狸小路『瑠玖＆魚平』昼から休みなし！刺身3点盛りと飲み放題で大満足

観光でも利用しやすい、狸小路でお昼から通しで営業している酒場『瑠玖＆魚平』。北海道の海の幸が手頃な価格で楽しめると評判の店です。しかも、一人から利用できる60分飲み放題（約千円）がとってもオトク。平日のお昼から、海鮮丼や刺身盛りを楽しむ地元民で満卓近い賑わいなのもうなずけます。

不思議な店名のワケ「実はメガネ店の飲食事業」

北日本最大の歓楽街「すすきの」エリアには、星の数ほど飲食店があります。観光客向けの店ばかりではなく、地元のリピーターが支えてきた地域密着の店も数多存在します。梯子酒を楽しみたい人にとって、地元の人々が愛用する手頃な価格の店はとても嬉しい存在です。

今回ご紹介する『瑠玖&魚平』もそうした店のひとつです。すすきのエリアを東西に約900メートル伸びる、札幌を代表するアーケード商店街「狸小路」にあり、早い時間からお酒を飲むお客さんで大いに賑わっています。

外観

不思議なお店でして、第一に店名の『瑠玖&魚平』から気になります。

当初は『瑠玖（るっく）』という店名で、1985年に開店。「うまいぞ瑠玖 刺し身がでかい」というキャッチフレーズで一躍有名店になりました。運営元は北海道や首都圏で約40軒のメガネストアチェーン「メガネサロン ルック」を展開する株式会社ルック・ヒライなのです。「ルック」という飲食店では見かけない名前も、メガネ店の系列と聞けば「なるほど」となります。

2015年には「さかな屋金ちゃんの店 魚平」と一体化し、こうして『瑠玖&魚平』という不思議な店名になったそうです。

内観

一階は巨大なコの字カウンターを配した食堂のような空間が広がっています。明るい店員さんが元気に迎えてくれました。

取材時は14時過ぎ。まだフライングというにも早すぎる時間ですが、すでにお酒を飲む人たちでかなりの席が埋まっています。店内のテレビに映るワイドショーやスマートフォンを酒の肴に一人飲みするベテランさんや、テーブルでお酒片手に懇親会を開く若い世代まで、客層は様々です。

二階へ上がると、テーブル席、掘りごたつの座敷などがあり、大人数の宴会にも対応しています。

札幌でお昼から通しで営業しているお店は、東京や大阪ほど多くはありません。さらに年中無休の店というととても貴重です。いつでもやっている安心感が『瑠玖＆魚平』にはあります。

品書き

お酒

60分飲み放題1,080円を頼む人がほとんどですが、単品メニューも豊富に揃っています。3杯飲むならば飲み放題がお得になる価格設定です。

樽生ビールはアサヒスーパードライ、またはサッポロクラシックで中ジョッキ：520円。瓶ビールもアサヒスーパードライ、またはサッポロクラシック中瓶：580円。

日本酒は合同酒精の雅乃詩：200円、菊正宗酒造（神戸）の菊正宗：380、合同酒精 大雪乃蔵300ml瓶：700円など。焼酎は鍛高譚：480円、ワリッカ北海道：300円など。ハイボールはブラックニッカクリア：400円。全体的に北海道色の濃い品揃えです。

サワー類は、アサヒビールの樽ハイ倶楽部ベースで400円均一。十勝ワイン トカップハーフボトル：1,200円もあります。

飲み放題メニュー

北海道限定のサッポロクラシックを含む日本酒、焼酎、ハイボールなどが飲み放題です。

本日のおすすめ

活〆平目刺身：680円、活〆そい刺身：500円、花咲蟹姿盛り：1,980円、生ホッケフライ：750円、いももち：450円、ラーメンサラダ：550円など。

ホッケ半身焼：420円、カスベ煮こごり：550円など。

定番メニュー

えび塩焼き3本：450円、桜姫鶏串焼き：450円、にしん姿焼き：700円、活つぶ貝焼き：750円など。

本日のお刺身三点盛り合わせ：1,380円、まぐろヤン衆切り：850円、特盛海鮮丼：1,980円、お刺身御膳：1,100円など。

とりあえずここ来れば、お昼酒に満足できる

飲み放題（1,080円）

新千歳空港から喉を乾かして直行してきた筆者は、もちろん飲み放題を選択。

「一杯目はどうしましょう」という質問に、悩むことなく「サッポロクラシック」と回答。北海道でしか飲めない樽詰めのクラシックが、飲み放題なんです。北海道ではあたりまえでも、本州から来た人には特別な銘柄です。乾杯！

店員さんの気の利き方が素晴らしく、お代わりしたお酒は、飲み切る直前に空きそうなジョッキに気づいて注文を取りに来てくれました。

お通し（330円）とアラ汁（無料）

お通しはありますが、システムがおもしろいです。一画に設置されたビッフェコーナーから、好きなものを1皿に盛れるだけもってこれる仕組みです。煮物や揚げ物、マカロニサラダなどがあり、スピードメニューの一品として十分な料理が並んでいます。

選んできたお通しの小皿とぶりアラや根菜がはいったアラ汁。これでまずはビールを飲みつつ、メインの料理を待つというのが基本の流れのようです。毎日のように通うお客さんがいるそうで、お通しはそんなお客さんにあわせたセルフチョイスになっています。

刺身3点盛り合わせ（1,380円）

常連さんの多くが注文している、同店の看板メニュー「3点盛り合わせ」がやってきました。

真鯛、帆立、イカ、ツブなど14品目ある今日の刺身から、好きなものを3点選びます。筆者は甘エビ、活〆ソイ、ホッキ貝。大皿に盛られていてとっても豪華です。

なにより、ものがいいのでびっくり。札幌は中央卸売市場や水揚げ場所である漁港もすぐ近くですから、海が近い福岡と同様、鮮度の良さはワンランク上です。

数杯のクラシックのあとはブラックニッカクリアを注文。朝の連続テレビ小説「マッサン」のテーマになった北海道余市でのウイスキーづくりを想いながら、北海道発のウヰスキーをいただきます。

同じく北海道発の全国銘柄といえば、オエノングループ・合同酒精の商品群。とくにワリッカは首都圏でもみかける甲類焼酎ですね。同店ではソーダ割りではなく、水割りで提供しています。

追加のおつまみには、店内仕込みの烏賊の塩辛をいただきました。フレッシュでイカは角がたったコリコリの塩辛です。これもまた、さすが北海道といえるおつまみです。

両隣のベテラン飲兵衛さんたちとの会話が盛り上がっていると、あっという間にに50分が経過しました。飲み放題のラストオーダーをしっかり聞ききてくれる店員さんに感謝しつつ、最後はしっかり強めのお酒をもらってのんびりと過ごします。時間内に飲み干す必要はありせん。

店の皆さんも常連さんもとても朗らかで、一人飲みでも楽しく過ごせたいいお店です。次回も札幌出張の際は一軒目の昼酒処として伺いたいと思います。

ごちそうさま。

（取材・文・撮影／塩見 なゆ）