[キリンビール提供]
新宿の樽一といえば、こちらの記事でも紹介させていただきました通り、街を代表する老舗酒場のひとつ。1968年(昭和43年)創業で、現在は新宿区役所通り沿いで暖簾を掲げていますが、なんと2017年、二号店が新宿三丁目に登場。今回は、この樽一新宿三丁目店をご紹介いたします。
区役所通りの本店は宴会用の座敷も備える大箱店。私も宴会で利用させてもらっていますが、新店の新宿三丁目店はコンパクトなつくりで、しっぽり飲みたいときに最適。IDC大塚家具の斜向いにあり、駅からのアクセスもよく新宿に不慣れな人でも安心して紹介できる場所です。
席数は22。テーブル席が4卓とこじんまりとして落ち着く空間。厨房に向いたカウンター席ではお店の人と会話をしながらゆっくりとした時間が過ごせます。
宮城料理の店であり、東京で初めて浦霞を取り扱った「樽一」は、こちらの店舗も日本酒浦霞一筋。ビールはメインがクラフトと居酒屋としては大変めずらしいパターン。瓶ビールでナショナルビールもあります。
続いて料理を。日替わりのオススメは、刺身に生牡蠣、肴にぎばさやホヤと宮城の顔ぶれ。活け〆穴子の白焼きなど、質・内容のよいものが充実しています。
定番料理は手元メニューではなく壁の短冊から。こちらも郷土色いっぱいで飲みたくなる内容です。さすが新宿で半世紀続くだけあって、ノンベエの好みをよくわかっていらっしゃる。
クラフトビール「on the cloud」で乾杯。オンザクラウドはスプリングバレーブルワリーのスタンダードブランドで、大麦に加え小麦が原料に使われているのが特長。みずみずしく柔らか、それでいて華やかな味わい。
提供スタイルはいまキリンビールが展開を進めている、省スペースで4種類のビールを提供できるクラフトビール向けのタップマルシェから。最近みかける機会が増えましたね。
お通しは自家製の薩摩揚げ。中にはなんと贅沢にもぶつ切りのアワビが入っています。
宮城は今年も牡蠣のシーズンがやってまいりました。美味しい生牡蠣が食べられるお店、ここにあります。三陸直送のぷりぷりの海のたからもの。大ぶりでぴちぴち、一個450円です。
牛タンがはいった牛もつ煮(680円)。醤油味でも味は濃すぎず牛のコクが染み出しています。牛タンもつ煮込みは東京では珍しいのでお試しあれ。
さて、本店はくじら料理がメインですが、こちらはしっぽりと宮城ならではの酒の肴で飲むお店。笹かまぼことカニ味噌を両方用意して…
こうして頬張れば、美味しいに決まっています。ここにすかさず日本酒浦霞を。
松藻は東北出身の方にはおなじみの酒の肴。松の葉そっくりですが、これは海藻が乾いてきゅっと丸まっているもの。口に入れると溶け出して磯の香りがふわっと広がります。
ホヤ、笹かま、カニ味噌、そして樽一でしか飲めない限定の浦霞。宮城の酒場巡りも大好きですが、新宿でこんなひとときが過ごせるのだから素晴らしいです。
新宿三丁目店の醍醐味といえばなんといってもお店の人との距離の近さ。本店もスタッフや店長、ご主人が丁寧に接客して回られていますが、やはり大箱らしさは感じます。それに比べ、新宿三丁目店はまるで小料理屋のよう。メニューにない料理も食材があればつくってくれちゃう。ときにはラーメンだって作るのだそう。メニューにも「リクエストに答えます」と。クジラのガーリックステーキなど、板長の自信作は品書きより豊富です。
樽一の皆さんは実に丁寧な接客。年配の方と一緒に飲みに行ってもきっと満足してくれるに違いありません。騒がし過ぎない大衆酒場は新宿に貴重。梯子酒のレパートリーにぜひどうぞ。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ タイアップ/キリンビール株式会社)
樽一 新宿三丁目店
050-5594-4386
東京都新宿区新宿3-28-2 フクモトビル 4F
17:00~23:30(日は16:00~22:00・無休)
予算3,000円