北海道空知地方、滝川のご当地料理「チャップ丼」をご存知でしょうか。
1953年(昭和28年)創業、食堂「高田屋」の二代目現店主・高田さんが考案した豚肉料理です。いまでは高田屋以外でも「チャップ丼」を提供するお店があり、街を代表する味となりました。
お昼から飲める食堂でもある高田屋。食堂飲み愛好家の方にはぜひ立ち寄って欲しい一軒です。
交通の要衝にある昭和食堂
北海道の大動脈・JR函館本線の札幌と旭川のほぼ中間に位置する滝川。二大都市を結ぶ特急列車が頻繁に行き交う駅でありアクセスは良好です。滝川からは根室本線が富良野方面を結んでいます。
巨大な駅構内に、石炭輸送で栄えた時代の名残を残しています。
滝川といえば、札幌市内や東京都心にも支店を開いている有名ジンギスカンの本店があります。ほかにも、炭鉱マンが食べたという味噌ホルモンや、創業半世紀を越える名物焼鳥の店など、ビールやお酒が楽しめる飲食店が複数あります。
高田屋は駅から徒歩3分ほど。11時から21時まで通しで営業しています。
もともとジンギスカンや空知地方名物のやきとりの提供もしていた食堂だったといいます。昭和の北海道を舞台にした映画のワンシーンに登場しそうな店構え。
いくつになってもわくわくする、食堂のショーケース。カレーに天ぷら、とんかつに蕎麦まで、なんでも揃う昔ながらの大衆食堂です。
ご主人を中心にベテランのお姉さんたちで切り盛りする店内。お客さんは途切れることがありません。
丼ぶりから蕎麦まである、昼飲みも可
アルコール類は瓶ビールと日本酒の二種類。ビールは白石にある北海道工場産のアサヒスーパードライ(中びん550円)。
トクトクとヒヤタンを満たしたら、そっと乾杯。
名物のチャップ丼のほかに、単品でもポークチャップがありますが、これはチャップ丼のアタマではなく、ケチャップ味のロースのソテーなのでお間違いなく。
名物チャップ丼
こちらがお目当てのチャップ丼(800円)。
ご主人が高校生の頃、店の焼鳥のタレをごはんと豚肉にかけてお弁当にしていたのがきっかけだそう。道産SPF豚のバラ肉を炒め、熟成醤油にからめて出来上がり。「チャップ丼」の響きから、一般的なポークチャップのようにケチャップ味を連想しますが、その名前の由来は料理用語の「チャップ肉」からきています。
甘じょっぱいタレと豚の旨味がビールを誘います。ごはんを控えめにすれば、これも立派なビールのおつまみです。
アットホームな雰囲気にそっと癒やされて大満足。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 食堂高田屋 |
住所 | 北海道滝川市栄町3-6-7 |
営業時間 | 営業時間 11:00~20:00 日曜営業 定休日 月曜日 |
開業年 | 1953年 |