石神井公園「辰巳軒」 焼飯もおつまみ?老舗食堂でスプーン片手にキリンラガー

石神井公園「辰巳軒」 焼飯もおつまみ?老舗食堂でスプーン片手にキリンラガー

先日、SNSで炒飯はおつまみですか?と、何気ない問いかけをしたところ、多くの返信コメントを頂きました。

“炒飯は熱いうちに食べきるべし!”というご意見や、”あえて箸でちびちび摘んで酒の肴として楽しむ”、などご意見はいろいろ。

筆者はといえば社会人そこそこの頃から、新宿思い出横丁の老舗中華で昼食を兼ねたお昼酒で炒飯を摘んできたことから、炒飯はおつまみになるイメージがあります。特に、味が濃くて具だくさんの炒飯は最高にビールとあいます。

忙しない街の空気とは別次元のゆっくりとした時間が流れる街の中華屋さん。テレビに映る情報番組をBGMに、ちびりと食べる炒飯と、小刻みに味わうラガービール。あぁ、もうたまらない。

ということで、マイベストつまみ系炒飯(焼飯)のひとつ、「辰巳軒」をご紹介します。

 

西武池袋線石神井公園駅から商店街を歩くこと5分。赤い看板に黄色い文字が「ザ・地域密着系中華」です。ファサードにもあるように、辰巳軒は昔から中華と洋食の二枚看板。

 

たまに、中華料理店でもチキンライス(ケチャップライス)やドライカレーを出すお店がありますが、ここはもっと本格的。それでは店内へ。中休み明けの17時。開店と同時に軽装な姿の地元の方が次々に流れ込みます。

 

元気なお姉さんが、いらっしゃいと迎えてくれたなら、そのまま「瓶ビールを頂けますか」と、いらっしゃいに対する返答のようなリズムで注文。

みんな大好き、大ビンです。辰巳軒は長年キリンビールを取り扱い。樽生はキリン一番搾り(中ジョッキ550円)。ビンはキリンラガー(大ビン550円)です。ビールのおまけには、エビ風味のあられスナックの小皿がひとつ。えびスナックをつまみにしていれば、料理ができあがる前にビールを1本空けてしまいそうです。(※お酒は適量で。)

左手でビンを、右手でビアタンを持って、トトトと満たし、気持ち軽く持ち上げ心の中で「乾杯」。そのままの勢いで口へ運び、「あぁ、今日もいい日だなー」。

 

中華屋さんはアルコールの種類が少ないお店もありますが、こちらは、ハイサワー、ウーロンハイ、ウイスキー水割り、梅酒(いずれも350円)、ハイボール、日本酒(ともに400円)と豊富。一番奥に座る常連さんは、巨大なジョッキに入ったウーロンハイW(ダブル700円)を抱えて、にんまりとした素敵な表情。

 

洋食がある中華。それとも中華もある洋食でしょうか。辰巳軒ならば、焼豚とハムエッグなんて組み合わせもあり。なたような料理を頼むのが良いかどうかは別として。串カツ、春巻き鶏唐揚などは1個100円から注文可能。一人飲みであれもこれもと食べたい人の味方です。

特徴的な料理がありまして、ポテトサラダをハムで挟んで揚げたハムカツ(200円)というものが。気になる方はご注文を。私はヘルシーに、アスパラガス(500円)。洋食メニューらしい一品でしょう。独特なクキュッっとした食感の白アスパラが好物です。

 

おまちどうさま、五目焼飯(750円)です。

 

辰巳軒は”炒飯”ではなく「焼飯」。そして、なんといっても錦糸卵が印象的です。具だくさんで椎茸、かまぼこも入る見た目は、中華屋の五目ちらしと言えます。レンゲではなくスプーンで食べるのがまたいいじゃないですか。

 

見た目同様にしっかりした味。塩分よりも、椎茸やかまぼこの風味が旨味になっていて、そのコクがビールを誘います。

 

レモンサワーは、武蔵小山の老舗飲料メーカー博水社が出す、40年の歴史ある業務用レモンサワー「ハイサワー」を使用しています。甘酸っぱい味は、いつも飲んでいても飽きることがありません。

舌の上のあぶらを流してくれるよう。ゴロっとした氷でキンキンに冷えています。

 

石神井公園といえば、細い商店街を走る大型路線バスも町の景色の一つ。私鉄沿線らしいおもちゃ箱のような町並みが好きでたまりません。皆さんも、どこか懐かしい風情のある石神井公園へ飲みに行ってみませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

辰巳軒
03-3996-0425
東京都練馬区石神井町3-17-20
11:00~15:00・17:00~22:00(木曜日、第1・3水曜日定休)
予算1,800円