本八戸「さんりく」 創業半世紀をこえる大衆割烹。お昼から通し営業です。

本八戸「さんりく」 創業半世紀をこえる大衆割烹。お昼から通し営業です。

旅先ならば、お昼からだって地元の肴をつまみにして一杯飲みたくなるものです。ですが、旅程次第ではなかなかランチタイムに合わせることが難しいこともあります。そんなときにお昼から夜まで通しで営業している居酒屋の存在はたいへんにありがたい存在です。

今日は、青森県第2の街、漁業と鉱業で栄えた人口約23万人の八戸市から、地魚と地酒でお昼から一献楽しめる大衆割烹「さんりく」をご紹介します。八戸の中心街で50余年続く老舗。カウンター席での一人酒から座敷の宴会まで幅広く対応しています。

ご年配の方の早い時間からの酒盛りや、会社員たちの昼食や飲み会でと、八戸中心街に集まる幅広い層に人気のお店です。

 

飲食街の規模では県庁所在地の青森市に負けずとも劣らない立派な八戸市中心街・三日町、八日町。新旧様々なお店が立ち並ぶ8つの横丁が中心街の観光資源となっています。最近は東京で飲食関連で働いていた若い人がUターンで故郷に戻り、八戸の横丁に店を構えるケースもみられます。

そんな八戸の中心街は、実はJR八戸駅から離れていて、路線バスで約25分(300円)の距離。バスは日中10分間隔で走っているので、新幹線を降りたらぜひ中心街へ。人通りが多く意外にも賑やかな街がそこにあります。

 

さんりくは六日町のほぼ中央に位置します。店内に生簀があるほか、八戸漁港まで4キロほどの距離で魚介類の鮮度は間違いありません。

 

はいってすぐにカウンター席。冷蔵ショーケースには地物の魚が勢揃い。

 

テーブル席やお座敷もある、奥に長い店内。近隣の方には会合などでも使うおなじみのお店といった感じです。

 

まずは、なにはともあれビールから。キリン一番搾り(350円~・写真は中550円 )の樽生で乾杯!

瓶ビールではアサヒスーパードライ、キリンクラシックラガー、サッポロ黒ラベル(各650円)も用意。焼酎グラスは300円から。そしてなにより八戸で飲みたいアルコールは地元のお酒。八戸市内の老舗酒蔵・八戸酒造がつくる陸奥男山(1合450円)を先頭に、中心街の酒蔵・八戸酒類の八鶴、如空、上北郡おいらせ町の桃川、五戸町・菊駒酒造の菊駒と、地酒5種が450円均一。味の違いなどをお店の方に聞きながら、順に飲み比べをされてみては。※お酒は適量で。

ほかにも天の戸(横手)、豊盃(青森)など、近隣の地酒が充実しています。

 

八戸に来たならば、地元の海産物を食べなくては。イカの水揚げ日本一を誇る八戸ですから、イカソーメンはぜひ。国内漁港の水揚げ量ベスト10にはいる八戸はほかにも魚介類がたいへんに豊かです。郷土料理のうにをふんだんに使用した「いちご煮」やせんべい汁などの郷土料理も揃っています。

 

めふん、ばくらい、活ホヤなど、酒の肴になる珍味の充実ぶりもオススメしたい理由のひとつ。

 

お昼ならば定食にしてご飯を少なめに、そしてビールとお銚子を1本つけるというチョイスもよいですね。

 

イカソーメンがこちら。半透明で弾力あるイカを、ちゅるっとひとくち。優しい甘さとかすかな磯の香り、爽やかな余韻にぐっとビールを合わせれば今日も幸せです。おもに夏季はスルメイカ、冬季はヤリイカが八戸の酒場に並びます。

 

食べごたえたっぷりのしめ鯖。脂がのった濃厚な旨味のあるサバを、程よい〆具合で。醤油に浸すと脂が浮くほどなのですが、口当たりは軽く、しつこさを感じることなく美味しく食べられます。

 

北東北ではおなじみのホタテの貝焼き(800円)。大ぶりなホタテで、肉厚で噛みごたえのある貝柱はもちろん、ホタテの旨味を染み込んだネギも日本酒を誘います。

 

まだまだ名物がありますが、お昼なので控えめに。地元野菜や山菜、きのこをつかった天ぷら盛り合わせ。

 

甘口、辛口といろいろな地酒を飲み比べをしていきお昼からすっかりいい気分。お燗でお願いするとお銚子を湯煎で温めてくれるので、冷めにくくじっくりと燗酒の美味しさを楽しめます。お銚子が袴をはいているのは、さすが大衆割烹。

夜は横丁ハシゴを楽しみたいという方も、横丁のお昼は静かですから日中のお酒には「さんりく」がちょうどよいお店かと思います。。八戸飲み歩き、明るいうちから始める一軒目にいかがでしょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

さんりく
0178-43-3501
青森県八戸市六日町23
11:00~22:00(基本無休)
予算3,000円