チェルシー (ニューヨーク) 「Artichoke Basille’s Pizza(CHELSEA)」  NYピザを片手にブルックリンラガーの幸せ。

チェルシー (ニューヨーク) 「Artichoke Basille’s Pizza(CHELSEA)」 NYピザを片手にブルックリンラガーの幸せ。

860万人が暮らすニューヨーク市は、町のいたる所にピザレストランがあります。東京で例えるならば蕎麦屋と寿司屋をたした数くらいでしょうか。ニューヨークを代表する名物グルメであるピザは、ニューヨーカーの活力源。それだけに、店の評判も様々で、各々にfavorit(フェイバリット)なピザ店があると聞きます。

今回訪ねたお店は、アーティチョーク・バジル・ピザ。マンハッタン・イーストビレッジで2008年の創業です。看板料理のアーティチョークピザの評判がニューヨーク・タイムズなどで広がり、現在マンハッタンを中心に12店舗を展開中。

 

ロウアー・マンハッタン、チェルシー地区。かつての工場街は、いまはグルメの発信地。中核にあるのは旧ナビスコ工場を改装し、1997年にオープンした「チェルシーマーケット」。巨大なフードコートやテイクアウトができる惣菜店などがあり、ニューヨークの食のトレンド発信地となっています。また、チェルシー地区のハドソン川沿い、かつて工場への高架貨物鉄道引き込み線だった場所は、「ハイライン」という名の全長2キロの遊歩道に整備され、散歩コースになっています。

 

食のトレンド巡りと散策を楽しんだあとは、いよいよピザの時間。アーティチョーク・バジル・ピザは正午から翌朝5時まで通しで営業し、さらに時間指定なしにいつでもビールやウイスキー、カクテルを楽しむことができ、お酒好きのスタートダッシュにもぴったり。

大きな窓とタイルの床、大理石調のカウンターは、いかにもNYの現代風パブレストラン。築100年の建物の味わいが、よりお酒を美味しく感じせます。

 

定番ビールは、日本でも同じものブルックリン・ブルワリーのラガービール。赤く透き通るブルックリンラガーは、伝統のウィーンスタイルをベースにしたもの。

 

赤銅色が飲みたい気持ちを高めます。では乾杯!

 

ニューヨークのパブレストランは取り扱うドラフトビールの種類が非常に多いです。ピザ店のアーティチョーク・バジルもこの品揃え。簡単にご紹介しますと、左からエリシアン ブルーイング(シアトル)IPA、Flagship Brewery(スタテンアイランド・NY)IPA、the spirit of the finger lakes(ニューヨーク)、SweetWater Brewingの420 Extra Pale Ale(アトランタ)、ブルックリンラガー(ブルックリン地区・NY)、黄色いラベルのPacifico(メキシコ)、全米でおなじみミラーLite(ミルウォーキー)、ステラ(ベルギー)、BLUE MOON BELGIAN WHITE(デンバー)、Downeast Cider(ボストン)と並んでいます。

 

ピザはテイクアウトの注文も多く、次々と焼かれています。持ち帰りはカットしたものをすぐに提供されますが、今回は「待っててね、これから焼くから」とスタッフのお兄さんに言われ、焼き立てをだしてくれました。

とてもではありませんが、1グループで1枚食べるような日本的な大きさではありません。さすがアメリカ、料理もダイナミック。

 

おまたせしました。こちらがニューヨーカーにファンが多い、店の看板料理「アーティチョークピザ」です。ピースでオーダー可能なので、筆者のように一人で訪ね、ビールを飲みながらという利用も問題ありません。

 

日本ではあまり馴染みのない食材、西洋野菜のアーティチョーク。握りこぶしほどあり、形状はビール原料のホップに近いです。イタリア料理でよく使われる食材。これを看板料理に使うのは、イタリア人が多く移住したニューヨークらしさと言えます。

 

ほうれん草、クリームソース、モッツァレラチーズ、ペコリーノロマーノチーズをたっぷり”塗った”アーティチョークピザ。その味を例えるならば超濃厚クリームシチュー。こってりとしているのに、不思議とあとをひく味に、ピザが好きになるニューヨーカーの気持ちがちょっとだけ分かった気分。力強い味には、ブルックリンラガーが好相性です。

 

アメリカのピザは、大きくわけると、このような日本でも馴染みのあるニューヨークスタイルと、分厚く具材たっぷりのシカゴピザがあります。皆さんはどちらがお好きでしょう。

 

ちなみに、こちらがシカゴピザ。シカゴループの老舗ピザレストラン「Exchequer Restaurant & Pub」にて。

 

ビールにあうおつまみはなんだろう。その答えの一つは、アメリカンペールエールとピザで間違いありません。だって、もう狙って作ったかのようなピシャリとはまる味なのですから。ピザのチーズのコクや生地の食感に、ホップやモルトの華やかな香りが超絶あいます。

 

香り引き立つたつエールビールや、ニューヨーカーが愛する地元のクラフトビールを片手に、今日だけはカロリーを気にせずにピザを頬張ってみませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

Artichoke Basille’s Pizza(CHELSEA)
https://www.artichokepizza.com/
+1 212-792-9200
114 10th Ave, New York, NY 10011 アメリカ合衆国
12:00~29:00<翌朝5:00>(基本無休)
予算$25