今日は仙台・一番町にある「いろは横丁」でピザをおつまみに、1軒目スタートです。
東北最大の歓楽街「国分町」で知られる仙台のナイトタイムエコノミーですが、飲み歩き好き、ハシゴ好きでしたら、国分町周辺だけで完結してしまうのはもったいないです。壱弐参(いろは)横丁をはじめ、文化横丁や名掛丁センター街、政岡通り、東一市場など、大小様々な横丁や小路があり、フラフラと歩けば、仙台の夜はもっと楽しくなるに違いありません。
昭和の残り香を感じるディープな路地ばかりですが、最近は若い人たちが始めた新しいお店が増加中。横丁に新たなお客さんを呼び込んでいます。今日ご紹介するいろは横丁「ピッツェリアろっこ」も人気の一軒です。
一番町にある2本の細長い路地裏商店街「いろは横丁」は、仙台空襲からの復興の過程で誕生した露天が原点。2000年(平成12年)までは中央市場と呼ばれていました。長い年月、多くの人々が利用してきたことから漂う熱量のようなものを感じる屋根付き長屋は、のんべえならばきっと吸い込まれるはずです。
小箱のお店が約70軒。いぶし銀の老舗酒場やスナックのほか、お茶屋さんや時計屋さんなどもあります。
目指す「ろっこ」は横丁の真ん中付近。カウンター6席ほど、赤い看板が目印の小さなレストラン。隠れ家のような2階席があり、2階へは滑車をつかって料理が届けられる不思議ギミックがおもしろいです。
コンパクトなお店でも本格的。自家製ピザ生地を使い、注文が入るとすぐさまオーブンで焼き上げます。
ビールは取手仕込みの樽生ビール「キリンハートランド」(600円)。ピザ店にハートランドってしっとりとマッチしますよね。では乾杯!
お店のウリのひとつでもあるハウスワインは驚きの1杯100円(デキャンタは500円)。加えて本日のおすすめワインとして、泡や白、赤をグラス600円からでいくつか用意されています。
サルメリア(肉加工食材)が並ぶショーケースも魅力的ですが、なにせピザの種類が多く迷ってしまいます。ピザが焼けるまでのちょっとしたおつまみも、手頃なピクルス(300円)からイタリアオムレツトリュフ風味(700円)などさまざま。
旬の食材をつかったピザ、そして定番ピザなど合わせて20種類。ピザは1枚1,000円ほどと嬉しいお値段。
お通し代わりにとピクルス300円。いろは横丁を行き交う人々を眺め、のほほんとするこの時間がたまりません。プロセッコ(600円)を傾けながら、喧騒から離れたおだやかなひとときを。
せっかくですから、100円ワインも楽しまなくちゃ。
一部はパリっと、全体的なは柔らかな生地に、ふかふかのモッツァレラチーズがたっぷり。トマトに、宮城県石巻産のアンチョビをトッピングした「アッチューゲ」(1,000円)。地元食材をつかった料理をと選びましたが、これが大正解。アンチョビの深い旨味は赤ワインを誘う濃厚な味わいです。
手づかみで、大きく一口。豪快に頬張る食べ方も、横丁のカウンターのラフな雰囲気がより一層美味しさを増してくれる気がします。
立ち飲み、一杯飲み屋の感覚で使える横丁のピザレストラン「ろっこ」。近くには系列店の三陸牡蠣を食べさせてくれるお店もあります。
まだまだ奥が深い、仙台の横丁・小路の世界。次回もお楽しみに。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ピッツェリアろっこ
022-224-5733
宮城県仙台市青葉区一番町2-3-30 壱弐参横丁
11:30~14:00・17:00〜24:00(基本無休)
予算2,000円