溝の口で中華飲みといえば、駅徒歩1分の『南甫園』は外せない存在。この道半世紀のチャーミングな女将さんが迎えてくれる大衆中華(町中華)です。古くから続く中華料理店に多い、錦糸卵を使った炒飯など貴重な料理をつまみにお酒が楽しめます。
ヤミ市由来のエリアに接する個人経営の大衆中華
酒場好きにとって溝の口(武蔵溝ノ口)は特別な街。その理由は、駅の北側、JR南武線に沿って広がる溝の口西口商店街があるからです。戦後の混乱期に出来たヤミ市由来の雑多な飲み屋街で、立ち飲み酒場などがびっしりと立ち並んでいます。南武線の振動を感じて飲めば、まるで昭和にタイムスリップしたような気分。
今回ご紹介する『南甫園』も同じブロックにあります。
赤い合板のテーブルがいい味をだしています。家族連れ、仕事帰りの会社員、インフラ関係者など、老若男女幅広いお客さんが入れ代わり立ち代わりで利用していきます。夜はお酒を楽しむ人多数。
音量控えめのテレビと中華鍋のカラコロ音がBGM。時折店の前を通る電車の音聞こえてきます。一人でもグループでも、お酒を飲むなら、こういう店が良いんですよね。
品書き
- キリンラガービール大瓶:660円
- お酒:500円
- ギョーザ:500円
- カニタマ:940円
- 豚肉のから揚げ:940円
- かつ丼:610円
- カツカレー:720円
- 五目チャーハン:720円
- ワンタン:500円
- カタ焼ソバ:770円
- ニラレバ定食・もつ煮込み定食・とん汁定食など:660円~ 定食は単品も可能
立地ではなく、味で続いてきたことがわかる料理
なにはともあれビールから。昔ながらの中華屋さんにしっくりフィットする赤いキリンラガービール大瓶が嬉しいですね!
それでは乾杯。
「うちの餃子は皮から手作りで美味しいよ」と話す女将さん。一般的な餃子とは異なり、三ヶ月状の片面を焼いているようで、焼き目はパリパリ、それ以外は蒸されてプニプニとした仕上がりに。厚めの皮は、やや本場の餃子に近い印象です。肉汁たっぷり。
さて、『南甫園』といえば610円で注文できるかつ丼を注文される方が多いようです。お酒を飲むので「ごはんもの」は後にしたい私は、かつ丼のアタマこと「かつ綴じ」でお願いしました。ワンコインほどでこのボリューム!
あわせるお酒は、日本酒を。コップ酒で登場!
チャーハンはこの通り、昔ながらの醤油ベースの焼き飯風。戦前から続くような老舗に多い、錦糸卵をのせたちらし寿司のようなスタイルです。カニ身がのっているのに、これで720円。それは人気になりますって。
美味しい結晶が輝くぬか漬けは、もちろん自家製。
溝の口は立ち飲み店が多く、まずはどこかで軽く一杯飲んで、二軒目に南甫園でしっかりお腹を満たすというような使い方も良さそうです。日曜日も営業しているも嬉しいですね!
ごちそうさま。
店名 | 南甫園(なんぽえん) |
住所 | 神奈川県川崎市高津区溝口2-7-3 |
営業時間 | 月・水・木・金・土・日 11:00 – 15:00 17:00 – 21:00 L.O. 20:45 定休日火曜日 |
創業 | 1970年頃 |