむならば断然、前橋のほうが魅力を感じます。

大手飲食店はさほど多くはなく、古くからの繁華街には老舗や個人店が充実しています。小さな私鉄、上毛電鉄上尾線のターミナルである中央前橋駅や、地域密着のデパート「スズラン百貨店」を囲むように、ちょっぴりレトロで懐かしい雰囲気の飲み屋街が広がっています。

今回はそんな前橋・千代田から、魚料理が抜群に美味しいと評判の店「西尾」をご紹介します。

 

JR前橋駅から路線バスで数分。紺屋町通りに面した「西尾」は、7年前にご主人が開いたお店です。ちょっとしたカウンターと畳敷きの小上がりというコンパクトなつくりに、連日常連さんが酒と肴を求め集います。

 

かつてキリンビールの工場があったこの界隈は、ビールはキリン率高め。いまもグループ会社の事業所があります。

ということで、まずはいつもどおり生ビール(キリン一番搾り550円)で乾杯!

瓶ビール(中ビン550円)はキリンラガー、日本酒は1合470円からで、群馬県は渋川の酒蔵「聖酒造」がつくる聖など、日本酒が充実しています。

 

特長はなんといっても、この黒板メニューの魅力的な顔ぶれです。

柳たこ、いわし、マコガレイに赤ハタ、ツブにコハダ、キンメやカマスのお刺身も珍しいです。立派なサイズで、あえて醤油で食べたいアジフライも良さそう。あ、岩牡蠣もあります。ここが海に接していない群馬県だということを忘れてしまいそうな内容です。

 

お通しから魚をだすお店はテンションがあがります。

 

お酒をもらって、いざお刺身を。カウンター席はご主人の軽快なトークが楽しめ、お酒はより美味しく、そして手元で調理が進むおつまみに期待は高まります。

 

いわし刺し(600円)。どうですか、見事な薄造りです。小骨の多いいわしですが、その違和感は皆無で、最初は弾力があり、すぐに口の温度でいわしの脂が溶けていくような食感です。鮮度の良さを感じるハリのある甘さがお酒を誘います。

 

こちらは名物の赤城鶏。バルサミコソースでさっぱりとさせていただきます。歯ごたえはっかり、噛むほど旨味が溢れてきます。

 

前橋の夜はまだまだ楽しいお店揃い。まずは美味しい魚と地酒でお腹を軽く満たしたら、夜を歩いてみませんか。

ごちそうさま

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

居酒屋西尾
027-231-3341
群馬県前橋市千代田町5-4-5
18:00~25:00(月定休)
予算3,000円