布施『ヒザキ酒店』大阪の立ち飲みの奥行きを知る。梅焼と麒麟ラガー

布施『ヒザキ酒店』大阪の立ち飲みの奥行きを知る。梅焼と麒麟ラガー

2022年1月8日

東大阪・布施駅前の老舗酒販店の角打ち・立ち飲み『ヒザキ酒店』は、初めてでも呑気に過ごせるいいお店。12時オープン、明るい時間からビアタン片手に、おでんの梅焼きはいかがですか。

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飲み屋街と言われるエリアから離れて

大阪で立ち飲みといえば、梅田の大阪駅前ビルの地階や京橋、新今宮などが有名ですし、いつも賑わっています。ですが、大阪の酒場の奥行きは、むしろJR大阪環状線から放射状に伸びるJRや私鉄沿線にあると最近考えるようになってきました。

ベッドタウンや古くからの商店街にも、大阪には素敵な酒場があるものです。そんな魅力に気づかせてくれた一軒が、布施の『ヒザキ酒店』です。

外観

鶴橋から近鉄線で2駅、布施駅下車。駅前ロータリーに面した一等地にあります。営業時間は正午から夜まで。昼間から大勢の常連さんで賑わう立ち飲みです。

店名に「酒店」とあるように、酒販店として70年以上前に創業しています。酒屋の店頭でお酒やおつまみを提供していたことが、次第に本格的な立ち飲み居酒屋に変化して今の姿になったそう。

現在も小売スペースはないものの、立派な酒販店です。訪問時も、ちょうどアサヒビールの営業さんが挨拶に来ていました。

内観

明るく開放的な雰囲気。店が角地にあるので、2面のガラス戸から日光が差込みます。慣れた手付きでガラガラと扉をあけて入ってくる”おっちゃん”と、馴染みの顔に笑顔で答える女将さんや大将。

小さなL字のカウンターのみの構造で10人も入ればいっぱいになります。お客さんもお店の皆さんもお互い顔が見えるので、会話はなくても空間を共有する一体感があり、私はこのムードがたまらなく好きです。

薄暗いガード下も楽しいですが、明るくの気楽な酒場は心が溶けていくような感覚があって格別です。「なににしましょ」と初めての人にもしっかり応対してくれますからご安心を。

“アテ”(大阪の立ち飲みなのでアテと表記)はネタケースに入ったお造りや、ケース上の煮物、揚げ物、サラダなどの惣菜類を、直接目で見て選びます。L字角前にはおでん鍋が鎮座。牛スジの旨味が染み出していて実に美味しそうです。

品書き

瓶ビールは大瓶:470円、銘柄はアサヒスーパードライキリンラガーから選べます。樽生はアサヒ、酎ハイは樽ハイ倶楽部か、宝焼酎ソーダ割り:290円です。

たい造り:410円、マグロ造り:410円、鯨造り: 450円、うなぎ:430円、タラ白子:410円、コロ:480円、湯豆腐:190円、かす汁:280円、ステーキ:570円、カニグラタン:350円、ニラ玉1個:150円など。

昼下がりのL字角で小休止

キリンラガー大瓶(470円)

暖簾越しでゆらいだ日差しにあたり、キラキラと光る麒麟独自のセラミックコーティング瓶。ビアタンを黄金色に満たして、では乾杯!

ネギ豚巻き

ネギを豚バラで巻いて茹で、ポン酢をかけたシンプルな料理。しみじみ美味しいです。

おでん・梅焼き

出汁がシミシミになって飴色に染まった梅焼きが浮かんでいたので、思わず注文。梅焼きは関西特有のおでん種で、卵とすり身でできています。ほんのり甘く、これがスジの脂や旨味をすっていると絶品です。この梅焼きはちょっぴり固めです。

サッポロワイン北極星・白

酒販店だけに、清酒は千福をはじめ様々和洋酒が揃っています。缶チューハイも用意しているのは角打ちの名残があります。そうした中から選んだのは、サッポロビールがつくるワイン「北極星」の白です。

ワイングラスもありますが、コップ酒スタイルのほうが雰囲気にあってて楽しめました。

首都圏よりも圧倒的に多い、関西の角打ちや立ち飲み。知れば知るほど好きになります。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名ヒザキ酒店
住所大阪府東大阪市長堂1-3-12
営業時間12:00~21:30(土祝は20:30まで・日定休)
開業年1950年頃