地下鉄日比谷線の「神谷町」といえば、ホテルオークラの最寄り駅で、テレビ東京本社や各国大使館もあるまさしく東京の中心部。
こんな立地に肩肘張らずに飲める空間なんてあるのかと思うでしょう?
いやー、これがあるんですねー。しかも角打ちが。
いえ、都心部の角打ちはじつは珍しくないんです。逆に都心のほうがサラリーマンが立ち寄るから元気なお店が多いとも言えます。都心の角打ちといえば皇居まで100mの位置にある半蔵門の「相模屋平助酒店」や、京橋の「枡久」など、知らない人からしたら「へぇー、こんなところに!?」と驚くような場所で”酒屋飲み”が行われています。
ここ三河屋は、それらのお店同様、まるでここだけデベロッパーが塗り絵をし忘れたかのように昭和が活き活きと残っています。
店内は界隈のお父さんたちでほぼ満席。
しかも、皆さん身なりがいい。都心部の角打ちの特長として、とにかく客層が立派なのです。
まるで、「お昼(仕事)の立場なんて関係ない、夜は俺達みな酒飲み仲間」と語っているかのようなムードがあります。
さて、それではまずは一杯目。生ビールはアサヒ(350円)、ホッピー(450円)、酎ハイ類(300円)と並びます。まぁ、ここは無難にお茶割りで行きましょうか。
はい、乾杯。
日本酒や焼酎もありますので、濃いお酒じゃないと酔わない方はそちらをどうぞ。
おつまみ200円~300円で、簡単な調理のものが並んでいます。
そう、ここまでみてお気づきかと思いますが、店名も外観も酒屋さんなのですが、イスがありますし、メニューもいろいろ、もう完全に居酒屋と化しているんです。
唯一、酒屋と感じさらるのは壁にほんの少しだけ並べられたお酒やみりんといった商品たち。店内でこれらを飲むことはできませんので、システム的にも完全に居酒屋になっています。もともと角打ちと酒場の境界線は曖昧ですから、こういうお店もまた”あり”でしょ。
なんとなく、海の家で飲んでいるような、そんな気分になってきます。
おつまみは、たこ焼きと玉子焼きを。
ふっからほくほく、焼きたては美味しいです。ソースやケチャップのジャンキーな味がまたたまりません。
都心部の酒屋さんは、こうしてスタイルを変えつも、長く続いていって欲しいです。
ご主人と奥さん、そして高校生の息子さんがお手伝いで働いている姿が、なんともアットホームで癒されます。
オヤジの手伝いをしたい、そう背中で語っているような息子さんが印象的でした。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ)
三河屋酒店
03-3431-4440
東京都港区虎ノ門5-8-9
17:30~23:30(土日祝定休)
予算1,300円