名古屋『八幡屋』進化加速中の名駅周辺で変わらぬ味噌酒場

名古屋『八幡屋』進化加速中の名駅周辺で変わらぬ味噌酒場

2016年9月1日

創業60年、赤味噌煮の名酒場『八幡屋』。名古屋に来たら一度は訪ねたい名店です。

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屋台風の店構えで、ドテと串焼き

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名古屋駅の周辺の進化は止まりません。これからリニア中央新幹線の開業まで、再開発や超高層ビルの建設ラッシュが続きます。ちょっと前まではJR名古屋駅ビルのセントラルタワーズくらいしか大きな建物はないと思っていたのに、気づいたらミッドランドスクエアや大名古屋ビルヂングなども竣工。いつも地面のほうばかり、路面に光る赤ちょうちんばかりを追い求めているので、たまに上を見ると街の変化に驚きます。

そんな元気のある名駅周辺で、こちらは変わらず60年。名駅周辺で赤味噌味の酒場といえば、ここ「八幡屋」です。名古屋の郷土味ともいえる甘い赤味噌味のおつまみを看板に掲げる名酒場。

店先ではもつ焼きの炭火焼台と巨大な赤味噌味のおでん鍋が鎮座しています。創業時から継ぎ足し続けられているという赤味噌ベースのタレは、とにかく癖になる美味しさ。味の主張が結構しっかりとした食べ物なのですが、数日もすればまたこの味が恋しくなる、そんなやみつきの味なんです。

店先の立ち飲みや、テイクアウトの利用が主軸となっています。奥の飲食スペースは「イートイン」的な扱いですが、日々満員になる賑わいで、名駅2丁目の夜の景色としてなくてはならない存在です。

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シロが次々焼かれています。 とん焼き・肝焼・くし串・心臓・肝唐あげなど一本80円。これを赤味噌のたれでグツグツ煮込んだ串もあります。

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味付けの基本はすべてこの鍋から。とろみのあるだしがポコポコとしながら、焦げることなくずっと加熱されています。串かつなどはここを潜らせてから供されます。店内だけでなく店周辺にまで甘じょっぱい味噌の香りでいっぱいです。

品書き

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メニューはとってもシンプル。大びんは630円、名古屋周辺はキリンビールを長年扱い続けている酒場が多く、この界隈の老舗の味といえば、まさしくキリンラガーです。生ビールの取り扱いはなく、チューハイも樽詰めではなく珍しい「焼酎ハイボール」の小瓶が用意されています。東京・下町の元祖ハイボールをイメージした宝の焼酎ハイボールがまさか名古屋にも進出しているとは思わなかったです。

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飲みましょう、食べましょう。大びんのキリンラガーをすっと注いで、では乾杯。うん、店内に漂う香りだけでビールが進んじゃいます(笑)

ドテ、串焼き、串カツの3点は必ず食べたい

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濃厚味噌だれのどて焼き(1本80円)。濃厚で旨味の塊のようなどては、テーブル備え付けの新聞紙を串の持ち手の部分に巻いていただきます。名古屋の味といえば、やっぱりこれですよ!

ぐーっと引き込まれるようなコクと余韻に、すかさずラガーをぐいっと飲む。あぁ、名古屋に飲みに来て本当に良かったと思う瞬間です。

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串かつも名物です。テーブルには備え付けのソースの缶があり、ソース味で食べることもできますが、常連さんをはじめ多くの人が食べている「味噌串かつ」も絶品です。甘めのだしとカツの肉汁が茶色系フードの極みといった感じ。。ビールが大びん一本では足りない勢いでぐいぐいと進みます。

味噌カツはいまや全国区ですが、その原点は実はこれなんですよね。どて煮と串かつ、これをハイブリッドしたのが味噌カツの始まり。

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肝唐揚げはソースで食べるといいよと常連さん。さらっとしたソースは辛めの味で、赤味噌だれとの対比として味の変化がおもしろい。やわらかく、ホクホクとした食感で、くさみのないレバーマニアでなくとも食べておきたい一品です。

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名古屋を代表する味噌かつ、どて煮の酒場「八幡屋」。地元の飲兵衛さんには定番中の定番とは思いますが、他の地域から出張、遊びで名古屋に訪れる際は、ぜひともチェックしてほしい名店です。

駅ナカで味噌カツで飲むのも良いですが、帰りの「のぞみ」の切符を最終の列車に乗車変更かけてでも、立ち寄って欲しい酒場です。この界隈、ほかにもいいお店がありますので、梯子酒で本場の味噌カツを味わってみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビールマーケティング株式会社)

八幡屋
052-571-3945
愛知県名古屋市西区名駅2丁目18-7
17:00〜21:00(日祝定休・土は20時閉店・平日はランチあり)
予算1,800円