江古田『鳥忠』焼鳥はタレが決め手!大学の街で60年続く大衆割烹

江古田『鳥忠』焼鳥はタレが決め手!大学の街で60年続く大衆割烹

鳥忠』は江古田を代表する大衆割烹です。近隣に暮らす人々のちょっとした外食や、近くの大学関係者の飲み会場所として約60年にわたり親しまれてきました。焼鳥と鰻が名物。美味しいものを知る黒帯飲兵衛さんが集まる人気店です。

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ときわ台、大塚、江古田の”鳥忠”三兄弟

池袋から西武池袋線で6分。各駅停車しか停車しない江古田駅周辺は、昔ながらの私鉄沿線の町並みを色濃く残す街です。駅前は中小の路地が迷路のように広がっており、様々な商店・飲食店が所狭しと連なっています。

大衆食堂や町中華など、安くてボリューム満点の店が多いのですが、それはこの街が学生街だから。駅前に建つ未来的な建物の日本大学芸術学部 江古田キャンパスや、武蔵大学、武蔵野音楽大学などがあり、江古田という街に強い個性をつけています。

外観

今回ご紹介する『鳥忠』は、学生向けの店ではなく、卒業生や教授などが利用しきた居酒屋です。

カウンター越しに調理風景が眺められる昔ながらの大衆割烹で、鰻蒲焼や刺身、焼鳥が名物。でも、マカロニグラタンやトマトチーズ焼きなど、どこか学生街らしいメニューもあって、意外と20代のお客さんの姿も多いです。

上部についた「鳥」「忠」の内照式看板は旧店舗時代から受け継がれている

創業は1964年。板橋区ときわ台の大衆割烹鳥忠の二代目兄弟が暖簾分けで開いた店で、それから約60年が経過した現在も、ときわ台と大塚にある鳥忠は兄弟店的な関係です。

内観

2018年まではかなりレトロな佇まいの店でしたが、建て替えられて今はこの通り立派なビルになりました。それでも、家族経営のアットホームな雰囲気はそのままで、昔からの常連さんが開店に合わせて次々訪れ、あっという間に満卓になります。

品書き

お酒

  • サッポロ生ビール黒ラベル:小440円・中528円・大770円
  • 瓶ビール サッポロ黒ラベル中瓶:594円
  • 熱燗 白鶴辛口 大徳利:715円
  • 黒龍 純米吟醸:748円
  • 〆張鶴:682円
  • レモンサワー:462円
  • 玉露入り緑茶ハイ:462円
  • デュワーズハイボール:418円

黒板メニュー

  • 刺身盛り合わせ:1,600円
  • まぐろ刺し:900円
  • ひらめ刺し:780円
  • 天然かんぱち刺し:780円
  • たこポンズ:780円
  • 舞茸天:480円
  • マカロニグラタン:600円
  • とのかに揚げ:580円
  • きゅうり土佐漬:380円

料理

  • 上うな重:3,630円
  • 蒲焼・白焼:3,300円
  • 肝焼1串:330円
  • うなぎ骨せんべい:220円
  • もも肉・ネギマ・砂肝・なんこつ:187円
  • つくね・レバー・皮:178円
  • 手羽先:330円
  • 牛すじ煮込:638円
  • 富山白えびの唐揚げ:638円
  • ピザ風トマトチーズ焼き:715円
  • 山芋磯辺揚げ:550円
  • パリパリサラダ 自家製ドレッシング:660円

断然タレを選びたい。鰻屋の焼鳥

サッポロ黒ラベル中瓶(594円)

地酒もありますし、白鶴の燗酒でじっくり飲むというのもよいですが、今の時期はやはりビールから始めたいものです。そっと泡を立てないように黒ラベルを注いだら、そのままテーブルに置くことなくタンブラーを持ち上げて乾杯

お通し

お通しは日替わりですが、この日はとろろやオクラがはいる「ねばねば豆腐」がでてきました。暑い日にぴったりです。

まぐろぬた(715円)

暑い日といえば「ぬた」もこの季節に食べたくなる料理です。コクがあるのにさっぱりとした後味で、暑さを吹き飛ばしてくれますね!ねっとりとした食感の本マグロの赤身も実に美味しいです。

やきとり(178円~)

ぬたをつまみながらビールの2本目を注文したところで、焼鳥が焼き上がりました。

鳥忠は総本店の初代がうなぎ店で修行してから創業した経緯があり、兄弟店はどこのお店も鰻が看板料理です。江古田の鳥忠でも鰻を注文する人は多いものの、手頃な価格で飲みたい筆者は今日も焼鳥です。

もも肉、つくね、手羽先。味付けは悩まずタレを選びました。

老舗の鰻屋さんは焼鳥も置いていることが多いですが、そういう店の焼鳥はタレがびっくりするほど美味しいものです。ここ鳥忠もまさにそれ。もつ焼き店のタレのような濃さではなく、比較的あっさりとした甘めの味付けです。

デュワーズハイボール(418円)

美味しい焼鳥にはお燗酒を選ぶことが多いのですが、いかんせん今日は喉が渇いているのでハイボールをお願いしました。カットレモン入なので、後味すっきり。

うなぎ骨せんべい(220円)

鰻特有の脂の旨さが凝縮されていて、その濃い味がハイボールやビールを誘う骨せんべい。これで220円は良心的です。

ごちそうさま

時刻は18時。近隣に暮らす家族連れや、OB・OG会的な先輩たち、一人飲みの黒帯飲兵衛さん、若いカップルまで老若男女が集まり、店内はすっかりにぎやかになりました。いまある空席も予約で埋まっているようで、さすが街の有名店です。

女将さんや大将、学生のお手伝いさんたちのテキパキとした接客も清々しく、楽しい時間を過ごしました。

鳥忠兄弟店一覧

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名焼鳥・海鮮料理 鳥忠
住所東京都練馬区栄町3-10
営業時間営業時間
17:00〜24:00(L.O.23:00)
日曜営業
定休日
年末年始の他、不定休
開業時期1964年