栄『酒津屋 中店』明治創業の酒屋の直営店は、栄イチの使い勝手と評判

栄『酒津屋 中店』明治創業の酒屋の直営店は、栄イチの使い勝手と評判

2016年10月31日
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名古屋で朝から飲むならば、栄の「酒津屋 」で間違いない。朝7時から営業し、地下鉄栄駅に直結、しかも閉店は24時で日曜日も営業しているという、名古屋の飲兵衛にはなくてはならない存在です。

そもそもは1896年(明治29年)に名古屋市中区で創業した老舗の酒販店で、現在は愛知県を中心に中部地方を幅広くカバーする大手の「サカツコーポレーション」が1965年(昭和40年)にはじめた酒屋の直営居酒屋です。

半世紀以上の月日を経て、変わらず栄地下街の主として、いまも幅広い層に人気です。店構えはちょっぴり不思議な感じですが、日替わりの黒板メニューや暖簾から”いい店”オーラが漂ってきます。

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間口の通りのさほど大きくないお店で、ちょうどいい落ち着くサイズ感。ちゃきちゃきと働くスタッフのお姉さんが絶妙なリズムで注文と配膳をこなしています。

飲み物メニューは、サッポロビールを中心にバリエーションは絞っているものの飲みたくなるものが多い。メニューには記載がありませんが、サッポロラガーも取り扱っています。赤星が朝から飲める貴重な酒場なのです。

朝、昼、夜と飲みのお客さんと食事のお客さんが混ざり合うのですが、目の前でサラリーマンがせわしなく時計を気にしながら味噌カツ定食を食べいいる横で、ぼーっと昼酒をするのもいい気分。最初は落ち着かないけれど、だんだん飲んでいる背徳感が快感に変わっていきます。

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おつまみは種類が膨大で悩んでしまう。しかも300円台がほとんどで、名古屋メシがこれでもかと並ぶ内容は、地元の常連さんだけでなく、地方から飲みに来ている人も満足するに違いありません。

牛すじどて煮、味噌カツ、エビフライ、手羽先など、どれを食べるかいつも悩みます。

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おつまみを悩んでいる間に最初の一本が届きました。大びん(550円)が50年間飲兵衛に撫でられてきた木のテーブルにドンとでる。しかも平日朝9時。もうこの瞬間だけで、笑顔が隠しきれません(酒場マニア的に)。

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前日深酒してしまい、まだお腹が空いていない、そんな人におすすめ。もちろん、新幹線で名古屋降りて最初に入るお店としての「酒津屋」の一品目も、みそ奴(320円)で決まり。香ばしい八丁味噌をみりんなどで調整したどろっとしたタレがたっぷり。山椒をかけていただきます。

味噌の味を楽しむ一皿として、まずは揚げものなどの前にぜひ食べてみてください。不思議と黒ラベルも名古屋味に感じてきます。※豆知識として、酒津屋の黒ラベルの製造固有記号は瓶も大樽も”Y” つまり静岡工場です。

まぐろ刺しなど名古屋メシではない酒場の定番もどれもはずれなく、自家製のポテトサラダはお腹に余裕があるときの必須小鉢。後半、そみ奴のタレを加えて名古屋味にしてみるのも新鮮です。

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そして、イチオシはなんといってもこれ!えびカツ(540円)です。グローブのように海老がたっぷり並んだもので、よくあるミンチの海老ではなく、立派なのがまるまるまたっぷり入っています。自家製のタルタルソースはそのままでもおつまみになる具だくさんのもの。

あえて味噌ではなく、ソースやタルタルで食べるのがいい。もちろん、みそ奴さえあれば、味噌味にもすることができますが、何でもかんでも味噌では、ねぇ(笑)

キャベツもトマトもついてお得感いっぱい。名古屋に行くならば、朝酒の酒津屋でえびカツは外せません。

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いつも通う常連さんがテレビの情報番組を観ながらぼーっと過ごすようなゆるい空間は、旅先のひとときにやすらぎを与えてくれます。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

酒津屋 中店
052-951-1140
愛知県名古屋市中区栄3-5-12 栄 森の地下街 南一番街
7:00~24:00(無休)
予算1,800円