仙川にすごい酒場がある。そんな話を以前から聞いていました。他にもいつかは行きたいと手帳にメモしたままの課題店は山程あるものの新宿の雑踏の中を歩いているときふと思いたち、そのまま京王線の準特急に乗り込みました。
最近は笹塚にも止まるんだ、しばらく乗車しないうちに京王線も変わりましたね。さて、千歳烏山で各駅停車に乗り換えてひと駅。本当に久しぶりになる仙川駅下車。この街には老舗のやきとり屋がありまして、そちらは何度か飲みに来ているのですが、今日目指すお店は初めてです。
商店街を歩いてすぐの場所、建物の隙間、裏路地の向こうに特有の気配を感じて曲がってみると、やはりありました。酒場独特の熱量のようなものを感じるのは職業柄でしょうか(笑)
いい感じの雰囲気ですね、ということで本日は「番兵」です。
ベッドタウンの酒場でありながら、なんと土日祝は13時から開いています。ですので、お伺いした15時過ぎには店内はほぼ埋まっていました。なかなかこういうお店は少ないです。
厨房側と壁側の両カウンターで15人ほどの立ち飲み空間。お客さんは常連さんが多いですが初めての人も全然だいじょうぶ。厨房と一体化したステンレスのカウンターって珍しいかも。どことなく大阪の立ち飲みの雰囲気がします。
みんなで詰めあって場所を作ってもらい、さぁ飲み始めましょう。ホッピー、酎ハイ、日本酒など一通り揃います。
一杯目はやっぱりビールでしょう。赤星の大びん(600円)をもらって、それでは乾杯です。ちなみに生ビールはスーパードライが入っています。
ビヤタンにいれてビールをくいっと一息で飲みきってもう一杯注いだところで、さてさて、何をつまみましょうか。
ドリンク類は立ち飲み屋としては一段上の価格設定ですが、その分料理がとにかくリーズナブルです。店内の黒板メニューの他、定番の串かつと大鍋で煮こまれた濃い色合いのおでんが用意されています。
こちらのお店で一番の贅沢品を注文しました。この日はキントキ鯛刺しがありましたので、悩むことなく注文。東京で見かけることは珍しい西日本でよく食べられる冬が旬の魚です。さほど大きくなくウロコも固く歩留まりが良くないので手間がかかる刺し身ですが、もちもちとした食感がくせになります。
そしてメインのやきとり・やきとんを。鶏もも(130円)、砂肝(120円)、かしら(160円)を注文。1本から注文可能です。それにしても大ぶりです。普通のやきとりの2倍は確実にあるジャンボサイズ。良かった、勢いで5本とか注文したら大変なことになりそう(笑)
丁寧に重ね焼してくれるやきとりはどれも美味。大きいので肉汁が中にとどまっていて噛むほどに口の中にジューシーな旨味が広がります。
こちらは塩でやいてもらった串。炭火で焼いているので表面はパリっとして中が柔らかい。店内に漂い炭火の香りもお酒を誘います。
瓶ビールからレモンサワー(360円)へシフト。ビールからレモンサワーにうつったということは…
そう、串かつの出番です。大阪でいつもそういう飲み方をしているからでしょうか、串かつにはレモンサワーが一番合うと思います。こちらも1本100円台でいろいろ揃います。ソースは浸すのではなく上からかけるタイプ。
やきとり同様、串かつもかなり大きい!これは人気店になるわけです。サクサクの衣に流れるようなさらっとしたソースをたっぷりかけていただきます。大きいだけでなくてしっかり美味しい。油がキレイですっきりした味です。
人気の串かつは次々と注文がはいっていきます。手際のよい店主のフライヤーさばきがカッコイイ。
明るい時間に飲みに来たの居心地がよくてすっかり暗くなってしまいました。早い時間から店内は満員状態になるので、こうしてお外で飲んでいるお客さんの姿も。
ボリュームたっぷりなのにしっかり美味しい。新宿から京王線で190円、飲みに来る価値あります。仙川にこんなすごいお店があったとは。こんな出会いがあるから飲み屋巡りはやめられません。久しぶりにこんなパワフルな酒場に出会いました。
お客さんの雰囲気もいいしお店の方も親切。早い時間から飲めるから、遠方の方も土日にお散歩がてらお昼酒にいらしてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
番兵
03-3309-9119
東京都調布市 仙川町3-1-4
13:00~24:00(平日は16:00~・日祝は23:00まで・木定休)
予算1,800円