江戸川区 平井駅からすぐの場所に、新たな角打ち営業する酒販店がオープンしました。店名は『薫酒や いこう商店』。全国のこだわりの地酒を集めた店で、角打ちはグラス1杯300円から利用できます。お店のスタッフさんは、なんと蔵元の息子さんでした。
目次
昼飲みできる便利な角打ちニュースポット
外観
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お酒屋さん(酒販店)の一画でお酒を飲むことを角打ちと言います。もとは九州北部の方言で、江戸・東京では古くは「もっきり」と呼ばれていました。江戸時代からある風習ですが、近年は規制緩和により苦戦している酒販店の活路としても注目され、そもそもお酒を飲むシーンの多様化もあって、角打ち営業店舗数は増加傾向にあります。
角打ちの良いところは、なによりお酒のバラエティーの豊富さです。なんたって酒販店ですから、品揃えは居酒屋以上です。つぎに、値段。有料の試飲コーナーとしての位置づけでもあり、抜栓料はあっても比較的手頃な価格で利用できます。
内観
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2022年、江戸川区の平井にも新たな角打ちが誕生しました。『薫酒や いこう商店』という店で、母体は神保町の焼き鳥店「とり瑛」。オーナーさんの話によれば、酒屋をやることが夢だったといいます。酒販免許を取得し、念願の店を開いたそうです。
オーナーさんと一緒に酒販店で働くスタッフさんは、「北の錦」や「まる田」の蔵元・小林酒造(北海道夕張郡栗山町)の息子さん。蔵元のご家族ですから、お酒の知識は相当なものです。
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入ってすぐの商品棚はこだわりの地酒が並んでいます。ほとんどが日本酒ですが、わずかながらクラフトビールも置いています。
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広く浅くではなく、しっかりとこだわりをもって揃えたラインナップ。一本義(奥越前)や千代むすび(境港)などがありますね。もちろん「まる田」も。
品書き
- クラフトビールボトル:450円~
- 日本酒グラス:300円~550円
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- 珍味5種盛り:500円
- 夏野菜冷やしおでん盛り合わせ:450円
- 北海道栗山町ホワイトアスパラ焼き:450円
- 熟成インカ芋のポテトサラダ:380円
- 秋田いぶりがっこ:400円
- チーズとナッツの燻製オイル漬け:400円
- トマトサラダ コーンドレッシングで:400円
明るい店内で楽しむ美味しい酒と肴
九十九里オーシャンビール 寒菊銘醸(450円)
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樽生ビールや大手ビールメーカーの銘柄はありませんが、国産の日本酒蔵が手掛けるクラフトビールがあって、これがなかなかおもしろいです。寒菊の蔵元がつくる九十九里オーシャンビールで乾杯!
ペールエールの爽やかだけどしっかりとした味は夏の海のイージにぴったり。
日本酒各種
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日本酒は一杯300円から。ワイングラスに半分ほど注いでくれる量ですが、いろいろ飲み比べるのには液量、価格ともにちょうどよいと思います。飲みたいお酒のニュアンスを伝えるだけで選んでくれるので、普段選ばないタイプとの出会いが楽しめます。
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スタッフさんの実家の日本酒もいただきましょう。特別純米酒は、フレッシュさがあり余韻は辛口、きれいな味わいです。おつまみなしでもスイスイ飲めます。
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仁井田本家の「にしだしぜんしゅ」もありました。このとろっとしたマイルドな甘さがたまりません。
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お店のイチオシのようで、ずらりと小売スペースに並んでいた妙高酒造の純米吟醸農林壱号が気になったので、スタッフさんに相談したところ、これも有料試飲が可能とのこと。さっそく注いでいただきました。
淡麗辛口の食中酒。これは一本買って帰らなきゃ!
北海道栗山町ホワイトアスパラ焼き(450円)
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角打ちですが小さなキッチンもあって、ちょっとした酒の肴を提供してくれます。内容は日々かわりますが、お酒の産地と合わせたくなるような料理ばかり。
夕張メロンの漬物(380円)
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夕張メロンの漬物なんて珍しい!これは「まる田」とあわせて、より美味しくなりました。
金沢の珍味 ふぐの子(500円)
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塩辛いけど、箸が止まらない旨味たっぷりの逸品。ふぐの旨さが凝縮した幻の珍味です。
ごちそうさま
11時から22時まで通しで営業しており、夜はもちろん日中も角打ちが楽しめます。平日の14時頃に訪ねましたが、お酒を買いに来るお客さんたちに混ざって、意外と角打ち利用の常連さんが多いのが印象的でした。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 薫酒や いこう商店 |
住所 | 東京都江戸川区平井5-16-2 |
営業時間 | 営業時間 11:00~22:00 日曜営業 定休日 年中無休 |
開業時期 | 2022年2月22日 |