関内『津和野』親子で守る町の良い酒場。お通しが一番搾り!?

関内『津和野』親子で守る町の良い酒場。お通しが一番搾り!?

2021年3月24日

関内で40年続く「津和野」。初代と二代目が店に立つ個人経営の大衆酒場です。料理やお酒は安く、やわらかい接客と美味しい料理の数々に、酒場好きならば一瞬でファンになるはずです。

関内駅から徒歩3分。横浜スタジアムからはわずか70mほどにある、不老町の大衆酒場「津和野」。

観光名所と飲食店が密集するエリアにある、アットホームないい店です。周囲の大手チェーン居酒屋にも負けず、連日、若い世代も含めて多くの常連さんで賑わいます。

山口県の地名「津和野」が店名ですが、実は徒歩1分の場所にあり同じく山口県の地名「」を名乗る焼鳥店の姉妹店です。ただ、ご主人は山口県の出身ではないそうです。萩も津和野もいい街ですが、ここ横浜の津和野も名店です。

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家族経営で親切接客

暖色系の照明に照らされた、民芸調を取り入れたつくりの店内。調理場に向いたカウンターに、テーブル席がずらりと並びます。笑顔が素敵な女将さんと息子さんが丁寧に迎えてくれました。

50席以上あり、なかなかの大箱です。店が大きく、さらに30年以上続く老舗よりの店となると、接客よりも店をまわすことに注力されがち。ですが、津和野は一人客、一見の若いカップル、ベテランのボトルキープをしているスーツ姿の男性まで、同じように親切に対応してくれています。横浜個人店接客ナンバー1とたたえたいくらい。

いらっしゃい!と、お通しと一緒に注文前にも関わらず、ビアタンひとつビールがでてきました。

津和野はなんと、お通しにビールが1杯ついてきます。しかも、この一口はサービス(無料)。お客さんが暖簾をくぐると同時に、生ビールサーバーから1杯分の一番搾りを注ぎいれ着席と同時に渡されます。

それでは乾杯!

樽生ビールの一番搾りに続いて、今度は注文をした瓶ビール。加熱処理した昔のキリン味「キリンクラシックラガー」で、改めて乾杯!

品書き

日本酒の充実ぶりは地酒ファンもうなるほど

ビールは樽生がキリン一番搾り(435mlジョッキ450円)、瓶ビール(大びん633ml・600円)は一番搾りキリンクラシックラガーか選べます。

酎ハイ類は400円から、馬ソーダこと「ホワイトホースハイボール」(550円)など、基本的にキリンの銘柄です。

日本酒は伏見の宝酒造「松竹梅」(2合500円)をベースに、2合単位で各種地酒が揃います。店名と同じ津和野の町でつくる「華泉酒造・津和野盛」(1,200円)なども。

料理はホワイトボードをまずチェック

カウンターに掲げられた本日のおすすめ。売り切れもあり書き換わります。

定番は「おまかせ刺身」(700円)。これはほとんどのテーブルで注文されています。ほかにはぶり照り焼(480円)、あん肝ポン酢(550円)、葱鮪串(1本200円)など。

小鉢は300円台から。一人飲みにも嬉しい値段設定です。

魚から焼き物、炒めもの、一通り揃います。500円を越える料理がほとんどありません。自家製さつま揚げ(300円)や焼鳥盛り合わせ(5本650円)、なすギョーザ揚げ(450円)などが人気の様子。

料理に悩んでいたら女将さんや大将が「今日はこんなのもあるよ」と提案してくれることも。

手元のメニューだけでなく、カウンターに掲げられている短冊も確認しないと、あっちにも食べたいのがあった!となってしまいます。

手造りにこだわった料理

おまかせ刺身(700円)

真鯛、まぐろ、ホタテ、生甘海老という内容。なかなか立派です。

なすの揚出し(450円)

注文を受けてからひとつずつ丁寧に。盛り付けもしっかりしています。

シーフードグラタン(600円)

刺身や天ぷらなど、大衆割烹のような品書きの中に突如でてくるシーフードグラタン。600円と、津和野の中ではちょっと高級なのですが、自家製で具だくさん、これがなかなかお酒を進ませてくれる逸品です。

注文を受けてからオーブンにはいるので時間が必要です。注文はお早めに。

とろっとしたチーズは不思議と辛口のお燗酒とも相性がいいものです。

自家製さつま揚げ(300円)

300円なのに、お皿いっぱいになるほどの大きさです。玉ねぎなどの野菜が多く、シャキシャキとした食感も楽しい一品。

みょうがの金平(450円)

大将から「珍しいおつまみだからいかがですか?」と提案されたミョウガのきんぴら。甘さとコク、出汁の味がみょうがの青味とよくあいます。

お酒もお猪口1杯サービス

日本酒を注文すると、徳利にはいったお酒とは別に、お猪口にお酒がすでに注がれて運ばれてきます。「これはサービスです」と、金箔いりの松竹梅が登場です。

縁起ものの一杯、ありがたく頂きます。

玉の光(2合950円)

ほとんどのお酒が2合徳利で供されます。京都・伏見で300年以上つづく酒蔵・玉乃光酒造の玉乃光。玉乃光は純米吟醸蔵で、このお酒も磨かれた純米酒。きゅっとひとくち飲めば、上品な旨味が広がります。

緊張しないで癒やされに行こう

アットホームで丁寧で、だれにでもサービス満点の店「津和野」。カウンター席で一人飲みはもちろん楽しいですし、若い人同士で飲みに行ってもきっと丁寧に接してくれると思います。

大人の癒やしは大衆酒場にあり。関内で飲む際は一度訪ねてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名津和野
住所神奈川県横浜市中区不老町1-6-12 第五萩生田ビル 1F
営業時間営業時間
月~金 16:30~23:30(L.O.22:45) 土 16:30~22:30(L.O.21:45)
定休日
日曜・祝日
開業年1983年