モツが美味しい。もつ焼き屋ならば当然ですが、本所の『わかば』は桁違いです。40年近く続く家族経営の店で、下町情緒たっぷり。串焼きはもちろん、もつ刺しも絶品。オススメは珍しいシロ刺しで、甘酢醤油でいただきます。
目次
緑提灯が目印。パリッとしたイイ酒場
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本所吾妻橋駅から三ツ目通りの一本脇を南へ徒歩5分。住宅街の中に『もつ焼き わかば』はあります。
店を紹介する宝酒造の情報によれば、店主ご夫妻はメッキ工場を営んでいたそうです。町工場からもつ焼き店へ転換し、それから40年。いまは二代目が店に立ち、筆者が飲んでいたときは将来の三代目の姿もありました。
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駅から離れているものの、口開けから常連さんがどっと押し寄せる大変な人気店です。店舗は2008年にリニューアルしていますが、それでも15年前のこと。それなのに、いまも店内はピカピカ。もつ焼き店ながら煤っぽさは皆無。清潔な暖簾からも大将と女将の人柄が伝わります。
清潔なことはもちろん嬉しいですが、それだけでない人気の理由がありました。それは一口モツ料理を食べればすぐにわかります。ここのモツは美味しい!
品書き
お酒
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- 生ビール アサヒスーパードライ:中550円・大990円
- 瓶ビール アサヒスーパードライ大:660円
- 酎ハイ、樽ハイ(樽ハイ倶楽部)レモンサワー、レモンハイ、ブラックニッカハイボール:各407円
- お酒2合:660円
料理
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- もつ焼き シロ、カシラ、レバ、タン、鳥たたき、ハツ、ナンコツ、コブクロ、焼鳥ねぎま:各165円
- 刺しもの シロ刺し、コブクロ刺し、ガツ刺し:495円
- 牛もつ煮込み:550円
- 玉子焼き:440円
- タンおろし:495円
- 軟骨あられ:495円
- 焼き魚:385円~
“フワトロ”のシロは、刺しでも串焼きでも頼みたい
アサヒスーパードライ大瓶(660円)
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アサヒビールの本社から徒歩圏ということもあってでしょう。ビールはアサヒビール一筋。キンキンに冷えたスーパードライでまずは喉を潤します。ビアタンにそっと注いで乾杯!
お通しはところてん
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下町(墨東エリア)の酒場はところてんを提供する店が多いですが、こちらではお通しで提供されています。酢醤油の酸味が体にしみていきます。さぁ、準備完了!モツ料理をいただきましょう。
シロ刺し(495円)
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モツ刺しといえば、ガツ酢味噌やコブクロなどが一般的です。シロはあまりみかけませんよね。どうしてもクサミが出やすい部位ですから、一般的にもつ焼きでも塩ではなくタレが推奨されるわけです。
そんな珍しいシロ刺しですが、これがびっくり!他に類のない美味しさなのです。当然クサミは皆無。どれほど丁寧に下ごしらえしたらこれだけ美味しくできるのでしょう。弾力はほとんどなく、口の中でトロトロと溶けていくような食感にも驚きます。
玉子サラダ(495円)
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モツばかりでは疲れてしまうと間に挟んだ、この玉子サラダも実にいい味です。卵の値上がりが続く昨今ですが、一体何個玉子を使ってくれているのでしょう。荒い潰し具合もちょうどよく、楽しい箸休めになりました。
わかば割り(407円)
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店名を冠した酎ハイがあれば、やはり気になりますよね。常連さんの多くが注文している名物ドリンクです。界隈に多い色付きの焼酎ハイボールではなく、こちらの看板酎ハイは粉末入りの緑茶ハイです。
提灯の色、椅子の色、よくみれば随所に「若葉」らしい色がコーディネートされています。
鳥たたき(165円/本)
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豚モツをメインにした店ですが、煮込みは牛モツですし、この鳥たたきも、なかなか良い味なのです。つくね好きならば忘れず注文したい逸品です。
豚もつ焼き(各165円/本)
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焼台の様子はよく見えませんが、非常に丁寧に焼いていることがわかります。ニンニクタレ、タレ、塩から味付けが選べますが、ガツンと旨味を感じるニンニクタレは積極的に選びたいところ。初めてならば、女将さんにおまかせするのもOK!
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刺しで味わったシロですが、もつ焼きでも頼みたい。表面はパリッと、なかはしっとりジューシーで、これはクセになります。住宅街でも満卓になる理由、よくわかりました。
酎ハイレモン(407円)
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酎ハイ類でおもしろいのは、樽詰サワー(アサヒ樽ハイ倶楽部)と平行して、甲類焼酎と炭酸をあわせた甘くない酎ハイがあるところ。焼酎の濃さは期待通り!
ごちそうさま
もつ焼きがお好きな方はぜひ訪ねて欲しい名店。家族三世代が店に立つアットホームな雰囲気も、最近忘れていた情緒があっていいものです。品書きにはありませんが、特シロという通常のシロより大きなものが仕入れ次第で登場します。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | もつ焼 わかば |
住所 | 東京都墨田区本所4-19-9 |
営業時間 | 営業時間 17:00~23:00 (22:30に炭を落とす) 定休日 日曜・祝日 |
開業時期 | 1984年頃 |