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新今宮駅を降りれば南に西成、北にジャンジャン横丁・新世界。お昼間から酔っ払って歩くなら大阪で一番の駅でしょう。
この界隈は戦後復興の労働者の盛り場として栄えるも、歓楽街はミナミなどにシフトし取り残されてしまい、街は昭和のまま時が止まっています。レトロブームもあって表側はだいぶ観光客向けに「レトロ調」となりましたが、路地裏にはまだまだディープな影が残っています。
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地下鉄動物園駅から地上にでてすぐ。大阪環状線のガード下を抜ければジャンジャン横丁という好立地にもかかわらず、その奥に残る怪しいビルが今回の目的地、ホルモン鍋が看板の「たつ屋」です。
営業は正午から20時までと営業の主体は完全にお昼間。早い時間からおっちゃんたちが出入りしています。
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ほぼ全員が注文するホルモン鍋は一人前800円。その他、ホルモン料理や朝鮮系のアテが並びます。煮込みは醤油味。鍋のあとの〆にうどんか中華(ラーメン)をいれる人も多い。飲まずにホルモンうどんを数分で一気にたいらげていくおっちゃんの姿も。
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ビールはアサヒとキリン。生はスーパードライで同じサーバーにつながれた樽ハイ倶楽部のチューハイは350円。生マッコリもあります。
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ホルモン鍋は一人分ずつ平たい鍋で用意。注文から1分たらずでセットされ、目の前で点火。煮えるまでのつなぎに豚耳(200円)。キリンラガーのダイ瓶(500円)をトトトと傾け、では乾杯!
時刻は平日13:00。それでもジャンパー姿のおっちゃんで大賑わいの店内。長居せずにちゃっちゃと飲んで食べていく人がほとんどなので、賑わっていても回転は早いです。
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特製ダレにつけてプリプリの食感と旨味と辛味を楽しみながらビールを飲む。店員さん同士、そして奥のテーブルで宴を楽しむおっちゃんたちのコッテコテの関西弁をBGMに、昼の日差しに照らされて今日も昼酒が美味しい。
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豆腐、ニラ、キャベツ、モヤシにたっぷりのキムチ。出汁も朝鮮風の味付けで、その中にテッチャン、センマイ、バラなどたくさんの部位がごちゃまぜに無造作にほうり込まれています。
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煮立ってモヤシがしっとり、豆腐が赤くなってきたら食べごろ。お姉さんが火加減をみてくれます。
漂う辛さと旨さの混ざった匂いに刺激され、煮ている間に大瓶を空にしてしまいそう。いざ、いただきます。
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醤油ベースにピリ辛唐辛子。ホルモンからの旨味がスープに溶けて野菜や豆腐に染み込んでいます。冬なのに額に軽く汗をにじませて、箸を止めずににぐんぐんと進みます。この味、単純そうに見えてなかなか奥深い。
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〆のごはんはせずに鍋を食べきってひとやすみ。少し甘さのある樽詰めのチューハイレモンでクールダウン。汁も美味しく、最後はいやしくお玉で掬って液体オツマミです。野菜たっぷりでホルモン鍋の響きよりも実際はだいぶヘルシーだと思いたい。
一人でも鍋は名残惜しくなる程度で完食できます。
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営業中かどうかわかりづらい佇まい。出入りするおっちゃんたちの雰囲気。漂う鍋の香り。大阪のなかでもひときわ異世界感のある大衆酒場「たつ屋」。女性のお一人様も入ってしまえば普通に迎えてくれるので、ご興味あればぜひ。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
たつ屋
06-6647-5992
大阪府大阪市西成区山王1丁目17-10
12:00~20:00(祝日は18:00まで・月定休)
予算1,800円