宮城県白石市の中心街にある『芝その軒』は昭和30年代に創業し、宮城県白石市ではじめてタンメンを提供したと言われる町中華です。地元では知らない人はいないくらいの人気店。日中がメインの営業ですがお酒や点心も充実しているため、お昼からしっかり”中華飲み”が楽しめます。
城下町、旅情に浸った先にあるごちそう
仙台から南に約50km。今日は蔵王の麓にある宮城県白石市にやってきました。片倉氏の城下町として白石城を中心に栄えてきた白石は、現在、人口約3万人のコンパクトな街です。
市役所や白石城などがある街の中心には、JR東北本線の白石駅があり、ここが旅行者にとっての玄関口です。やや離れたところには東北新幹線の白石蔵王駅があるものの、仙台からなら在来線で十分だと思います。
白石には「うーめん」(白石温麺)というそうめんのような郷土料理がありますが、私の目的はあくまでお酒とおつまみです。この街には、連日満席になる圧倒的人気を誇る老舗の町中華がありまして、そこの名物である「五目あんかけ焼きそば」を目指してやってきました。
江戸時代初期の頃から大きく変わっていないという中心街の道。けして栄えているとは言えませんが、江戸時代の旅人もこの景色を眺めながら仙台の街を目指して旅をしていたのかなと思うと、なんだか旅情が湧いてきます。
外観
蔵王の雪解け水が流れる清水小路を歩いて10分ほど。芝その軒がみえてきました。
開店からまだ10分。平日の正午前だというのに、すでに行列ができています。お店の前に並ぶのではなく、店内に待機用の椅子が用意されているのは雪国だからでしょう。
スーツ姿の二人組、作業着姿の鉄道マン、子供連れの2世代家族、お銚子を傾けるご隠居さんなどお客さんは様々です。お店を切り盛りされている大将はとても明るく、お人柄がお店の雰囲気を作り出していることがよくわかります。
外観からわかるように、店は広くてったりしています。二階は貸し切りで利用できるようですが、お昼どきは一階のテーブルと小上がりのみを開けていました。
品書き
お酒
- 生ビール アサヒスーパードライ:中650円・大850円・ピッチャー1,800円
- 瓶ビール アサヒスーパードライ・キリン一番搾り:各750円
- 冷酒:850円
- 酒:500円
- 老酒:650円~
- ハイボール:650円
料理
- 餃子:450円
- 春巻:550円
- シュウマイ:550円
- 麻婆豆腐:1,100円
- エビそば:1,000円
- 炒め焼きそば:800円
- カツ丼:1,000円
- 名物・タンメン:900円
- 名物・あんかけ焼きそば:1,000円
- チャーハン:800円
一度食べたら忘れられない五目焼きそば
キリン一番搾り中瓶(750円)
さあ、はじめましょう!ビールはアサヒスーパードライとキリン一番搾りを置いています。今回は操業100周年を迎えたキリンビール仙台工場で醸造したキリン一番搾りをチョイス。それでは乾杯!
目的の五目焼きそばを注文し、「お待ちくださいね」と出してもらった柿の種をつまみつつ、ビールをちびちびと。
あんかけ焼きそば(1,000円)
待つこと15分。品書きの写真や事前情報から得られる期待を遥かに上回る、豪華なあんかけ焼きそばの登場です。
大将が打つという自家製の熟成太麺を茹でてから油通しをして、その上にたっぷりの五目餡をかけて出来上がり。ふわっと広がる香りは、それだけでビールが進みます。これは食べ始める前に、2本目をもらわなくては。
エビ、イカ、うずらの卵、ホタテ、そして衣を纏いそれが餡をすっているトロトロの豚バラ肉。肉厚の木耳の食感もたまりません。
具材がこれだけ入った五目あんかけ焼きそばは、メインの麺類というより贅沢な酒の肴です。
地域性もあって自動車で食べに来ている人が多いようですが、お酒を飲まずにこんな素晴らしい五目あんかけ焼きそばを食べるのは実にもったいない。
カリカリともちもちが共存する油通しした麺。旨味たっぷりの餡を纏っているので、麺だけでもビールがススム・ススム。
ごちそうさま
記憶に残る五目あんかけ焼きそばのひとつでした。平日でも満席になるのも頷けます。営業時間はちょっと早めの11時から、夜19時まで。ランチタイム以降は念のため営業時間を確認されることをおすすめします。
次回の仙台出張の際はまっすぐ新幹線で仙台入りせず、東北本線の鈍行でゴトゴト汽車旅を楽しみながら、白石で途中下車して五目あんかけ焼きそばを食べるというプランも良さそうです。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 芝その軒 |
住所 | 宮城県白石市字清水小路25-3 |
営業時間 | 営業時間 11:00~15:30 17:00~19:00 ※スープがなくなり次第終了のため、閉店時間が早まる可能性あり。 日曜営業 定休日 木曜 |
創業 | 1960年頃創業 |