川口『菜来軒』奄美出身の大将が開業し43年。生ビールも絶品!街中華

川口『菜来軒』奄美出身の大将が開業し43年。生ビールも絶品!街中華

2022年7月2日

16歳から中華の料理人となった奄美大島出身の大将が開いた、川口の『菜来軒』。家族経営で、ご近所さんたちに評判の店です。看板料理はエビチリや肉ナス炒めですが、樽生ビールへも強いこだわりがあり、ビールが美味しい中華としても知られています。

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川口駅前の樽生ビールが美味しい街中華

一日約8万人が利用するJR川口駅を中心に広がる川口の繁華街。明治時代から川口駅が開業していたこともあって、繁華街の歴史は古く、新旧様々な飲食店がびっしりと立ち並んでいます。個店の多さも特徴のひとつで、個性豊かな老舗が多いです。

そんな川口駅前で昔から親しまれてきた日式中華(街中華)といえば、『菜来軒』でしょう。創業は1979年(昭和54年)。店を始めた大将は奄美大島の出身で、中学校卒業から料理人の道へ進み、菜来軒を立ち上げました。

家族経営で、店で働く皆さんの雰囲気は、幼い頃にみていた街の中華屋さんの光景そのもの。そんなあったかい雰囲気を求め、長年通う常連さんだけでなく、最近は若い人の利用も多いです。

外観

店頭にはタンメンやラーメンなどの文字が多くありますが、ここはラーメン店ではなく日本式の大衆中華。おつまみメニューも多く、混雑時以外は酒場のような利用も可能です。

内観

店は創業当時の面影を色濃く残すコンパクトな二階建て。一階には4人テーブルが4卓のみ。二階はそれより広くテーブルが並んでいます。カウンターはありませんが、一人で利用する人も多いようです。混雑時は相席となります。

店のドアに描かれた絵柄に懐かしさを感じます。

品書き

お酒

樽生ビールサッポロ生ビール黒ラベル):600円、瓶ビールキリンラガーキリン一番搾りアサヒスーパードライサッポロ黒ラベル)大瓶:700円、アサヒスーパードライ(中瓶):600円。

チューハイ類は、レモンサワー:450円、ウーロンハイ:450円、ウイスキーハイボール:450円など。定番の紹興酒三国演義):550円~だけでなく、日本酒沢の鶴など):500円~、やワインコノスル)まで揃えた、ちょっとした酒場レベルの品揃えです。

生ビールはなんと回数券(6杯分3,300円。※1杯あたり50円引き)が用意されています。菜来軒は「飲める中華」なのです。

料理

品数豊富で、さらにキャッチフーズまでついた料理もある、見ていて楽しい品書き。常連さんの選ぶ「菜来軒総選挙結果」と題した写真つきのオススメ一覧も用意されており、悩んだらここから選ぶのが良さそうです。

第1位は、極うま肉ナス炒め:800円、第2位はぷりぷりっエビチリソース:950円、第3位は外せない青椒肉絲:800円。以下、タレが命!回鍋肉:800円、大人気!餃子:500円、帆立貝柱とチンゲン菜:950円、鶏の唐揚げ:900円、中華料理の定番!酢豚:900円、自家製ダレ 焼肉:750円となっています。

酒場使いもできる、老舗中華

サッポロ生ビール黒ラベル(600円)

菜来軒のビールにはこだわりと歴史があります。その説明の前に、まずは435型タンブラーに完璧な比率で注がれた黒ラベルで乾杯したいと思います。乾杯!

フロスティミスト(泡の下にできる霧状の粒)が泡とビールの境界を厚く漂い、マイルドな泡がビールを飲み切る最後まで残ります。

菜来軒の近くにサッポロビールの工場があった

(リボンシティ内に設置されたサッポロビール埼玉工場の記念マンホール。かつて工場敷地内に設置されていたもので、開拓使のシンボルである北極星が描かれています)

川口には荒川沿いの豊富な伏流水があり、なおかつ東京に近いことから、1923年、清涼飲料水の製造を目的とした「日本麦酒鉱泉東京工場」が建設されました。合併や分割、社名変更などを経て、サッポロビール埼玉工場として2003年まで稼働していたこの工場で製造されていたビールが、菜来軒で今も提供されているサッポロ生ビール黒ラベル(埼玉工場時代はサッポロ生ビール)です。

ビール工場勤務の皆さんも通ったという『菜来軒』は、昔から生ビールの美味しい店としても高く評価されていたそうです。いまでこそ、『パーフェクト黒ラベル』制度などが導入されていますが、菜来軒は昔から、樽生ビールの提供品質を磨き続けてきました。客席から見えるビールサーバーはいつ見てもピカピカです。

くらげの酢の物(950円)

菜来軒は、「チャーハンと生ビール」という簡単な利用から、前菜、主菜とあれこれつまむ本格的な酒場使いまで、幅広く対応してくれます。ひとつひとつの味付けがとてもよく、例えば、くらげの酢の物も肉厚で実に美味しいです。

餃子(500円)

定番の餃子。もちろん店の手作りです。油は控えめで薄めの皮はパリっとしていますが、餡はしっとりとしていてジューシー。

カリカリ春巻き(500円)

噛むとザクザクと音が響くような、からっと揚げられた春巻き。具はポピュラーな内容ですが、椎茸の風味が心地好いです。

肉ナス炒め(800円)

店の人気ナンバー1は、餃子や酢豚をこえて肉ナス炒め。お店の公式ブログには、「相場の2倍する高級な豚バラに片栗粉と卵をまとわせた、ひと手間かけた下ごしらえをしている」ことなとが美味しさの理由とあります。

キラキラとしているのに油っぽさはなく意外とあっさりとしています。ナスの甘さと豚の旨味のバランスも秀逸。普段なかなか主役にならない料理ですが、なるほど、確かに人気の理由がわかります。

紹興酒(500円)と赤ワイン(600円)

そんな美味しい料理を前にして、ビールだけでは終われませんね。紹興酒はポットにいれて提供されます。赤ワインも中華に合うものを選んでいるようで、相性ぴったり。

紹興酒10年ボトル(3,000円)

二階で数人で飲むときは、紹興酒のボトルを入れてしまうことも。ここの紹興酒はあまりみかけない銘柄で、とくに10年は深い旨味と複雑なコクがあります。

五目チャーハン(950円)

中華料理店で、おつまみになる麺・ご飯類といえば、五目焼きそばやチャーハンですね!

人気の五目チャーハンは海老とカニのむき身が入った、色合いとしてはおとなしいもの。ですが海老、カニの風味がよく引き出されていて、単調ではない美味しさがあります。

これでまたビールに戻るのもいいかもしれない…。ビールが飲みたくなるチャーハンなのです。

川口に用事があると、居酒屋で飲んだあとでもつい吸い込まれてしまう『菜来軒』。美味しいビールと料理の数々に、長年続いてきた理由がわかります。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名菜来軒川口店
住所埼玉県川口市栄町3丁目5-17
営業時間11:00~1500・17:30~23:30(月定休)
開業年1979年