赤羽「まるよし」 復活!名物はきゃべ玉と焼酎ハイボール、正統派コの字で乾杯

赤羽「まるよし」 復活!名物はきゃべ玉と焼酎ハイボール、正統派コの字で乾杯

2017年8月3日

古くから工場や鉄道、タクシー営業所に病院など、24時間稼働する職場が多い赤羽。明け番の人を吸い込むような朝から暖簾を掲げる老舗酒場が建ち並ぶ街。漫画やテレビでも梯子酒の街、朝酒・昼ベロの街として頻繁に登場し、酒場ファンを中心に多くの観光客で賑わいます。

そんな赤羽を代表する老舗酒場の一軒、駅前で1952年(昭和27年)創業の大衆まるよし酒場。今年にはいり改装のために約4ヶ月の休店期間があり、常連さんや酒場ファンたちが営業再開をまだかまだかと待ち望んでいましたが、この夏無事にリニューアルオープン。大衆酒場の雰囲気はそのままに、明るくきれいなファサードに赤提灯が灯りました。

まるよしといえばきゃべ玉。大将が生肉から焼き上げる、下ごしらえばっちり焼き具合抜群のもつ焼が名物ですが、「きゃべ玉」というあまり聞き慣れない料理が気になる人も多く、もつ焼と同じかそれ以上に人気の料理になりました。

酒場料理の基本が勢揃いする品書き。しめ鯖やまぐろといった刺身から、串かつ、レバーフライなどの揚げ物も充実しています。価格は140円からわかりやすく値段別に並んでいますので、予算を考えて飲みたいときにも安心です。もちろんお通しなしで、そもそも料理が安いので豪遊しなければ二千円もあれば十分に楽しめます。

さりげなく、カレールーなど、不思議なメニューも挟まっているので色々お試しを。

飲み物は瓶ビール大びんで600円、銘柄はサッポロ黒ラベルと赤星です。生ビールも状態の良い黒ラベルが提供されます。バカルディラムをベースにした赤羽モヒートやバリキングなど個性的なカクテルが揃います。酎ハイは360円からで、昔から通う人は色付きの焼酎ハイボール(酎ハイ)を選ぶことが多いです。

やや小ぶりながら、鮮度がよく、程よくジューシーな絶妙な焼き加減。さすがベテランの大将のモツは外れません。

瓶ビールで赤星をもらって、今日もお疲れ様でした。乾杯!

串は一本から注文可能。カウンターの寿司屋のように焼きあがった順に置いてくれます。レバ、タン、ハツ、ハラミと一通りあり、その中で筆者のおすすめは肉汁味わうハツ塩です。ちなみに、タレは甘めのみたらし風で、シロタレも合わせてオススメです。

赤星から色付きの焼酎ハイボールへ。色なしのプレーンな酎ハイはチュータンと呼び分けられていて好みは別れるところです。私は断然色のファン。酎ハイをつくったあとに、ペットボトルから謎の琥珀色のエキスをぽちょんと垂らして出来上がり。梅でもキャラメルでもない、幼いころに食べた液体系駄菓子を思い出すような。

もつ焼と並ぶ人気メニュー、「きゃべ玉」。小が210円、大が350円。注文すると引換券のような伝票を渡されるので、出来上がったら交換する流れ。なにせ、着席したのと同時に「ビールときゃべ玉!」といった具合でほぼ全員が頼みますので、阿吽の呼吸のベテランスタッフも大変なのです。でも、笑顔を絶やさずちゃきちゃき働かれている姿は、やっぱり個人酒場のコの字ならではの魅力です。

サラダ油でキャベツを炒め玉子で綴じただけ。味付けは塩胡椒なのですが、理屈のいらない美味しさがあります。家で真似できそうと誰もが思うも、決してこの味にはならないのです。かなりの強火で一気に炒めるのもポイントです。

小鉢料理はどれもお手頃価格。一通り揃っているので今日は何を食べようという目的がなくとも、ふらっと入れば安くて美味しく満足できるのがまるよしです。

平日の口開けからほろ酔いのお父さんたちが集まってきて、暖簾越しに差し込む光に照らされ、ゆったりとした平和な時間が流れます。

内装はぴかぴかになりましたが、コの字カウンターに変わりはなく昔のまま。カウンター壁側の通路部分が狭かった点や、やや狭かった小上がりは改善され、お客さんの使い勝手も改良されているのがうれしいです。

60年酒場のリニューアル、明るい話題です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

まるよし
03-3901-8859
東京都北区赤羽1-2-4
15:00~22:00(土は14:00~・日祝定休)
予算1,800円