朝から魚をつまみに飲みたくなったら、市場の食堂へ!松戸市の台所的な存在の「松戸南部市場」内にある『江戸っ子寿司』は朝9時から暖簾を掲げる市場の寿司屋です。市場仕入れの新鮮な魚介類が楽しめます。寿司だけでなく、刺身盛り合わせも絶品で、午前中からお酒が進むこと間違いありません。
目次
豊洲だけではない、市場の海鮮&朝酒
“市場飲み”といえば東京の豊洲市場が世界的に有名ですが、全国に点在する市場でも朝からお酒が楽しめる店はたくさんあります。
「全国の市場で朝から飲もう」をテーマのひとつとしている筆者は、今回、千葉県松戸市にある松戸市公設地方卸売市場南部市場にやってきました。市場の開設は1966年(昭和41年)。約4万6,000㎡の敷地に、水産、青果、関連物販の施設があり、6軒の飲食店を併設しています。
市場までのアクセスは、JR松戸駅から徒歩では25分ほどかかるため、駅前を発着する路線バス(新京成バス)を利用しました。
水産部を持つ市場の朝酒といえば、寿司や刺身、海鮮丼などの海鮮料理が主役でしょう。ということで、いくつかある食堂から選んだお店が『江戸っ子寿司』。
創業は2011年。大将はそれまで成田にある戦前から続く老舗寿司店のつけ場に立っていた方で、ベテランの寿司職人です。
暖簾をくぐると、優しい雰囲気の店員さんが迎えてくれ、カウンターからは、寿司店らしいパリッとした姿の大将が「いらっしゃい!」と挨拶します。カウンターを中心として席数は10席ほど。定員は多くはありませんが空間にゆとりがあり、座ってみると意外と開放感も感じます。
品書き
(扇子に書かれた品書きは風情があります)
お酒
ビール(サッポロ黒ラベル中瓶):600円、日本酒大関:500円、地酒:800円。
料理
おつまみは刺身盛り合わせ:2,200円、帆立磯辺焼:500円など。
おまかせにぎり:1,800円、特上にぎり:2,900円、特上ちらし:3,500円、海鮮ちらし:2,000円、づけ丼:1,100円など。
朝からつまむお刺身、お寿司はやっぱり特別です
瓶ビール サッポロ黒ラベル(600円)
午前中に飲むビールは、背徳感も美味しさの隠し味。トクトクと注いで、では乾杯!
刺身盛り合わせ(2,200円)
まずはつまみでお刺身をいただきます。もちろん、市場内で仕入れたものばかりだそう。盛り合わせは非常に豪華で、本マグロ、カツオ、カンパチ、帆立貝柱、赤貝紐、太刀魚、そして鯨ベーコンという内容です。
なかでも、厚く切った本マグロは絶品です。ねっとりとして濃厚な脂の旨味が口いっぱいに広がります。
大関(500円)
こうなると、欲しくなるのが日本酒です。ビールをすっと飲みきったところで、大関を常温でいただきました。珍しい大関の上撰金冠一合瓶です。淡麗な味に、赤貝紐のさわやかな風味がマッチします。
特上にぎり(2,900円)
刺し盛りでお酒を数本空けたところで、それでは握っていただきましょう。
さっきまでほろ酔いになっていた私ですが、最初の二貫で一気に寿司に注目がいきます。酢飯の3倍はあるような、大きく切られた本マグロ大トロと、脂の乗ったブリにたまげました。熟成具合がよく、しっかりとした旨味が脳にひびきます。握りを食べる順番としては後半に出てくるような主役ですが、一貫目から心を掴んできました。
続いて車海老。これまた立派ですね。下ごしらえも丁寧です。兜は飾りでおかれているだけで、すっと取り外して簡単に頬張れます。
飾り切りをしてパチンと叩けば反り返る、活赤貝。きゅっとしており、コリコリと歯ごたえのある食感に、上品な甘さが楽しめます。
巻きものは中トロです。ねっとりとしていて大変美味。
イクラとウニ。3,000円未満の握り盛り合わせでこれだけ出してくれるとは、やはり市場価格です。
穴子はふっくらとしていてホクホクです。創業時から守っているというコク深いツメとよくあいます。
お椀がでて、これで一通り。
市場の隅にある、午前からお昼すぎまでしか暖簾を掲げない寿司店ですが、夜営業の本格的な寿司店と変わらない質です。
朝酒から贅沢しすぎた感じはありますが、たまの市場酒ですから楽しまなくては!
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 江戸ッ子壽司 |
住所 | 千葉県松戸市松戸新田30 松戸南部市場 |
営業時間 | 9:00~15:00(日祝定休・夜は予約でのみ営業) |
開業年 | 2011年 |