沼津駅前の『魚屋 飛鳥』は、地魚を揃えた鮮魚店兼魚食堂。ビールや地酒もあるので昼飲みにも使えます。おすすめは1尾200円で調理してくれる丸魚を使った即席おつまみ。刺身だけでなく焼き魚なども対応してくれます。
港まで行く時間はないけれど、沼津で魚が食べたいときに
外観
日本有数の水揚げ量を誇る漁港「沼津港」を擁する沼津市。東京から静岡方面へ向かう際、沼津近くで昼食の時間がとれたなら、やはり地魚が食べたくなるものです。
今回ご紹介するお店は、沼津駅前にあるお店なので、沼津港まで向かうほどは時間に余裕がないという方に最適。静岡県ではときどき見かける食堂を併設した魚屋さんです。
店名は『魚屋飛鳥』。パッと見たところは魚屋さんですが、入り口に目立たず「めし処」の文字がありました。こちらを教えてくださったのは、沼津市本字宮町にある創業90余年の酒販店「大川酒店」です。角打ちでのんびり飲んでいたらランチタイムを逃してしまい、「魚屋飛鳥」なら通し営業しているはずということでやってきました。地元の酒類関係者に聞く昼飲み情報は、間違いありません。
魚売り場
では、さっそく店内へ。
はいってすぐは魚の小売コーナーです。都心の魚屋さんのような刺身や切り身を並べたような売り場ではなく、丸魚がずらりと並んでいます。しかも、そのほとんどが「沼津」の文字。今朝水揚げした魚ばかりだそう。ハリ、ツヤがよく、どれもプリッとしています。
- 地鯵:350円
- 伊佐幾:390円
- カイワリ:200~250円
- 花鯛:450円~550円
- 間八:600円
- でんでん(ナガオオメハタ):390円
- イナダ:300円
- ゴマ鯖:480円
- 太刀魚:1,100円
金目鯛もあります。なかなか立派なサイズで、1尾1,800円。
店の奥は食堂です。といっても2人用テーブル5卓のコンパクトな作りで、魚屋のイートインといったところ。ですが、奥まっていても日差しが差し込むこともあって窮屈な印象はなく、飲み始めると自然と「秘密の店」感があって落ち着きます。
メニュー
- 樽生ビール(キリンラガー):680円
- ハイボール:550円
- 冷酒:980円より
- 燗酒:600円
- 焼酎:600円
- 店頭の魚加工代:200円
- 日替定食:900円
- 刺身定食:1,100円
- 海鮮丼:1,100円
ノンベエは調理代払って地魚をつまむべし
キリンラガービール(680円)
営業時間は10時かに17時と極めて健全な魚屋さんタイムなのですが、生ビールも設置されています。それだけ昼飲み利用者が多いということですね。
一杯目は、悩まずビールでスタート。大樽のキリンラガービールをもらって、乾杯!
気になる魚を選んで調理、刺身と塩焼き
一人飲みのお昼には1尾1,800円の金目鯛は贅沢すぎるので、今回は太刀魚を選んでみました。魚の大きさに関係なく1尾200円で調理してくれます。大きいから半分刺身、半分塩焼きにしましょうか?とお店の方。優しい!
じんどういか(ヒイカ)やでんでん(ナガオオメハタ)、カイワリなど珍しい魚が多いので、ほかにもお願いして刺身盛り合わせにしてもらおうと思います。
太刀魚の塩焼きが運ばれてきました。小さめサイズとはいえ、一人で太刀魚1本はお大臣気分です(笑)
脂が適度にのっていて、ジューシーなのに味は濃厚。脂が多い魚は、日本酒はもちろん、案外、日本の大手ラガービールとも相性いいものです。
太刀魚の残り半分はお刺身です。カワハギと”じんどういか”もつけてもらい、即席、沼津地魚盛りの完成です。
美味しいイカが食べたければ、函館や呼子、山陰へ…というイメージが強いですが、いやいや、沼津の魚屋さんがつくる、とれたてのイカ刺しも負けていません。コリッコリ食感と、優しい甘さがお酒を誘います。
小さくてもしっかり肝を蓄えていたカワハギは、肝醤油でいただきます。太刀魚は薄造りで。どちらも淡白な魚ですが、モチモチとしており噛むほどに旨味が広がります。
ごちそうさま
板前さんがいる居酒屋で食べる刺身のような繊細さはありませんが、むしろこの無骨さが港町の魚屋さんで食べている感じがあって楽しいです。「鮮度」という最高のごちそうを楽しませていただきました。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 飛鳥 |
住所 | 静岡県沼津市大手町5-2-18 フェニックスビル 1F |
営業時間 | 営業時間 10:00~17:00 日曜営業 定休日 火曜日 |