北千住『藤や』昭和51年から続く”八丁味噌ベース”の牛もつ煮込みの名店

北千住『藤や』昭和51年から続く”八丁味噌ベース”の牛もつ煮込みの名店

藤や』の名物は2種類の八丁味噌をブレンドした味噌ベースの串打ち牛煮込み。ほうじ茶割りと一緒に楽しめば、約半世紀の歴史も相まって実に心地よく感じます。L字カウンターの小さなお店なので、一体感も店の魅力のひとつ。昔ながらの下町酒場の風情が感じられます。

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煮込み好きなら一度は訪ねたい「藤や」

創業は1976年という、煮込みの老舗『藤や』。飾り職人だった初代がはじめた煮込みが評判となり、煮込み屋に姿を変えたそうです。

ここは駅から千住の旧日光街道を越えた駅の北側。無限にも思える北千住酒場街の赤ちょうちんの誘惑を振り切って歩くこと6分ほど。細い路地に静かにたなびく暖簾が見えたら、そこが『藤や』です。

外観

珍しいキンミヤのロゴ入り電照看板の明かりが営業中の合図。昭和で時間が止まったような店構えに、軽く背筋が伸びます。それでは、お邪魔します。

煮込み鍋

店に入ると、すぐにL字のカウンターがあり、その角には主役の煮込みが鎮座しています。店の奥には小上がりがありますが、特等席はやはり8席ほどのこのカウンターでしょう。カウンターで飲んでいるお客さんは半数が常連さんでした。

カウンターに煮込み鍋が埋め込まれた店は多々ありますが、ここの鍋は、よく見てみると銅製の立派な「天ぷら鍋」ではありませんか。

カウンターの隅には、益々繁盛を意味する二升五合の特製キンミヤボトルが鎮座しいます。

品書き

  • 生ビール アサヒスーパードライ
  • 瓶ビール アサヒスーパードライ
  • ほうじ茶割り
  • レモンハイ
  • 串煮込み:各120円
  • 煮込み豆腐:600円
  • 焼豚:600円

都内で珍しい串打ち味噌煮込みに舌鼓を打つ

アサヒスーパードライ中瓶

キンミヤがどーんと置いてあるので甲類焼酎を割って飲みたいところですが、まずはビールから。アサヒスーパードライの中瓶で乾杯

串煮込み(各120円)

「どれにしましょう」と聞いてくれますので、おまかせで4本お願いしました。

フワ、ハチノス、フワ、スジ、ハツなどの牛もつが絶妙な塩梅でクタクタになっています。よく煮込まれていて、中までいい色に染まっています。

八丁味噌特有のコクと深い旨味は、牛もつの旨味をより引き立て、実にいい味になっています。かたそうにみえる部位も噛んでみたらトロトロです。東京の煮込みは串打ちしている方が少数派。ぜひ食べてみてほしい逸品です。

ほうじ茶割

あわせるお酒は、常連さんに人気のほうじ茶割。香ばしい香りの向こう側にかなりしっかりとしたキンミヤのアルコール感。キンミヤ焼酎の甘さが素敵なアクセントになっています。

はんぺん焼(600円)

煮込みだけでなく一品料理も豊富です。今回ははんぺん焼きを頼みましたが、焼豚や牛たたきまで気になる肉料理が揃っています。

ごちそうさま

コンパクトなカウンターでお店の皆さんや常連さんと和気あいあいしながら過ごす時間は、今の時代、むしろ非日常かもしれません。昔ながらの下町酒場の風情を残す素敵な酒場、ぜひ煮込み鍋の前で味わってみてはいかがでしょう。

ディープな店構えですが、優しい酒場です。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名藤や
住所東京都足立区千住2-35
営業時間営業時間
17:00~22:00
定休日
日曜祝日
開業時期1976年