金山「歓酒亭 大安」 名古屋で飲むならひと駅お隣へ。素敵な立ち飲みがあります

金山「歓酒亭 大安」 名古屋で飲むならひと駅お隣へ。素敵な立ち飲みがあります

名古屋で飲むとき、選ぶのはやはり名駅周辺や栄に偏りがち。ただ、名古屋の人に聞いてみれば、いま注目の街は「金山」だそう。もともとJR線、名鉄線、そして地下鉄が乗り入れるターミナル駅でしたが、人が集まる場所には飲み屋ができますね。

金山でまず訪れるべきと評判の立ち飲み屋があります。駅から徒歩3分ほどの線路際で赤ちょうちんを灯す「大安」です。朝びきの地鶏をはじめ、新鮮でお手軽な刺身、そして豊富な酒場系つまみの小鉢が人気です。

千円台で楽しめる店として口開けから大いに賑わい、満員御礼は当たり前。それでも、少しの隙間を狙って、今日も「一人入れますか?」と覗きたくなります。

 

元気なちゃきちゃきお姉さん方が仕切る店内。大きなコの字カウンターが中央に配され、そこにたくさんのお父さんたちが向かいます。最近は女性の姿も多いと常連さん。場所の詰め合い・譲り合い。先客の皆さんの配慮で作ってくれた隙間に収まれば、すかさず一杯目を注文です。

なにせ人気で安いお店。スタッフの皆さんとのリズムの良い掛け合いが大切です。一杯目のビール、生はサッポロ黒ラベルで瓶は赤星、さてどっち。

小鉢のマカロニサラダもいっしょにもらって、では乾杯!

 

さて、料理の種類は結構充実。右上からいわし、あじ、鯖と魚が並ぶかと思いきや、天ぷら、唐揚げ、ピリ辛ソーセージと揚げ物、肉類もバラエティー豊かです。さすが名古屋といいましょうか、立ち飲みでも「エビフライ」の選択肢。これに加え、今日の刺身がカウンターに張り出されているので、何を頼もうか日々楽しみです。

 

酎ハイ類は370円から、バリキングやラムハイ、梅チューハイなども選べます。ワインはサッポロビール社の一升瓶ワイン「北極星」と、全体的にサッポロ寄りのアルコールメニューです。

 

19時30分までの早い時間ならば、さらにお値打ちなセットが選べます。生中に小鉢2品で770円など、一寸一杯ならば千円でお釣りが来る利用も可能です。このセットから始めて、追加でお酒やお刺身を頼んでしっかり飲んでいくというのがひとつの「定型」らしいです。

 

おこぜ、石鯛、甘エビ、皮ハギ刺身(350円前後)など、今日の刺身にはなかなかいいものが入ります。これを目当てに飲みに来る人も多いそうで、売り切れ御免のおつまみです。

 

看板料理は、なんといっても鶏刺し。提供後、すばやく食べてねという注釈付きでやってきます。三河産と書かれた鶏。レバー、しんぞう、砂肝を刺身で頼めるほか、鶏の塩焼きとしてこれらに加えせせりも用意されています。数に限りがあり、食べられればラッキーです。一皿230円からと、これまたお値打ち感たっぷり。

 

日替わり小鉢も200円台では十分な量とほどよい酒の肴が揃っています。

 

バリキングを片手に、コの字で楽しいひととき。入ったときはコの字の正面でしたが、気づけば詰め合わせで左へ進み、カウンターもだいぶ中程へ。両隣のお客さんとも自然に会話が進み、そこに常連さんとお姉さんの阿吽の呼吸のようなコミュニケーションも加わり、一体感に包まれます。

鮮度の良い鶏や海鮮を目当てに来た人も、気づけば大安の空気に惚れ込むこと間違いありません。

名古屋の大衆立ち飲みで、街のパワーに触れてみませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

歓酒亭 大安
052-883-6252
愛知県名古屋市熱田区波寄町22-24
17:00~23:00(土は~21:00・日祝定休)
予算1,500円