荻窪「啓ちゃん」 新進気鋭の町中華で、木耳玉子を肴に一杯。

荻窪「啓ちゃん」 新進気鋭の町中華で、木耳玉子を肴に一杯。

グルメに興味を持たれている方ならばご存知かもしれません。荻窪駅から5分ほどの場所に店を構える「啓ちゃん」。2011年に当時20代だった店主が開いた、炒めものも揃う正真正銘”町中華”です。店名は店主のお名前から。

若い人が中華を始めるといえばラーメン専門店になりそうですが、あえて王道の町の中華屋というのがいいじゃないですか。中華鍋を振る料理を肴にビールや酎ハイをちびりと飲む、それは大衆酒場に似たおだやかな日常の幸せです。

 

若い人が始めた町中華。いかにも中央線沿線らしいキーワードでしょう。地元密着、近隣の家族連れやサブカル系の人たち、お昼から飲んでいるご隠居さんなど、様々なお客さんが入れ代わり立ち代わりで囲むカウンターはコの字です。

 

最初の料理やお酒食券機から。お腹いっぱい食べられる大盛りチャーハンやカレーラーメンなどバリエーション豊かながら、やはり王道の醤油ラーメンや木耳玉子、餃子などが人気のようです。

20代が開いた2010年代の店なのに、そこには町中華の基本・漫画本コーナーも。

 

「どうぞ飲んでいってください。」というメッセージたっぷりの肴と酒のメニュー。町中華は、飲んでいい雰囲気かどうか毎回気になるところ。お酒飲み向けの品書きが充実していると安心です。

 

焼餃子、水餃子は400円、麺類も豊富です。生姜焼や肉豆腐定食などの定食は、メイン料理だけを単品で注文することが可能です。これで一杯ひっかけようというお話。

 

ビールは瓶でアサヒスーパードライの小瓶を。酎ハイは350円、ホッピーセットは400円です。

 

ビールはビアタンではなく、”冷タン”に注ぐのがいかにも町中華らしいです。トトトと注いで乾杯!

 

開店から7年。育った中華鍋そのものが隠し味、絶品の木耳玉子炒めは頼むべき一品。ちょい濃い目で油もしっかり。昔懐かしき中華屋の味が最高です。中華屋の炒めものを大きくすくって頬張り、白いごはんを一緒にかきこむ。そんな学生時代をすごしていた方も、お酒の味や楽しさを知った今は、これでちびりと傾けるビールや酎ハイもいいに決まっています。

とろふわ玉子と肉厚木耳と豚肉、シャキシャキな玉ねぎがアクセントです。

 

ぷりぷりに茹で上がった餃子は、硬めの練り辛子をラー油と合わせてつけて一口。ハフハフしたところに…

 

ぐいっと、よく冷えた酎ハイを。そして心の中で「ぷはー」って。焼鳥や煮込みと近い安くて美味しい町中華ですが、酒場のそれとの違いは、”勢い”ではないでしょうか。マリアージュなんて言葉ではなく、素直に頬張りすぐさまお酒を追いかけたくなる、この忙しなさが好きです。

 

大衆中華の〆は、やはり半○○でしょ。大定番の醤油ラーメンの半分。半ラーメンは250円です。生姜を感じるあっさりとした味ながら余韻がまたお酒を誘ってきます。ニッカハイボールをひとつ、もらいましょうか!

 

啓ちゃんの二階はバーになっていて、経営は同じ。結構しっかりとしたオーセンティックバーなので〆ラーメンのあと、食後酒にカクテルなんていうのもよいですね。中華メニューの一部はバーでも食べられるとのこと。

若くても定番を貫く大衆中華の啓ちゃん、中華屋飲みがお好きな方にぜひ!

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

中華屋 啓ちゃん
03-3392-0805
東京都杉並区天沼3-31-35
11:30~23:00(月定休)
予算1,600円