高知の人はお酒が大好き。一世帯あたりの飲酒費用は全国平均の2倍以上で、土佐人は日本一お酒を愛し消費しています。そんな土佐人の気質を感じられる場所が高知最大の繁華街と高知城に接する場所にある「ひろめ市場」。1998年開業の巨大な屋台村です。
土佐藩の家老であった深尾弘人蕃顕(ふかおひろめしげあき)の屋敷の跡地にできたことが名前の由来です。
68店舗のお店が入居しそのほとんどが飲食店ですが精肉、惣菜、酒販と小売も揃っていてちょっとした市民市場のような存在です。
開店は朝8時。日曜日はさらに1時間早まり7時に開きます。そして、開店と同時にお酒や惣菜、おつまみが各店舗から売り出され、太陽が昇りきる前から店内は巨大な飲酒空間となります。
入り口に大きく掲げられた日本4大酒類メーカーの幟が誇らしげ。キリンの「たっすいがは、いかん!」のキャッチフレーズは高知名物です。
平屋の建物の中は大小飲食店がずらりと並んでいますが飲食スペースは共有していてフードコート方式となっています。居酒屋だけでなくうどん屋、寿司屋、バル、中華、惣菜屋まであるので、ひろめ市場のフードコートならあらゆるものをおつまみにして飲めるのです。
地元の珍味やお酒を売る珍味堂が併設で販売するうどんも人気。施設のオープンと同時に珍味堂も営業を開始しますので頼れる一軒です。
ほかにも居酒屋がずらーっと営業中。お酒もおつまみもどこで買っても良いので、刺身はここ、ビールはあっち、天ぷらは向こうとまさにやりたい放題。
高知名物もここに来ればなんでも揃います。どろめ(しらす)、高知屋台餃子、クジラ土佐煮、うつぼのたたき、そして藁焼きかつお。似たお店が多くどこで買おうか悩むのも楽しいですが、お店選びは地元のご隠居さんたちの酒盛りチームにそれとなく聞くとよいかも!?
「なんでもござれ」なひろめ市場。いつもは一緒になれない銘柄もここではごちゃまぜに同居中。ビール、何を飲もうかな。
平日の昼間に取材中ですがテーブルは6割ほど埋まり、ほとんどのグループが酒盛りの真っ最中。飲んでいないグループは、かつお塩たたきを食べながら試験勉強をしている高校生くらい。都市部ではファーストフードやカフェチェーンでみかける試験勉強の光景も、高知ではかつおを食べながらなんですね。
本場のたたきをつまみにビール、最高です。
知らない人でもみんなで一緒に盛り上がるのが高知の酒盛り。私も一人で飲んでいたらすぐに地元のお父さん、お母さんたちのグループに声をかけられ、気づけばこの人達に会うために東京から来たみたいに。
高知では「おきゃく」という習慣があり、お客さんとは延々酒盛りして歓迎するのがしきたり。一期一会の人でもそれは一緒なんだよと皆さん。
「うつぼの唐揚げ美味しいからあのお店で買ってきてあげるよ。」と、ごちそうになってしまったおつまみ。なんだろう、飲酒があたりまえというか、もう飲んでみんなで盛り上がっちゃおうという雰囲気がすごい。
海のギャング・うつぼは高知名物で、怖い見た目とは裏腹に上品な白身。皮はゼラチン質で熱すると甘くなるので唐揚げにぴったり。
ウツボのお返しに司牡丹。うつぼに司牡丹、地元の人と乾杯すればもう気分は土佐人です。
毎日がおまつり騒ぎの巨大な大人のフードコート「ひろめ市場」。Syupoをご覧のお酒好きの皆さんには高知観光の目玉になると思います。
お昼からべろべろにならないようにお気をつけください。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ひろめ市場
088-822-5287
高知県高知市帯屋町2丁目3−1
8:00~23:00(日は7:00~23:00)
http://hirome.co.jp/