大船「鞠屋」 街の主が集う憩いの場で揚げたてサクサクを

大船「鞠屋」 街の主が集う憩いの場で揚げたてサクサクを

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大船駅の東口はJRの駅前では珍しく駅前広場がありません。バスターミナルが少し離れた場所にあるのですが、それも駅ビルの隅にできているといった感じ。だからこそ、駅の階段を降りた目の前はすぐに昔懐かしい商店街であり、飲兵衛を惹きつける素敵な居酒屋も多いです。

老舗の食堂、新進気鋭のバル系立ち飲みなどがありますが、今日ご紹介したいのは、やや離れた場所にある路地裏の一軒です。店名は「鞠屋」(まりや)です。数坪の小さなお店で、L字カウンターだけの駅そばサイズの空間ですが、ここは毎夜通勤ラッシュのような賑わいがあります。

看板には立ちのみ蕎麦・うどんと書かれていますが、店の雰囲気は完全に立ち飲みオンリー。ずらりと並ぶ短冊メニューがありますが、料理は定番のものを除くとあったりなかったりといった感じ。

 

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それではまずは一杯目。甲類焼酎はキンミヤだよ、という女将さんの一声で問答無用でホッピーをチョイス。それでは乾杯です。

入店時は常連さんが3名。どうもどうも、といつものように挨拶をして、ごくごくとホッピーを飲み進めていきます。

 

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一品目を決めるためのスピードメニュー。すじ煮込みや焼き鳥、メンチカツなどが並びます。生ビールセット450円や、小ぼんdeセット340円など、お財布に影響なくさくっと注文したくなるセットメニューも魅力。常連さんはお通し感覚でとりあえずこれを頼むという人が多いです。

 

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これで340円は超オトクでしょう。肉じゃが的なものはさつまいもを使った甘辛煮。マグロの小鉢ときゅうりのお漬物がたっぷり盛られていていい感じ。

これはサク飲みというよりは本気で進めて行きたくなる雰囲気でしょう。ホッピーからアサヒスーパードライの生に切り替えて、快適な一杯を。生ビールを頼むときは、お客さん側にある冷蔵ケースから自分でジョッキをとって、お店の方に手渡すとそれに注いでくれるという独特なスタイル。瓶ビールも同様にショーケースで冷やされています。

 

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なにか焼き物を、と聞いたら、今日は丸干しがいいよと常連さん。お店の方はぶっきらぼうな接客…かとおもいきや、時間とともに距離感が短くなってくるので、気付いたらお店の方や常連さん含め、楽しくいい雰囲気になるはず。

丸干しは頭から食べられてほくほく美味。こりゃたまらんと、瓶ビールに切り替え。ビールは黒ラベル、ヱビス、そして嬉しい事に赤星も入っています。これはもちろん赤星を飲みませんと。

 

となりにあるハイボールは、おとなりの常連さんから、「酒豪がきた!」ということで、一杯ごちそうしてあげる、ということでいただきました。どうもどうも、賄賂をもらってお店の評判を書いているわけではないですよー(笑)

うちの店、いいでしょ!最高だよここの雰囲気は。常連さんが皆さん口をそろえてお店の宣伝トークを話されます。逆にお店のお姉さんはもくもくと料理を作るばかり。大衆立ち飲みの寡黙な店員さんってかっこいい。

 

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一番人気の自家製コロッケ。球体をしたもので、中はねっとりしっとり、外はカリカリです。

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お隣さんから、絶対食べるべきとおすそ分けいただいた串かつ。揚げ物のどれもが価格以上に価値あるものばかり。自家製コロッケやメンチは人気で遅い時間には売り切れてしまうこともあります。飲みに行った際にまだ残っていれば、絶対に頼む価値あり。

 

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常連さんのお一人が取材にご協力くださいました。もともと大船は松竹の撮影所がありましたが、ここのお店の常連さんはそんな映画関係のOBの方も多いのだそう。こちらの方も、時代劇でよく斬られていたのだそうです。いまもお元気そうでなによりです。

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小さな空間ですが、二重に折り重なるような形で満員電車のような混雑ぶり。誰ともゆく即していなくともここにくれば誰かがいる。そこで仲良くなったら二軒目に行くのもよし、ここで長く飲むのもよし。常連さんの笑い声を聞きながら、楽しい大船の夜は更けていきます。

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

鞠屋
0467-45-5300
神奈川県鎌倉市大船1-19-4 玉川センタービル1F
11:00~22:00(日~21:00・無休)
予算1,800円