【企画】<野毛たてのみ横丁>を全軒制覇!二軒目編
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その昔は港湾関係者や造船に携わる人々の癒やしの飲み屋街。再開発の進行と東急東横線桜木町駅廃止後の停滞時期を乗り越え、いま野毛はノンベエたちが集う特別な梯子特区としてのブランドすら出来上がっています。
野毛には老舗の酒場も多いですが、それと並行して勢いのある若手飲食店も誕生し、この街を拠点として店舗を増やしています。そうした新進気鋭の店舗が切磋琢磨される野毛は、強い居酒屋を生み出す土壌があるように思います。
今回ご紹介するのは野毛生まれの海鮮居酒屋「はなたれ」のバル業態。野毛小路に今年オープンの「たてのみ横丁」二階にオープンしたので、その様子を覗いてきました。「はなたれ」(運営はファーストドロップ)は最近は銀座東急プラザにも入るなど勢いのある海鮮居酒屋です。
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野毛たてのみ横丁は、ビル全体が横丁のような一体感をもった施設で、梯子酒を歓迎する野毛らしいスポット。一階のヤマヤ鮮魚店で飲んだあと、そのまま二階へと梯子しました。
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なにはともあれ、乾杯を!たてのみ横丁は、サッポロビールの野毛担当や横浜市中区担当と飲食店が共創している施設。チェーン店担当ではなく、街の隅々の飲み屋を足で回っているビールの営業マンが一緒にメニュー開発に悩んだりしているそうです。たてのみ横丁にはいる店舗のオーナー同士も仲がよく、みんなで美味しく楽しい飲み文化を創ろうという想いがしっかり感じられるので、本記事もそんな熱量を紹介したい。
携わった皆さんと美味しいサッポロ黒ラベル(490円以下税別)で乾杯!
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ドリンクメニューは、ボトル1,990円均一、グラスは490円、店で漬けているサングリアやカクテルも490円と価格設定がすっきりとしています。黒ラベルも大きいウィングジョッキなのでコストパフォーマンス視点でみても十分良さそうです。
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続いてフードメニュー。横浜発の飲食店会社だけあって、地のものが多いのが何と言っても特長的。毎日直接買い付けで佐島漁港にいって選んでいるものと、足りない分も横浜本場市場から入れています。仕入力は説明不要の価値ですね。
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カルパッチョは、お皿いっぱいに山盛りで790円とインパクト大。カルパッチョのボリュームで人気となった魚介系バルも各地にありますが、これは久しぶりに受けた衝撃です。鮮度もよく、ネタも金目を中心にケチらずドンと盛られています。
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アヒージョ(690円)も、この価格では収支が…と余計な心配をしてしまいそうな内容です。バケットをもらって、ちびちびとつまみにしながら、白ワインのボトルを傾けてぼーっとしたくなります。
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看板料理は地きんめ鯛を一匹まるまる使ったアクアパッツァです。ハリもよくぷくぷくに太っているきんめ鯛に期待がもてます。テーブルにコンロをセットし、飲みながら中央のアクアパッツァ鍋を囲んで飲む時間も楽しい。目安のタイマーがなったら出来上がり。
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肉厚のきんめ鯛はとにかくボリューム満点。味はやや軽めに入っていて、塩味ときんめ鯛の強い旨味と華やかな香り、ねっとりとした脂ののったコクだけで十分に美味しくいただけます。染み出した脂をたっぷり蓄えたスープも絶品で、シメにはパスタやリゾットで仕上げることも可能です。
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カウンターにずらりと並ぶ果実や野菜などを漬けたオリジナルスピリッツは、ソーダで割るなど様々な飲み方を選べます。甲類焼酎に生姜を入れたりする酎ハイがありますが、それに近いイメージ。バナナ漬けスピリッツなど気になりませんか。
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コーヒー漬けをソーダ割りでいただいてみました。コーヒー焼酎とはまた違ったすっきりした風味ながら、余韻はしっかりコーヒーの香ばしさが残り、暑い季節にぴったりです。
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うにプリン(600円)なんていう好きな人にはたまらない冷菜もあり、海鮮バルで飲みたいときには思い出したいお店です。
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オシャレだけどきれい過ぎず、さらっとした軽い感じの内装。予算2,000円~3,000円でこれだけインパクトのある海鮮料理が楽しめるのはこれまでの野毛になかったスタイルかもしれません。コッテコテの立ち飲みでおっちゃんに混ざって飲める筆者ですが、女友だちと飲むならばこっちを選びたいです。
ご興味あれば、ボリュームあるカルパッチョ目当てにぜひ。
さて、次は3階へ”縦飲み”梯子しましょう。まだ食べられる!(笑)
1軒目:桜木町・野毛「ヤマヤ鮮魚店」 海鮮の頼れる選択肢!三浦地魚山盛りです
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
魚とワイン はなたれ onikai
045-315-4508
神奈川県横浜市中区花咲町1-28-1 横濱コーヨー三十八番館2階
17:30~23:30(土日祝祝前16:30~・月火定休)
予算3,000円