都心からJR総武線でおよそ15分。住宅地と商店街が混在する新小岩は、酒場が点在する“飲み屋のある日常”が残る場所です。その中でひときわ存在感を放っているのが、魚三酒場 新小岩店。門前仲町・森下と並ぶ、言わずと知れた魚三グループの一角です。
開店と同時に、席はすぐ満席

夕方4時の開店とともに、カウンターがどんどん埋まっていきます。

店内にはコの字とV字の2つのカウンター。

カウンター席からの景色は、まるで舞台をみているよう。お姉さんたちの華麗な接客が繰り広げられます。客層は地元の常連を中心に、一見さんもちらほら。門前仲町の本店よりややメニューは少なめとはいえ、十分すぎるほどの魚料理が並びます。

まずはアサヒスーパードライを。これが魚三の合図のようなもの。瓶ビールを傾けながら、今日の短冊とケースを眺めつつ品定め──そんな時間もまた楽しいのです。
しめ鯖、白子、そしてイカ刺し

全国的にも珍しいアサヒ熟撰の瓶ビールがあることも魚三の特長。そもそもリーズナブルな酒場ですから、プレミアムビールの熟撰だって、中瓶で650円と嬉しい価格です。

看板メニューのひとつは、しっかり締められた「しめ鯖」。肉厚で艶やか、ほどよい酸味と脂のバランスが絶妙で、これを目当てに訪れる常連も少なくありません。

私のおすすめは「イカ刺し」。とにかく鮮度が良く、透明感のある身の甘さが際立ちます。

日本酒はコップにたっぷり注がれて一杯210円。五合徳利も選べて、こちらは“なみなみ”が名物。お酒を頼むと、自ずと魚が進みます。

そして冬には「鱈白子ポン酢」が登場。とろりととろける白子は、しっかりとしたポン酢で引き締められ、ひと口で幸せになれる一皿。

ぶり照り焼きやメロかま焼きといった焼き魚も見逃せません。刺し身に目が行きがちですが、焼きの仕事も確か。箸を入れるとほろっとほどける焼き魚に、思わず日本酒をもう一杯。
全席禁煙、支払いは現金のみ、予約不可。けれど、だからこそ酒と魚だけを楽しむ“潔さ”がここにはあります。常連客の間に時折交じる一見さんにも、シンプルな接客。でもその奥には、魚三ならではの温かみを感じるはずです。
現金を用意し、早い時間にふらりと訪れるのがおすすめです。
店舗詳細
店名 | 魚三酒場 新小岩店 |
住所 | 東京都葛飾区新小岩2-10-7 |
営業時間 | 月・火・水・木・金・土 16:00 – 20:00 L.O. 19:30 日 定休日 |
創業 | 1950年代 |