青砥『鳥新』祝、創業60年！名物、大ぶり炭火焼鳥には色付きの焼酎ハイボールが合う

葛飾区青砥の『鳥新』は、この界隈では有名な焼鳥と鰻が名物の串焼き酒場。創業は1963年。16時の開店に合わせ次々お客さんがやってきて、17時には満卓になることもある人気店です。

炭火を巧みに操る大将が焼き上げる、大きな焼鳥が絶品！

もつ焼き店多きこのエリアで、主役は鶏の焼鳥

やきとりと平仮名で書くと「豚もつ」。焼鳥と漢字で書けば「鶏肉」。豚も鶏も串で焼けば「焼鳥（やきとり）」ですが、ぼんやりではあるものの、都内では老舗を中心に漢字と平仮名で使い分けてきた傾向があります。

今回ご紹介する『鳥新』は、もつ焼きが主役の立石・青砥エリアで、珍しい焼鳥と鰻を看板に掲げてきた、ちょっと贅沢な酒場です。鰻と焼鳥という組み合わせは、渋谷駅前の老舗焼鳥店や都内の大衆鰻料理店ではよく見られます。どちらも串打ちし、甘いタレで仕上げるという共通点があります。

『鳥新』は贅沢といっても、それはもつ焼きと比較してのことです。2,000円台でしっかり楽しめる良心価格の酒場として、青砥駅周辺で移転を繰り返しつつも、いまも変わらず親しまれています。

現在の店舗は5年前に移転したもの。店内は明るく清潔です。テーブル数卓とカウンター席という配置。カウンターの向こう側では、ベテラン大将が煙に包まれながら黙々と串焼きを焼いています。

無事、テーブル席に滑り込みましたが、開店早々カウンターは埋まっていました。ほっと一安心。店内に漂う炭火の香りが食欲、そして飲みたい欲をかきたてます。

なにはともあれ、最初はビールから。

樽生ビールは黒ラベルではなくあえて「ヱビスビール」というのが、ちょっぴり贅沢な鶏と鰻の店らしいですね。今回は瓶ビールのサッポロラガービール（赤星）で乾杯します！

看板料理の串焼きに加え、牛もつの煮込みや鳥皮ポンズ和えなども名物。美味しさだけでなく、値段と比べボリュームが多いことも人気の理由でしょう。サイドメニューはどれも食べごたえたっぷり。たとえ、もろきゅうであっても！

ビールで喉を潤したところで、さぁ、目的のお酒をいただきましょう。下町・城東エリアで飲む楽しみのひとつである色付き・風味の焼酎ハイボールです。

『鳥新』の”ボール”は氷とカットレモン入り。ドライな味は、甘いタレの焼鳥と相性抜群です。

待っていました！鰻用のボッカ串を使った鳥新の巨大焼鳥の登場です。1本150円とは思えない大きさ、食べごたえです。ハリのあるモチモチとした正肉、フワフワに焼いた鶏皮、みんな大好き鶏つくね。

定番の5本セットでは、鶏3本、豚2本がでてきます。それにしても大きい。そしてジューシー！普通のもつ焼きならば十分収まるお皿から、この通りはみ出しています。今日はお肉を心ゆくまで頬張りたい！そんなときにぴったりな酒場です。

カウンターでの一人飲みも居心地がよいですし、お酒好きの友人たちと飲み会を開くのにもちょうどいい雰囲気です。レトロ感たっぷりのコテコテではなく、程よくほうっておいてくれる距離感で、使い勝手は抜群。二階は掘りごたつ式の座敷になっているので、ゆったり過ごせます。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）