帯広「サッポロビア晩成舘」カウンターが特等席!十勝のビヤホールで星を味わう

帯広「サッポロビア晩成舘」カウンターが特等席!十勝のビヤホールで星を味わう

2019年5月30日

北海道十勝地方最大の都市・帯広。人口は約17万人の田園都市です。農業が盛んな十勝地方の農作物集積地・商業地として1883年から開発が進められてきました。十勝エリアのビジネス・観光の拠点として、年間を通じて多くの人々が集まります。

駅周辺が街の中心で、全国展開をするシティホテルやビジネスホテルが集まり、駅の北側には立派な繁華街が広がっています。日本最東の百貨店もここ帯広にあります。

農業が盛んな十勝地方に来たら、やはり大地の恵みで一杯味わいたいところ。ビールメインで飲みたいときには、老舗ビヤホールの「サッポロビア晩成舘」はいかがでしょう。

 

札幌からはJRの特急「おおぞら」号で2時間50分でアクセス。近年、立体化工事が行われまるで新幹線駅のような明るい雰囲気になりました。

 

広い敷地にゆったりと建物が建てられているので、地方都市駅前でよく見かける濃厚さはありません。それでも人通りは少なくなく、日暮れとともに飲み屋街に向かう人々でなかなかの賑わいが見られます。

 

駅から徒歩10分ほど進むと、絵になる細い路地もみえてきます。北海道のスナックや小料理屋の小箱が立ち並ぶ路地は、まるで魔法にかけられたような誘惑を感じます。

 

ここは名門通。寿司や割烹、酒場にバルなど昔からやっているお店で賑やかです。近隣には十勝乃長屋や北の屋台といった屋台街もあり、そちらは若い人を中心に勢いがあります。

 

「サッポロビア晩成舘」はそんな帯広歓楽街にあり、市内唯一のビール主体のビヤホール(2018年筆者調べ)です。「サッポロビア」と入っていますが、大手酒類企業のサッポロビールグループとの関係はなく、個人経営のビヤホールです。

 

高い天井にガラスを多用した贅沢なつくりの店構え。馬がトレードマークです。

 

店内は板張りで、明るいながらもぬくもりのある空間です。家族連れや近隣の会社員で賑わうテーブル席と、ビールタップが並ぶバーカウンターから選べます。

 

一人、二人でお酒をメインで楽しむならば、おすすめは断然カウンター席です。まるでサッポロビール園で飲んでいるかのよう。恵庭で醸造されているサッポロクラシックや黒ラベル、ヱビス、ヱビスブラックなど5種類の樽が用意されています。

 

一杯目のビールはやっぱりこれ。北海道内限定販売の「サッポロクラシック」。青函トンネル開通と同じ年、1985年に誕生したビールです。北海道の気候・食材にあわせた味に多くのファンがいます。

 

缶はキャンペーン等で道外で販売されることもありますが、樽生を、しかも北海道の老舗ビヤホールで飲むのはより一層の特別感があります。

乾杯!

爽やかな気候、開放感たっぷりの風土。北海道の大地に寄り添う飲みやすさと飲みごたえがたまりません。

 

ビールは黒ラベルとクラシックは、小450円、中830円、大1,020円。ヱビス、黒ヱビスのほか、ハーフアンドハーフもあります。小サイズといっても435mlジョッキなので、一般的な中生サイズ。なんと大は1L、たっぷり心ゆくまで飲みたいボリュームです。

※飲酒は適量で。

ビールのほか、十勝ワイン(ボトル2,300円)や日本酒は釧路の福司、旭川の大雪の蔵など北海道産のお酒が充実しています。

 

お通し(400円)は、つぶ貝と卵焼き。地元の方の間ではおしゃれな居酒屋としての利用も多いようで、食事もしっかり揃います。

 

ホッケ焼きやホタルイカ、ホタテ焼きなど、地元食材のオンパレード。看板料理は十勝・池田町を含む道内産のステーキで、馬肉ステーキも楽しめます。料理では、鮮度抜群な足寄産の馬刺しがおすすめと、隣の常連さん。

 

今回は二軒目で訪ねているので、料理よりもビールに夢中。1杯目の中ジョッキをあっという間に乾かしてしまい、ここはやっぱり大ジョッキを抱えたい気分。マスターの山下純さんは、忙しい中でも一杯ごとに丁寧に注いでいます。

 

星マークを下にして、ヘッドを水面ぎりぎりに保ちながら泡立てないように流していきます。

 

最後に泡を調整して完成。炭酸ガスが保たれた味は刺激的で、これもまた美味しいものです。

 

大ジョッキでおかわりして、改めて乾杯。北海道だといくらでも飲みたくなってくるから不思議です。

 

あわせるおつまみは、丸ごと新玉バター。その名の通り、シンプルなおつまみですが、十勝産の大きくてみずみずしい新玉ねぎに、これまた十勝産のバターをたっぷり載せた贅沢な一品。

 

素材の味だけで十分に美味しいのは、さすが北海道。クラシックとあわせて、実に清爽な気分です。

 

ビールにあうおつまみとして、マスターがオススメしてくれたのは、自家製レーズンバターです。帯広といえば、全国区のレーズンバターサンドがありますが、こうしてビールのお供にするのもいいですね!

 

1日で20L樽が何本も空になる賑わいある晩成館。新しいビールが届いても、すぐには提供せずに冷蔵庫で寝かせて出すこだわりも人気の秘訣でしょう。

十勝の美味しいお肉や農作物をおつまみにして楽しむサッポロクラシックは最高です。ビール好きの皆さん、帯広へ飲み旅に行ってみませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

晩成館
0155-21-5559
北海道帯広市西一条南9-16
17:00~24:00(日定休)
予算3,500円