松江『浪花寿司』松江名物「むし寿司」。老舗寿司屋が守り続ける逸品の魅力とは?

松江『浪花寿司』松江名物「むし寿司」。老舗寿司屋が守り続ける逸品の魅力とは?

創業以来、130余年を経ても、伝統を大切に守り続ける老舗の寿司屋があります。名物は「むし寿司」。鰻や海老などたくさんの具材が敷かれた蒸したてホクホクのせいろ寿司は絶品。付け合せのお椀はアラ汁で、こちらもさすがと唸らせる美味しさです。

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歴史と自然に恵まれた魅力的な城下町、松江市

島根県松江市は、日本有数の趣きある城下町。伝統的な建物や美術館、庭園など、多彩な文化財が点在しており、訪れる人々を魅了しています。また、市内の温泉地である玉造温泉は、古くから多くの人々に愛され、今でも多くの観光客に人気です。

歴史ある街に名店あり。日本三大和菓子処として知られていますが、寿司や蕎麦、居酒屋も歴史ある名店が揃っています。

今回はそんな松江の名店のひとつ。明治20年から続く寿司店『浪花寿司』を訪ねます。

城下町の町割りが残る松江の小道「茶町商店街」を歩きやってきました。店の斜向かいは國暉酒造という造り酒屋があることからも歴史ある商店街だとわかります。街の由来は、松江城築上に携わる職人が一服する場所だったことから。

地元では知らない人が居ないほどの有名店とのことで、開店に合わせて次々とお客さんが暖簾をくぐっていきます。私も空席があるうちに店内へ。

現在は4代目が暖簾を守り、ご家族で切り盛りされています。優しい笑顔で迎えられ、カウンター席へ。カウンターは5席ほどで、メインはテーブル席という構造は、寿司店というより食堂に近い雰囲気です。

寿司も数貫ずつ注文する江戸前寿司はなく、非常にシンプルな品揃えとなっています。

品書き

  • 瓶ビール アサヒプレミアム熟撰中瓶:550円
  • 日本酒:550円
  • むし寿司:1,100円
  • ちらし寿司:1,100円
  • にぎり寿司:1,200円
  • いなり寿司:660円
  • 茶碗蒸し:+200円

松江名物と言われる理由がわかる上品な味

アサヒプレミアム熟撰(550円)

お酒はビールと清酒の2種類。日本酒はあとでいただくとして、まずはビールから。珍しい熟撰をおいています。それでは乾杯

むし寿司 茶碗蒸し付き(1,300円)

お店の説明によると、初代坂本金蔵の女将さんが考案したという「むし寿司」。いまは松江の寿司店の多くが提供している松江の名物料理となりました。JR松江駅ではむし寿司の駅弁も販売されています。

さて、10分ほど待ったところで、立派なせいろが運ばれてきました。

蓋を外すと、ふわっと酢飯や魚介類の甘い香りが立ち、その香りだけで思わすビールを一口。

酢飯を隠すように錦糸卵が敷かれ、海老、鰻、牛しぐれ煮、ちくわ、かまぼこ、肉厚のしいたけ、甘い栗もいい味です。食べる前から、目でも楽しませてくれる素晴らしい盛り付けですね!

宍道湖畔の松江の名物でもある鰻が入っているのが嬉しいです。蒸されてふっくらとしています。

付け合せのお椀も触れておきたい絶品。上品なむし寿司を補うような大胆なアラ汁です。アラ汁といっても、かなり身がついたブリのぶつ切りで、これだけでもお銚子1本空になってしまいそうな満足感があります。クサミは皆無で、ただただ美味。

ごちそうさま

江戸前寿司に慣れ親しんだ方には、シンプルな品揃えかもしれませんが、むし寿司もまた素晴らしい料理です。暖かいお寿司と女将さんの笑顔に、ほっこりとした気持ちになりました。松江を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。きっと、浪花寿司の味と雰囲気に魅了されることでしょう。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名浪花寿司
住所島根県松江市東茶町27
営業時間営業時間
[月~水・金~日]
11:30~14:30
16:30~19:00(売り切れ次第終了)
定休日
木曜・月2回水曜※詳しくはInstagramを確認してください
開業した年1887年